※本記事は、大日本印刷株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大日本印刷グループは、印刷と情報技術を基盤に、スマートコミュニケーション、ライフ&ヘルスケア、エレクトロニクスの3つの事業領域で多角的な事業を展開しています。子会社145社、関連会社27社で構成され、幅広い分野で価値を提供しています。
単体従業員数は8,911名、連結従業員数は36,360名です。セグメントはスマートコミュニケーション、ライフ&ヘルスケア、エレクトロニクスの3つです。
主な国内グループ会社は、丸善CHIホールディングス(事業会社への投資、・管理)、北海道コカ・コーラボトリング(飲料の製造、販売)、インテリジェントウェイブ(ソフトウェアの開発・保守)などです。
2025年4月、大日本印刷は出版印刷事業をDNP出版プロダクツへ吸収分割しました。同年7月にはRubicon SEZCを連結子会社化し、同年10月にはグループ会社間の組織再編も実施しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
大日本印刷は、長年にわたり培ってきた「印刷と情報」の強みを基盤に、幅広い事業を展開する企業です。同社グループでは、社員一人ひとりの成長と活躍を重視し、多様な働き方を支援する制度を整備しています。ここでは、大日本印刷で働く上での給与水準や人材戦略、具体的な働き方に関するデータをご紹介します。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
大日本印刷では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、社員が長期的にキャリアを築きやすい環境がうかがえます。安定した環境で専門性を深めながら、腰を据えて働きたいと考える方にとって、魅力的な職場であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,610,246円 |
| 平均勤続年数 | 20.7年 |
| 平均年齢 | 44.8歳 |
| 単体従業員数 | 8,911人 |
| 連結従業員数 | 36,360人 |
| 単体のグループ内比率 | 24.5% |
大日本印刷は、退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。この制度は、同社および主な国内連結子会社に適用されています。退職一時金制度も設けられていますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、当連結会計年度末における退職給付債務は1,895億円、年金資産は3,932億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
大日本印刷は、持続的な社会の実現と心豊かな暮らしへの貢献を目指し、人的資本を価値創出の基盤であり競争力の源泉と位置付けています。人に対する普遍的・基本的な考え方を「人的資本ポリシー」として明確化し、人への投資を積極的かつ継続的に拡充しています。経営戦略と人材戦略を一体で推進し、各事業の人材ニーズを「DNP版キャリア・スキルマップ」で可視化することで、戦略的な人材配置や育成につなげています。
従業員の給与や賞与は、マネジメントまたはスペシャリストを自律的に選択できる複線型の役割等級制度を基盤としています。市場競争力のある報酬水準と体系を維持・確保しつつ、職務・職位や役割への貢献度、行動やプロセスを総合的に評価して決定されます。また、中期経営計画の達成状況と連動した従業員向け株式交付制度や従業員持株会制度を通じて、企業価値向上へのインセンティブ強化も図っています。
同社グループは、社員一人ひとりの「自律的なキャリア形成」と「挑戦」を後押しする施策を展開しています。具体的には、メンバーシップ型とジョブ型の双方のメリットを活かした独自のハイブリッドな「キャリア自律型」の仕組みであるDNP版「よりジョブ型も意識した処遇と関連施策」を展開しています。人材公募制度や研修付き人材公募、スタートアップ企業派遣制度など、多様なキャリア形成を支援する制度も充実しています。
さらに、次世代経営リーダーの計画的な育成や、心身の健康と安全で快適な職場環境、そして「幸せ(挑戦心・信頼感)」を重視する「DNPウェルビーイング」の実現に向けた健康経営にも取り組んでいます。多様な個を活かすD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)推進も重要なテーマであり、女性管理職登用や男性育児休業取得推進、全社員向けアンコンシャス・バイアス研修などを実施し、多様な人材が活躍できる風土の醸成を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 106.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 61.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 丸善CHIホールディングス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 94.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 92.9% |
▼ 北海道コカ・コーラボトリング
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 74.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 70.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 95.8% |
▼ 株式会社インテリジェントウェイブ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 18.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 90.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 97.3% |
人的資本の強化(任意開示)
