※本記事は、株式会社エスケイジャパン の有価証券報告書(第36期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年5月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. エスケイジャパンってどんな会社?
ゲームセンターの景品やキャラクター雑貨の企画・販売を手掛ける企業です。独自の企画力で市場トレンドに対応しています。
■(1) 会社概要
1989年(平成元年)に大阪で設立され、ファンシーグッズの卸販売を開始しました。1992年にアミューズメント業界へ参入し、事業を拡大。1999年に大阪証券取引所へ上場し、2004年には東証・大証一部へ指定されました。2022年の市場区分見直しに伴い、現在は東証スタンダード市場に上場しています。
連結従業員数は140名、単体では137名です。筆頭株主は屋内型複合レジャー施設を運営するラウンドワン(32.11%)で、同社とは強固な取引関係にあります。第2位、第3位には個人株主(久保氏)が名を連ねています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ラウンドワン | 32.11% |
| 久保 泰子 | 4.78% |
| 久保 千晶 | 4.78% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性8名、女性0名、計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は八百 博徳氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 八百 博徳 | 代表取締役社長 | 1991年同社入社。常務取締役商品担当、グループ統括等を経て、2014年より現職。 |
| 永立 良平 | 常務取締役 | 1995年同社入社。アミューズメント事業部長等を経て、2024年より現職。 |
| 本田 一義 | 常務取締役 | 1996年同社入社。キャラクター・ファンシー事業部長等を経て、2024年より現職。 |
| 石井 正則 | 取締役 | 2004年同社入社。管理部長等を経て、2024年より現職。 |
| 岡﨑 栄一 | 取締役 | 元タカラスタンダード経理部長。2016年同社入社、管理部長等を経て2020年より現職。 |
社外取締役は、岡嶋 孝(ラウンドワンジャパン上席部長)、篠原 耕治(元日産自動車販売常務)、田中 豊生(至道法律事務所パートナー弁護士)です。
2. 事業内容
同社グループは、「キャラクターエンタテインメント事業」および「キャラクター・ファンシー事業」を展開しています。
■キャラクターエンタテインメント事業
アミューズメント施設向けの景品(プライズ)や、カプセルトイ商品の企画・販売を行っています。定番キャラクターやレトロキャラクターのぬいぐるみ、キーホルダーなどを扱っています。
収益は、主にアミューズメント施設運営企業やカプセルトイ取扱事業者への商品販売代金から得ています。運営は主に同社および海外子会社(SKJ USA,INC.、愛斯凱杰(北京)文化伝播有限公司)が行っています。
■キャラクター・ファンシー事業
ファンシーグッズ専門店や量販店向けに、キャラクターのぬいぐるみ、キーホルダー、家庭雑貨などの企画・販売を行っています。インバウンド需要に対応した商品展開も強化しています。
収益は、雑貨専門店や量販店、卸売業者への商品販売代金から得ています。運営は主に同社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績を見ると、売上高は54億円から133億円へと大幅に拡大しており、成長傾向が顕著です。経常利益も2億円台から13億円へと増加し、利益率も4%台から9%台へと改善しています。特にここ数年はアミューズメント市場の回復を取り込み、高い成長率を維持しています。
| 項目 | 2021年2月期 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 54億円 | 65億円 | 97億円 | 106億円 | 133億円 |
| 経常利益 | 2.3億円 | 4.7億円 | 5.5億円 | 11億円 | 13億円 |
| 利益率(%) | 4.3% | 7.3% | 5.6% | 10.1% | 9.5% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 3.0億円 | 3.5億円 | 4.0億円 | 7.3億円 | 8.0億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の大幅な増加に伴い、売上総利益も順調に拡大しています。原価率は前期とほぼ同水準で推移しており、営業利益率も9%台を維持しています。増収効果がしっかりと利益に結びついており、本業の収益性が高い水準で安定していることがわかります。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 106億円 | 133億円 |
| 売上総利益 | 30億円 | 36億円 |
| 売上総利益率(%) | 27.8% | 27.0% |
| 営業利益 | 10億円 | 12億円 |
| 営業利益率(%) | 9.4% | 9.3% |
販売費及び一般管理費のうち、その他が9億円(構成比38%)、給料及び手当が7億円(同29%)を占めています。売上原価は売上原価合計の100%を占めています。
■(3) セグメント収益
キャラクターエンタテインメント事業は、プライズ市場の活況とカプセルトイの拡充により大幅な増収増益となりました。キャラクター・ファンシー事業は、インバウンド需要等で増収となりましたが、商品構成の変化により利益率は低下し減益となりました。
