ハウスフリーダム 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ハウスフリーダム 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ハウスフリーダムは、東京証券取引所スタンダード市場および福岡証券取引所本則市場に上場しています。不動産仲介を中核とし、新築戸建分譲、建設請負、損害保険代理、不動産賃貸を展開しています。直近の業績は主力事業が好調に推移し、前年比で増収増益を達成しており、安定した成長を続けています。


※本記事は、ハウスフリーダムの有価証券報告書(第31期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月23日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ハウスフリーダムってどんな会社?


地域密着型の営業スタイルで不動産仲介や新築戸建分譲などを幅広く展開する企業です。

(1) 会社概要


1995年に大阪府松原市で不動産販売・仲介業として設立されました。2003年に建設請負事業を開始し、2006年に福岡証券取引所Q-Board市場に上場しました。2014年にはリフォーム請負事業を目的とするリフォスタを設立し、2022年に東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。

同社の従業員数は連結で243名、単体で149名です。筆頭株主はオーエフコーポレーションで、第2位は過去に協業体制の経緯があるVTホールディングスです。

氏名 持株比率
オーエフコーポレーション 22.91%
VTホールディングス 14.51%
山西みき子 7.90%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は小島賢二氏が務めています。社外取締役の比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
小島賢二 代表取締役社長 1995年3月同社設立、代表取締役社長就任。2023年3月よりリフォスタ代表取締役社長を兼務。
河辺豊 取締役 2010年1月同社入社。人事総務部長、経営企画室長、管理本部長などを経て、2025年1月より現職。
森光哲也 取締役 2000年10月同社取締役就任。取締役副社長、管理本部長、海外担当などを歴任し、2023年3月より現職。
樫根達也 取締役常勤監査等委員 2008年9月同社入社。総務部長、監査室長、常勤監査役を経て、2021年3月より現職。


社外取締役は、伊藤誠英(AMGホールディングス取締役会長)、松岡宏治(税理士法人総合経営社員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「不動産仲介事業」「新築戸建分譲事業」「建設請負事業」「損害保険代理事業」「不動産賃貸事業」を展開しています。

不動産仲介事業


大阪府、福岡県、愛知県エリアを対象に、戸建住宅やマンションなどあらゆる不動産物件の売買仲介を行っています。店舗から半径約2.5kmに商圏を限定し、地域の情報を蓄積する地域密着型営業が特徴です。

不動産の売買契約成立時に顧客から受け取る仲介手数料を主な収益源としています。事業の運営は、同社のほか、シティーホーム、アイデムホームが行っています。

新築戸建分譲事業


第一次取得層をメインターゲットに、中小規模のプロジェクトを中心とした新築戸建分譲を行っています。地域密着型営業で収集した情報をもとに良質な用地を取得し、付加価値の高い住宅を建築して販売しています。

開発・建築した新築分譲住宅や中古物件、分譲土地を顧客に販売することで収益を得ています。事業の運営は同社が行うほか、リフォスタが中古物件の買取再販、シティーホームが土地分譲を行っています。

建設請負事業


注文住宅や規格型住宅およびリフォーム工事の請負業務を行っています。不動産仲介事業や新築戸建分譲事業と連携し、幅広い顧客ニーズに対応できる体制を構築しているのが特徴です。

顧客との請負契約に基づき、各種工事を実施することで請負代金を収受する収益モデルです。同社が主体となって事業を運営しており、リフォスタやアイデムホームでも請負業務を展開しています。

損害保険代理事業


グループが展開する不動産関連サービスから派生する、火災保険や地震保険などの各種損害保険を取り扱っています。顧客の住まいに関する安心をサポートするサービスです。

損害保険会社との保険代理店委託契約に基づき、保険契約の成立に応じた代理店手数料を受け取って収益としています。同社、シティーホーム、アイデムホームの各社が事業を運営しています。

不動産賃貸事業


関西圏および東海圏を中心として、主に住居用マンションやオフィスビルなどの不動産の仕入れ、開発、賃貸、販売を行っています。ストック型事業として収益の安定化に寄与しています。

保有する不動産の賃貸による賃料収入のほか、自社で開発した小規模賃貸アパートやマンションの販売代金を収益源としています。事業の運営は同社およびシティーホームが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5年間の業績は、一時的な減収があったものの、全体として順調に拡大しています。特に直近2年間は主力事業の成長が牽引し、連続して大幅な増収増益を記録しており、収益性も安定して向上する傾向にあります。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 118億円 130億円 118億円 145億円 169億円
経常利益 4億円 6億円 6億円 8億円 10億円
利益率(%) 3.6% 4.3% 5.0% 5.3% 5.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 3億円 6億円 5億円 5億円 6億円

