※本記事は、鹿島建設株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
鹿島建設は、土木事業、建築事業、開発事業などを展開する総合建設会社です。同社グループは、国内関係会社および海外関係会社を通じて、日本国内外で多様な事業活動を行っています。
鹿島建設の単体従業員数は8,959名、連結従業員数は21,170名です。セグメントは土木事業、建築事業、開発事業等、国内関係会社、海外関係会社の5つです。
主な国内グループ会社は、大興物産、鹿島道路、鹿島リース、鹿島建物総合管理(建物の管理・メンテナンス業務)、イートンリアルエステート(不動産の売買及び賃貸等)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
鹿島建設は、建設業界のリーディングカンパニーとして、安定した事業基盤を持つ企業グループです。社員一人ひとりの成長と活躍を重視し、多様な働き方を支援する環境整備にも力を入れています。給与水準や人材育成、ダイバーシティ推進への取り組みを通じて、社員が長期的にキャリアを築けるような企業文化が形成されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
鹿島建設では、社員の平均勤続年数が長く、安定して働き続けられる環境がうかがえます。平均年齢も建設業界の特性を反映した構成となっており、経験豊富な人材が多数在籍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 12,454,406円 |
| 平均勤続年数 | 15.7年 |
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 単体従業員数 | 8,959人 |
| 連結従業員数 | 21,170人 |
| 単体のグループ内比率 | 42.3% |
同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付制度と確定拠出制度の両方を採用しています。確定給付制度は給与や勤務期間に応じて給付額が決まるタイプ、確定拠出制度は会社が拠出した資金を従業員が運用するタイプです。これらの制度は、同社、国内連結子会社および一部の在外連結子会社を対象としています。
退職一時金制度も設けられており、ポイントまたは給与と勤務期間に基づいて一時金が支給されます。なお、確定給付制度における退職給付債務は633億円、年金資産は173.1億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「人道主義」に基づく家族的な社風を価値創造の源泉と捉え、社員と会社が互いにWin-Winとなる企業風土の醸成を重視しています。中期経営計画では、「高いエンゲージメントのもと多様な人材が個性を発揮する」「一人ひとりが主体性をもって新しいことに挑戦し続ける」ことをありたい姿として掲げています。
人材戦略の柱として、「人材確保」「人材開発・育成」「エンゲージメントの向上」の3つを掲げ、有機的につなぐ施策を推進しています。具体的には、外部労働市場を踏まえた競争力ある給与水準を確保しつつ、個人の成果、職責、能力、取り組み姿勢、会社業績を総合的に評価して給与に反映する方針です。人事制度全体の公平性と納得性を確保した運用を通じて、従業員が安心して主体的に挑戦できる環境を整備し、エンゲージメント向上を通じた中長期的な活躍を支援しています。
また、建設・開発事業の中核を担う人材に加え、専門性の高い人材やグローバル化に対応できる人材の採用を積極的に進めています。特に「現場の知」を有するシニア人材を不可欠な人的資本と位置付け、支援を充実させています。高度な専門人材とマネジメント人材の育成にも力を入れ、研修体系の構築を通じて社員一人ひとりの継続的な成長を支援しています。性別や国籍、障がいの有無など多様なバックグラウンドを持つ人材が能力を最大限に発揮できるよう、育児・介護フレックス制度の拡充など、仕事と育児・介護の両立支援に向けた制度を充実させています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率は女性活躍推進法に基づき算出され、男性労働者の育児休業取得率は育児・介護休業法に基づき育児休業等および育児目的休暇の取得割合を算出しています。労働者の男女の賃金差異は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しており、同一労働における賃金の差異はなく、採用区分や等級別の人数構成等の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 3.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 94.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 58.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 60.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 47.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 大興物産㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 4.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 64.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 62.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 61.8% |
▼ 鹿島道路㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 114.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 63.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 62.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | 67.1% |