| 区分 | 売上(2024年2月期) | 売上(2025年2月期) | 利益(2024年2月期) | 利益(2025年2月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| キャラクターエンタテインメント事業 | 73億円 | 97億円 | 7.7億円 | 10億円 | 10.6% |
| キャラクター・ファンシー事業 | 33億円 | 36億円 | 2.3億円 | 2.0億円 | 5.7% |
| 連結(合計) | 106億円 | 133億円 | 10億円 | 12億円 | 9.3% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社は、本業で稼いだ資金(営業CFプラス)の一部を投資に回し(投資CFマイナス)、残りを株主還元等(財務CFマイナス)に充てている「健全型」のキャッシュ・フロー状態です。
| 項目 | 2024年2月期 | 2025年2月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 11億円 | 6.6億円 |
| 投資CF | -1.3億円 | -1.2億円 |
| 財務CF | -1.1億円 | -1.7億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は18.0%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も82.3%で市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は「Dream for your life 人と社会の幸せのために、創造への挑戦を続けます」を経営理念としています。癒し・安らぎ・潤いのある商品の企画開発・販売を通じて、社員、家族、株主、取引先、社会が幸せになる継続的な企業創造を目指しています。
■(2) 企業文化
「子供から大人まで夢のあるキャラクター商品を人々の生活の中に提供したい」というスローガンを全社員に浸透させています。求められる商品力の向上とサービスの提供により、顧客満足を高めることで、個人と会社の成長を目指す風土があります。
■(3) 経営計画・目標
強固な財務基盤を構築するため、高採算の商品開発と適正な在庫・経費管理を徹底し、以下の経営指標を目標として掲げています。
* 営業利益率5%以上
* ROE10%以上
* 自己資本比率80%以上
■(4) 成長戦略
事業規模拡大に向け、キャラクターライセンスの取得とトレンドに合った商品企画、海外市場を含めた販路開拓を重視しています。
* キャラクターエンタテインメント事業:新規キャラクターとアニメ作品のライセンス取得、拡大するカプセルトイ市場への対応強化。
* 海外事業:日本の「kawaii」商品の提案数増加とオリジナリティの追求。
* キャラクター・ファンシー事業:インバウンド需要の取り込みと商品企画体制の強化。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
性別、国籍、中途採用者に関係なく、全ての社員がいきいきと活躍できる多様性のある職場環境づくりに努めています。処遇面でも属性にかかわらず、本人のスキルや成果に応じた人事評価を行うことを基本方針としています。また、人事制度の刷新を通じて、従業員の成長実感とチャレンジ意欲を育む仕組みを目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均とほぼ同じ水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年2月期 | 37.4歳 | 9.7年 | 5,808,966円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 7.7% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 71.9% |
| 男女賃金差異(正規) | 71.9% |
| 男女賃金差異(非正規) | 92.3% |
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 市場規模と競合環境について
アミューズメント業界向け販売部門は、プライズ機向け景品の価格規制(おおむね1,000円以下)により単価が低く、市場規模が限定的です。また、大手メーカーがシェアの半数を占める中で残り30社程度と競合しており、景気動向やヒット作の有無に業績が左右されやすい環境にあります。
■(2) キャラクター商品への依存について
取扱商品の大半がキャラクター商品であるため、キャラクターの人気度により業績が変動する可能性があります。版権元からのライセンス許諾が得られなかった場合や契約解消となった場合、業績に影響が及びます。また、商品化契約は独占的でないことが多く、競合他社との差別化が必要です。
■(3) 商品のライフサイクルについて
取扱商品のライフサイクルは短く、消費者動向への対応遅れや、ヒット商品が一時的な人気にとどまった場合、業績に影響を与える可能性があります。見込み生産が主であるため、滞留在庫が増加した場合には在庫処分による損失計上が発生するリスクがあります。
■(4) 為替の変動について
企画する商品の大半を海外で生産しているため、為替変動が輸入価額に影響を及ぼします。為替予約によるリスクヘッジを行っていますが、急激かつ大幅な為替変動が継続した場合には、輸入コストの上昇等により業績に影響を与える可能性があります。



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