※本記事は、株式会社エスケイジャパンの有価証券報告書(第37期、自 2025年3月1日 至 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. エスケイジャパンってどんな会社?
同社グループは、アミューズメント景品やキャラクターグッズの企画・販売を主力とするエンタメ企業です。
■(1) 会社概要
同社は1989年にファンシーグッズの卸販売を目的に設立されました。1992年にアミューズメント業界への販売を開始し、1999年に新市場部へ上場しました。その後、電子玩具等の企画開発・販売事業を開始し、2021年にはラウンドワンが主要株主となり関係を強化しています。
現在の従業員数は連結で145名、単体で141名体制です。筆頭株主はアミューズメント施設を運営する事業会社のラウンドワンで、第2位および第3位の株主は個人投資家である久保泰子氏と久保千晶氏が名を連ねています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ラウンドワン | 32.05% |
| 久保 泰子 | 4.77% |
| 久保 千晶 | 4.77% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は八百博徳氏が務めています。社外取締役の比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 八百 博徳 | 代表取締役社長 | 1991年同社入社。常務取締役商品担当、グループ統括などを経て、2014年4月より現職。北京子会社の董事長も務める。 |
| 永立 良平 | 常務取締役アミューズメント事業本部長 | 1995年同社入社。執行役員や取締役アミューズメント事業部長を経て、2024年5月より現職。米国子会社の取締役も務める。 |
| 本田 一義 | 常務取締役キャラクター・ファンシー事業本部長 | 1996年同社入社。執行役員や取締役キャラクター・ファンシー事業部長を経て、2024年5月より現職。 |
| 石井 正則 | 取締役管理本部長 | 2004年同社入社。執行役員管理部長や取締役管理部長を経て、2024年3月より現職。米国子会社の取締役も務める。 |
| 岡﨑 栄一 | 取締役(常勤監査等委員) | 1976年住友ゴム工業入社。タカラスタンダード経理部長等を経て2016年同社入社。2020年5月より現職。 |
社外取締役は、岡嶋孝(ラウンドワンジャパン上席部長)、篠原耕治(元日産自動車販売常務取締役)、田中豊生(至道法律事務所パートナー)です。
2. 事業内容
同社グループは、「キャラクターエンタテインメント事業」「キャラクター・ファンシー事業」の2つの報告セグメントで事業を展開しています。
■キャラクターエンタテインメント事業
主にキャラクターのぬいぐるみやキーホルダー等を、国内外のアミューズメント施設やカプセルトイ取扱事業者に向けて企画・販売しています。
アミューズメント施設のオペレーターやカプセルトイ事業者等に対する商品の卸売による販売代金が主な収益源です。運営はエスケイジャパンが主体となり、海外事業は連結子会社が担っています。
■キャラクター・ファンシー事業
キャラクターのぬいぐるみやキーホルダー、家庭雑貨、携帯電話アクセサリー等の商品を、雑貨専門店や量販店等に向けて企画・販売しています。
ファンシーグッズ専門店や量販店などに対する商品販売や、自社eコマースを通じた消費者への直接販売による代金が収益源です。運営はエスケイジャパンが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
過去5期間の業績を見ると、売上高は右肩上がりで順調に推移しており、直近の2026年2月期では大幅な増収を記録しています。経常利益と当期利益もそれに伴い大きく伸長しており、利益率も11.6%と高い水準を確保するなど、非常に好調な成長トレンドを描いています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 65億円 | 97億円 | 106億円 | 133億円 | 162億円 |
| 経常利益 | 5億円 | 5億円 | 11億円 | 13億円 | 19億円 |
| 利益率(%) | 7.3% | 5.6% | 10.1% | 9.5% | 11.6% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 3億円 | 4億円 | 7億円 | 8億円 | 12億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の増加に伴い売上総利益も順調に拡大しています。売上総利益率は27%台を維持しており、販売費及び一般管理費の増加を吸収して営業利益率も前期から上昇して11.5%となるなど、収益性の向上が確認できます。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 133億円 | 162億円 |
| 売上総利益 | 36億円 | 45億円 |
| 売上総利益率(%) | 26.9% | 27.9% |
| 営業利益 | 12億円 | 19億円 |
| 営業利益率(%) | 9.3% | 11.5% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が8億円(構成比30%)、荷造運搬費が6億円(同22%)を占めています。