▼ ケミカルグラウト㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 1.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 60.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 70.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(正規雇用労働者) | 70.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(パート・有期労働者) | - |
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
提出会社単体の数値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 総合職女性採用比率 | 27.1% |
| 女性管理職比率 | 3.5% |
| 男性社員の育児休業等取得率 | 94.3% |
| 男性社員の育児休業等取得率(30日以上取得率) | 62.3% |
従業員エンゲージメント
提出会社単体の数値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 鹿島エンゲージメントスコア | 17.98 |
人権
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| サプライチェーンアンケート回答率 | 76.8% |
気候変動関連
CO2排出削減目標は2021年度比、CO2排出量実績は連結ベースの数値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| CO2排出削減目標(スコープ1・2、2030年度) | 42%削減 |
| CO2排出削減目標(スコープ3、2030年度) | 25%削減 |
| CO2排出量実績(スコープ1・2、2024年度) | 43.2万t-CO2 |
| CO2排出量実績(スコープ3、2024年度) | 1,355.1万t-CO2 |
| CO2排出量実績(スコープ3のうちカテゴリ1+カテゴリ11、2024年度) | 1,183.4万t-CO2 |
個人別報酬が開示されている役員は、押味至一氏(2.22億円)、天野裕正氏(2.36億円)、越島啓介氏(2.09億円)、風間優氏(1.54億円)、石川洋氏(1.50億円)、勝見剛氏(1.50億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
鹿島建設は、建設事業を主軸に、国内外で幅広い事業を展開する企業です。同社グループは、社会インフラから建築物、不動産開発まで多岐にわたるプロジェクトを手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、土木事業、建築事業、開発事業等、国内関係会社、海外関係会社の5つの報告セグメントで事業を展開しています。これらの事業を通じて、社会基盤の整備から都市開発、そして多様な専門工事やサービスを提供し、収益を上げています。
土木事業
同社が建設事業のうち、土木工事の受注、施工等を行っています。大型工事の施工が着実に進捗したことから、売上高は前期を上回る結果となりました。
収益は、土木工事の請負契約から得ています。運営は、鹿島建設が行っています。
建築事業
同社が建設事業のうち、建築工事の受注、施工等を行っています。竣工工事を中心に大型工事の施工量が増加したことから、売上高は前期比で増加しました。
収益は、建築工事の請負契約から得ています。運営は、鹿島建設が行っています。
開発事業等
同社が不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業を行っています。複数の不動産開発物件を販売しましたが、収益性の高い大型プロジェクトの販売があった前期と比べ、売上高は減少しました。
収益は、不動産売買契約や業務委託契約等から得ています。運営は、鹿島建設が行っています。
国内関係会社
同社の国内関係会社が主に日本国内において行っている事業です。建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸事業などを展開しています。
建設事業における売上高の増加や売上総利益率の向上に加え、開発系関係会社が保有する販売用不動産の売却により、売上高は前期比で大きく増加しました。運営は、大興物産、鹿島道路、ケミカルグラウト、クリマテック、鹿島建物総合管理、鹿島リース、鹿島東京開発、鹿島八重洲開発、森林公園ゴルフ倶楽部、熱海インフラマネジメント合同会社、イートンリアルエステートなどが行っています。
海外関係会社
同社の海外関係会社が海外地域において行っている事業です。北米、欧州、アジア、大洋州などの地域で建設事業、開発事業等を展開しています。
建設事業の売上高は増加したものの、米国における開発物件の売却が減少したことを主因に、売上高は前期比で減少しました。運営は、カジマ ユー エス エー インコーポレーテッド、カジマ ヨーロッパ リミテッド、カジマ アジア パシフィック ホールディングス ピー ティー イー リミテッド、カジマ オーストラリア ピー ティー ワイ リミテッドなどが行っています。
同社グループの売上高は、日本国内だけでなく、北米、欧州、アジア、大洋州など海外地域からも広く得られています。特に海外からの売上高は全体の約6割を占めており、国際的な事業展開が同社グループの収益に大きく貢献しています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 建築事業 | 1兆529億円 | 1兆1,809億円 |
| 海外関係会社 | 1兆1,144億円 | 1兆918億円 |
| 土木事業 | 4,041億円 | 4,308億円 |
| 国内関係会社 | 2,425億円 | 2,711億円 |
| 開発事業等 | 980億円 | 927億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり増収増益を継続しており、直近の連結会計年度では売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも過去最高の水準に達しています。特に直近の連結会計年度では、売上高が前期から増加し、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は前期から大きく伸びています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆797億円 | 2兆3,916億円 | 2兆6,652億円 | 2兆9,118億円 | 3兆673億円 |