この表は、大日本印刷および国内の主要な連結グループ会社を対象とした任意開示指標です。一部の指標は大日本印刷単体を対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員エンゲージメントサーベイスコア | 6.0%向上 |
| DXリテラシー標準基礎教育受講完了者数 | 29,259名 |
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 106.8% |
2026-2028年度中期経営計画における人的資本強化の目標は以下の通りです。
| 指標 | 2028年度目標(累計:2026-2028年度) |
|---|---|
| 人的資本投資額 | 350億円規模 |
| キャリア・スキルマップによる人材ポートフォリオ充足度 | 20%向上 |
| エンゲージメントサーベイ挑戦スコア | 10%向上 |
| キャリア自律の実践度と制度活用率 | 70%達成 |
| 研修受講者の職場実践度 | 60%達成 |
| 女性管理職比率 | 14%達成 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
大日本印刷グループは、スマートコミュニケーション、ライフ&ヘルスケア、エレクトロニクスの3つの主要部門を通じて、幅広い事業活動を展開しています。同社グループは、独自の「P&I」(印刷と情報)の強みを活かし、多様なパートナーとの連携を深めながら、事業領域の拡張と業績の向上に取り組んでいます。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、多岐にわたる製品とサービスを提供しており、その収益は主にこれら3つの部門から得ています。各部門は市場のニーズに応じた製品開発やサービス提供を行い、それぞれ異なる収益源を持っています。
スマートコミュニケーション部門
この部門では、書籍や雑誌といった出版物、デジタルマーケティング支援、BPOサービス、ICカードや決済関連サービス、認証・セキュリティ製品などを手掛けています。また、デジタルサイネージ、イベントの企画・運営、生成AIを活用したサービス、バーチャル空間の企画・開発・運営なども行っています。
収益は、写真プリント用部材やIDカード用インクリボンなどのイメージングコミュニケーション関連、BPOの大型案件を含む情報セキュア関連、出版関連、そしてIPを活用したイベントやXRサービスなどのコンテンツ・XRコミュニケーション関連から得ています。この部門の売上高は前期から増加しており、営業利益も増加しています。
ライフ&ヘルスケア部門
この部門は、リチウムイオン電池用バッテリーパウチや太陽電池用部材などの産業用高機能材、食品・飲料・医療品用の各種包装材料、住宅・店舗・オフィスなどの内外装材、自動車用成型部品などを提供しています。さらに、医薬原薬中間体受託製造や医薬品受託製剤、各種飲料事業も展開しています。
収益は、スマートフォンやタブレット端末向けのバッテリーパウチ、太陽電池用封止材、自動車向け加飾フィルム、紙カップやチューブ容器などの包装関連、医療用パッケージや医薬品事業、そして飲料事業から得ています。この部門の売上高は前期から増加しており、営業利益は大幅に増加しています。
エレクトロニクス部門
この部門では、ディスプレイ用光学フィルム、有機ELディスプレイ用メタルマスク、半導体製造用フォトマスクといったデジタルインターフェース関連製品を扱っています。また、小型半導体パッケージ用リードフレームやLSI設計、ハードディスクドライブ用サスペンションなども提供しています。
収益は、有機ELディスプレイ製造用メタルマスクやディスプレイ用光学フィルムなどのデジタルインターフェース関連、そして半導体関連製品から得ています。この部門の売上高は前期から増加していますが、営業利益は減少しています。
同社グループの売上高は日本国内が中心ですが、アジアやアメリカ、ドイツ、フランス、ポーランドなどの地域でも事業を展開しており、海外からの収益も得ています。特定の顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上を占める相手先はありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| スマートコミュニケーション | 7,140億円 | 7,487億円 |
| ライフ&ヘルスケア | 4,959億円 | 5,121億円 |
| エレクトロニクス | 2,478億円 | 2,518億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。経常利益も同様に増加傾向を示しており、本業での収益力が堅調に推移していることがうかがえます。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期で前期から減少しました。これは、投資有価証券の売却に伴う特別利益の計上が前期に比べて減少したことが主な要因となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆3,441億円 | 1兆3,732億円 | 1兆4,248億円 | 1兆4,576億円 | 1兆5,126億円 |
| 経常利益 | 812億円 | 837億円 | 987億円 | 1,159億円 | 1,192億円 |
| 経常利益率 | 6.0% | 6.1% | 6.9% | 8.0% | 7.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 972億円 | 857億円 | 1,109億円 | 1,107億円 | 1,040億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 355.84 | 321.31 | 221.56 | 238.90 | 235.48 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益を創出する力が強化されていることが示されています。これらの指標の改善は、事業活動の効率化や高付加価値化への取り組みが寄与していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 39.5百万円 | 41.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.5百万円 | 2.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出しながら、将来に向けた積極的な投資を進めている状況です。財務基盤の厚みと資金の流れから、同社グループの安定性と成長性が見えてきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。手元資金も厚く、財務基盤は安定している状況です。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較してやや低い水準となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1兆2,088億円 | 1兆2,671億円 |