■(3) セグメント収益
キャラクターエンタテインメント事業はクレーンゲーム市場の活況により大幅な増収を牽引しました。キャラクター・ファンシー事業もインバウンド需要などを取り込み、順調に売上規模を拡大しています。
| 区分 | 売上(2025年2月期) | 売上(2026年2月期) |
|---|---|---|
| キャラクターエンタテインメント事業 | 97億円 | 123億円 |
| キャラクター・ファンシー事業 | 36億円 | 40億円 |
| 連結(合計) | 133億円 | 162億円 |
営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業である「健全型」です。企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は21.8%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は78.0%となっており、いずれも市場平均を上回っています。
| 項目 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 7億円 | 8億円 |
| 投資CF | -1億円 | -2億円 |
| 財務CF | -2億円 | -3億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、「Dream for your life 人と社会の幸せのために、創造への挑戦を続けます」を経営理念に掲げています。癒し・安らぎ・潤いのある商品の企画開発・販売に取り組み、真に価値ある商品の提供による業容拡大を通じて、社員と家族、株主、取引先、社会が幸せになる継続的な企業創造への挑戦を目指しています。
■(2) 企業文化
同社は、『子供から大人まで夢のあるキャラクター商品を人々の生活の中に提供したい』というスローガンを全社員に浸透させています。求められる商品力向上とサービスを提供し、顧客満足を高めることで個人と会社の成長を目指す姿勢が重視されており、新しい価値と感動を生む商品の創造に挑戦する文化を持っています。
■(3) 経営計画・目標
同社は、さらに強固な財務基盤を構築するため、高採算の商品開発と適正な在庫・経費管理を徹底し、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として以下の数値を設定しています。
* 営業利益率5%以上
* ROE10%以上
* 自己資本比率80%以上
■(4) 成長戦略と重点施策
今後の成長戦略として、既存の2つの事業を影響力のある事業へ成長させつつ、新たな市場へのチャレンジによる事業規模拡大を図ります。具体的には、クレーンゲーム機向けの縫製・成型商品等の充実、新規キャラクターの積極的な取得、自社ECや海外市場等への新たな販路開拓、インバウンド需要を取り込む商品企画体制の強化を進めます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、性別や国籍などに関係なく全ての社員がいきいきと働き、継続的に活躍できる多様性のある職場環境づくりに努めています。処遇面ではスキルや成果に応じた人事評価を行う方針です。また、人事制度の刷新を通じて従業員の成長実感とチャレンジ意欲を育む仕組みを目指し、教育や自己啓発制度の導入を行っています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月期 | 37.7歳 | 10.4年 | 6,494,350円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 11.1% |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | 73.6% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 74.9% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 143.1% |
※男性育児休業取得率については、有価証券報告書に記載が省略されています。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 市場規模の制約
アミューズメント業界向け販売部門の市場は小さく、プライズ機向けの景品価格が規制により低単価に抑えられています。大手ゲーム機メーカーがシェアの半分を占めており、景気動向やヒット商品に恵まれるかどうかが経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
■(2) キャラクター商品への依存
取り扱う商品の大半がキャラクター商品であり、人気の移り変わりに柔軟に対応していますが、人気度や版権元からの商品化許諾を獲得できない場合、経営成績に影響を受ける可能性があります。競合他社が同じキャラクターを使用するリスクも存在します。
■(3) 短い商品のライフサイクル
商品のライフサイクルが短いため、消費者動向への迅速な対応を欠いた場合や、見込み違いにより滞留在庫が増加した場合、売却損や廃棄損を計上し、経営成績が変動するリスクがあります。



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