| 経常利益 | 1,521億円 | 1,567億円 | 1,501億円 | 1,607億円 | 2,404億円 |
| 経常利益率 | 7.3% | 6.6% | 5.6% | 5.5% | 7.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,039億円 | 1,118億円 | 1,150億円 | 1,258億円 | 1,773億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 208.00 | 227.98 | 238.76 | 266.49 | 379.81 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から大きく増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向が見られます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 138.5百万円 | 144.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 7.2百万円 | 11.4百万円
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
鹿島建設グループの財務状況は、安定した経営基盤と将来に向けた投資余力を示しています。本業で着実に資金を創出し、健全な財務状態を維持していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
鹿島建設グループの自己資本比率は、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営と収益性の高さを維持していることが示されています。手元資金である現金及び預金も増加しており、不測の事態への耐性も備えている状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤の上で事業を展開していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1兆2,780億円 | 1兆4,362億円 |
| 自己資本比率 | 36.4% | 39.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 10.2% | 13.3% |
| 現金及び預金 | 3,545億円 | 4,033億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
鹿島建設グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益の計上や未払消費税等の増加により、収入超過となりました。これは本業で安定的に資金を創出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や貸付けによる支出があった一方で、投資有価証券の売却や貸付金の回収による収入もあり、支出超過となりました。フリーキャッシュフローは収入超過となっており、本業で得た資金が投資を上回っている状況です。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや自己株式の取得があったものの、短期借入金や長期借入金による資金調達もあり、支出超過となりました。これらの資金の流れは、同社グループが本業で安定した資金を確保しつつ、成長投資も行い、株主還元も実施している健全な財務状況を示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 306億円 | 1,146億円 |
| 投資CF | △1,048億円 | △465億円 |
| 財務CF | 617億円 | △305億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △742億円 | 681億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、景気悪化等による建設需要の大幅な減少や不動産市場の急激な縮小、他の総合建設会社等との競争激化による業績悪化のリスクを認識しています。また、海外における建設事業及び開発事業を展開しており、進出国の政治・経済情勢、法制度、為替相場等の著しい変化が業績に影響を及ぼす可能性も示されています。
③ 人材・組織に関するリスク
建設業界全体で建設技能労働者が減少傾向にあり、同社グループも施工体制の維持が困難になることで、売上高の減少や労務調達コストの上昇による工事利益率の低下等の影響を受ける可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
鹿島建設は、科学的合理主義と人道主義に基づき、創造的な進歩と発展を通じて社会に貢献することを経営理念としています。変化の速い経営環境において、多様な人材と外部リソースとの連携による価値共創を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「全社一体となって、科学的合理主義と人道主義に基づく創造的な進歩と発展を図り、社業の発展を通じて社会に貢献する」ことを経営理念としています。この方針に基づき、より高い収益力と企業価値の向上を目指し、社業の永続的発展を通じて広く関係者の負託に応え、豊かな社会の実現に貢献していくことを掲げています。
ビジョンは、目指す方向性を表現した「ステートメント」と、それを実現するうえで「大切にしたい価値観」から構成されています。過去への敬意と未来への挑戦という二つの意を込め、同社グループを木に見立てて大きく成長させる視点に基づいています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念の根幹として安全衛生・環境・品質に関する基本方針を定めています。関係法令や社会的な要求事項に対応できる適正で効果的なマネジメントシステムを確立・改善し、生産活動を効率的に推進するとともに、顧客や社会からの信頼に応えることを重視しています。