(2) 損益計算書


売上高の増加に伴い売上総利益および営業利益も順調に伸長しています。利益率も安定して推移しており、事業規模の拡大と収益性の維持が両立できていることが伺えます。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 145億円 169億円
売上総利益 44億円 50億円
売上総利益率(%) 30.1% 29.8%
営業利益 9億円 11億円
営業利益率(%) 6.1% 6.6%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が13億円(構成比34%)、広告宣伝費が8億円(同20%)を占めています。

(3) セグメント収益


各セグメントの売上高は全般的に増加傾向にあります。特に新築戸建分譲事業と不動産賃貸事業が大きく売上を伸ばしており、全体の増収を牽引しています。不動産仲介事業や建設請負事業も堅調に推移しています。

区分 売上(2024年12月期) 売上(2025年12月期)
不動産仲介事業 21億円 23億円
新築戸建分譲事業 80億円 92億円
建設請負事業 13億円 13億円
損害保険代理事業 0.4億円 0.5億円
不動産賃貸事業 30億円 41億円
連結(合計) 145億円 169億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標

同社は、主に金融機関からの借入により、分譲用地等の仕入資金を調達しています。
不動産賃貸事業では、自社開発アパート販売の増加が売上・利益を押し上げました。
営業活動では、本業で得た資金が増加要因となりました。
投資活動では、設備投資等で資金が減少しました。
財務活動では、借入や返済、短期借入の増減、社債償還、配当金支払い等により資金が増加しました。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF 17億円 6億円
投資CF -2億円 -1億円
財務CF -12億円 3億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


経営理念として「我々は、住宅産業を通じて価値創造し、人々に夢と希望の創出を永続することが、社会貢献であり、企業としての宿命であると考える。」を掲げています。お客様と共に栄える企業へ成長するとともに、「お客様に選ばれる満足度No.1の住宅会社」を目指して事業運営を行っています。

(2) 企業文化


同社は、設立以来、住宅・不動産業界において過去の慣習にとらわれずに新しい経営スタイルを確立することを目指す文化を持っています。展開する5つの事業のシナジー効果を最大限発揮して、お客様が一生涯にわたり安心して生活できる「住環境」を提供し続けることを重視し、地域密着スタイルの営業を重んじています。

(3) 経営計画・目標


経営基盤の強化および継続した企業価値の向上を目標とし、「売上高経常利益率」を重要指標と位置付けています。利益率向上のため、不動産仲介事業の手数料収益の拡大や、新築戸建分譲事業の収益性および生産性の向上を推進し、グループ全体として利益の最大化が図れる事業展開を目指しています。

(4) 成長戦略と重点施策


基本戦略として、5つの事業分野の連携強化によるシナジー効果の最大化と、エリアを絞った地域密着の営業戦略を進めています。各商圏でのマーケットシェアを高め、地域顧客の生涯顧客化による長期的な収益モデルの構築を目指す方針です。不動産仲介事業の新規出店や、不動産賃貸事業によるストックビジネスの拡大を図ります。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人的資本の充実を重要課題と認識し、人材の多様性の確保を含む人材育成および社内環境整備に取り組んでいます。適切な研修の実施や認定資格取得の支援等に加え、女性管理職の積極登用や高度なスキルを持つキャリア層の採用を推進し、仕事との両立を支援する働きやすい風土づくりを進めています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 40.9歳 7.5年 7,411,000円


※平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 8.1%
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全労働者) -
男女賃金差異(正規雇用) -
男女賃金差異(非正規雇用) -


※同社および連結子会社は男性育児休業取得率および男女の賃金の差異について、公表項目として選択していないか、公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 建築コストや原材料価格の変動


国内外の市場動向による原材料・資材価格、人件費、物流費等の上昇や外注費の上昇は、その影響額を販売価格へ転嫁することが難しい場合、同社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。同社グループでは、仕入先を複数に分散することで仕入価格上昇に対するリスクヘッジを行っています。

(2) 不動産・建設関連の法的規制


同社グループが属する住宅・不動産業界は、宅地建物取引業法、建築基準法、建設業法等の多くの法的規制を受けています。コンプライアンス体制を強化し法令遵守を図っていますが、重大な法令違反が発生した場合や、公的規制の改訂、新設、強化等がなされた場合、事業活動が制限され業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 品質保証と契約不適合責任


同社グループは、法律に基づき新築住宅の構造上主要な部分等について10年間、中古不動産については2年間の瑕疵担保責任や契約不適合責任を負っています。品質管理を徹底し賠償責任保険にも加入していますが、販売物件に重大な問題が判明した場合、保証工事費の増加や信用力低下により業績に影響する可能性があります。

(4) 住宅市況および金利状況の変動


住宅・不動産関連事業は顧客需要の動向に影響を受けやすく、景気、雇用、金利、地価等の動向に左右されます。雇用不安や金利の上昇、住宅減税措置の縮小等が発生した場合、顧客の購買意欲が低下し業績に影響するリスクがあります。これに対し、同社グループはストック型事業の拡大により影響の軽減を図っています。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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