「鹿島グループ企業行動規範」では「人の尊重」を掲げ、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」などに基づき、「鹿島グループ人権方針」を定めています。人権デュー・ディリジェンスの仕組み構築・実施をはじめとした、人権尊重の取り組みを推進しています。また、「鹿島グループサプライチェーン行動ガイドライン」を策定し、協力会社を含めたサプライチェーン全体でサステナビリティ課題に取り組む指針としています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、多様な人材の確保・育成を軸とする人的資本投資の重要性が高まっていると認識しています。また、脱炭素や循環型経済への移行など、経済・社会構造の転換が加速する見通しです。
建設市場においては、構造的な労働力不足や建設コスト上昇が課題となっており、技能労働者の処遇改善による担い手確保の推進や自動化・省人化による生産性向上に取り組んでいます。環境負荷低減を実現する技術開発など、社会課題解決と中長期的な成長の両立を目指しています。中期経営計画では、サステナビリティを柱の一つとし、「鹿島環境ビジョン2050plus」に基づき、脱炭素、資源循環、自然再興の三分野に注力しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
鹿島建設は監査役会設置会社であり、社外役員を含む監査役が監査を行う体制を整えています。取締役会は経営の基本方針の決定や業務執行の監督にあたり、諮問機関や執行役員制度を通じてガバナンスを強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
鹿島建設の株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が上位を占めています。一方で、創業家と見られる個人株主や、鹿島社員持株会、関連する公益財団法人なども上位株主として名を連ねています。これにより、幅広いステークホルダーに支えられている資本構成であることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 15.20% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 7.07% |
| 鹿 島 公 子 | 3.39% |
| 鹿島社員持株会 | 1.84% |
| 公益財団法人鹿島学術振興財団 | 1.55% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は16名(男性13名・女性3名)で構成され、女性役員比率は18.7%です。代表取締役会長兼社長社長執行役員は押味至一氏が務めています。社外取締役比率は45.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 押 味 至 一 | 代表取締役会長兼社長社長執行役員 | 1974年同社入社後、執行役員、横浜支店長などを経て、2015年代表取締役社長兼社長執行役員に就任。2021年代表取締役会長、2026年1月より代表取締役会長兼社長兼社長執行役員より現職。 |
| 越 島 啓 介 | 代表取締役副社長執行役員海外担当 | 1978年同社入社後、カジマ ユー エス エー インコーポレーテッド取締役社長、同社執行役員などを歴任。2018年副社長執行役員、2021年代表取締役、2026年4月より海外担当より現職。 |
| 風 間 優 | 代表取締役副社長執行役員土木管理本部長 安全担当 | 1981年同社入社後、執行役員、土木管理本部副本部長、東京土木支店長などを歴任。2022年土木管理本部長、2023年代表取締役、2024年4月より安全担当より現職。 |
| 石 川 洋 | 取締役副社長執行役員営業担当 | 1985年株式会社西武百貨店入社後、鹿島リース代表取締役副社長を経て、2000年同社取締役。2005年取締役兼専務執行役員、2016年副社長執行役員、2024年4月より営業担当より現職。 |
| 勝 見 剛 | 取締役副社長執行役員総務管理本部長 | 1980年同社入社後、執行役員、経営企画部長などを経て、2020年専務執行役員、総務管理本部長に就任。2021年取締役、2024年4月より副社長執行役員より現職。 |
| 熊 野 隆 | 取締役常務執行役員財務本部長 | 1983年同社入社後、監査部長、常勤監査役を経て、2024年6月より取締役兼常務執行役員、財務本部長より現職。 |
社外取締役は、鈴木庸一氏(元駐フランス大使)、斎藤保氏(元株式会社IHI代表取締役会長)、飯島彰己氏(元三井物産株式会社代表取締役会長)、寺脇一峰氏(元大阪高等検察庁検事長)、安田結子氏(株式会社ボードアドバイザーズ取締役副社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役が取締役会で独立した立場から助言を行い、経営の監督を強化しています。また、社外監査役が監査役会を通じて経営監視機能の客観性と中立性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
鹿島建設の役員報酬は、固定報酬である月例報酬、業績連動報酬としての賞与、そして株式報酬で構成されています。社長の報酬は固定報酬、賞与、株式報酬がそれぞれ概ね35%、35%、30%の割合で設定されており、役位が上位であるほど業績連動報酬と株式報酬の割合が高まる仕組みです。業績連動報酬は連結業績に加え、安全成績や従業員エンゲージメントも評価指標としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 12.1億円 | 1.72億円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 61百万円 | 30.5百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 1.4億円 | 15.0百万円 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
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