| 自己資本比率 | 59.2% | 58.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.6% | 8.9% |
| 現金及び預金 | 2,550億円 | 2,981億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは404億円の収入となりましたが、前期と比較すると減少しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出が増加し、△736億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入などにより233億円の収入となっています。
フリーキャッシュ・フローは△333億円となり、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。これは、成長領域への集中的な事業投資を進めるという同社グループの財務戦略を反映しているものと考えられます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1,327億円 | 404億円 |
| 投資CF | △367億円 | △736億円 |
| 財務CF | △874億円 | 233億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 960億円 | △333億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、地政学的要因や経済手段を通じた国家間対立、為替の変動が事業運営や収益性に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、DXの推進や生成AI、ロボティクス等の技術進展と社会実装がビジネスモデルやワークスタイルに影響を与えるリスクも挙げています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、国内の生産年齢人口の減少やAI・ロボット活用を前提とした働き方への転換に伴い、高度な専門性や適応力を持つ人材の確保・育成が重要な課題であると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大日本印刷は、サステナブルな社会の実現を目指し、社会に新しい価値を提供し続けることを企業理念としています。長期的な視点で「より良い未来」を自らつくり出す事業活動を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
DNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」ことを企業理念に掲げています。この理念に基づき、持続可能なより良い社会と、より心豊かな暮らしを実現するため、自らが「より良い未来」をつくり出す事業活動を展開することを「経営の基本方針」としています。
人々にとって「欠かせない価値」を生み出し続けることで、DNPグループ自身が「欠かせない存在」になることを目指しており、この姿勢を「未来のあたりまえをつくる。」というブランドステートメントで表明しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
DNPグループは、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念のもと、サステナブルな経営を推進しています。社員一人ひとりの「自律的なキャリア形成」と「挑戦」を後押しする「人的資本ポリシー」を策定し、グローバルでの「人的創造性」を高めることを重視しています。
「健康と安全はすべてに優先する」という理念のもと、健康経営を推進し、社員の心身の健康と「こころの資本(前向きな心)の醸成」に取り組んでいます。組織の「心理的安全性(信頼関係)の構築」を通じて、活力ある職場風土づくりを目指しています。
また、「DNPグループダイバーシティ宣言」を掲げ、多様な個を活かすD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)を推進しています。異なる意見やアイデアを活かす組織風土の醸成に努め、「インクルージョンがあたりまえになっている」状態の実現を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
DNPグループは、2026年4月を開始年度とする3か年の中期経営計画を実行しています。この計画では、事業戦略、財務戦略、非財務戦略の三つの戦略を通じて企業価値の向上を目指しています。
非財務戦略においては、「人的資本の強化」「知的資本の強化」「環境への取り組み」を競争力の源泉となる経営資本の強化として位置付けています。人的資本の強化では、人への投資を拡大し、グローバルでの人的創造性を高めることを目指しています。
知的資本の強化では、独自の強みを進化・深耕させ、社外パートナーとの連携を深めることで、グローバル競争力と事業活動の持続性向上を目指しています。環境への取り組みでは、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けた活動を加速させています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
大日本印刷の経営体制は、監査役会設置会社として、社外取締役や執行役員制度を導入し、経営の監督機能と業務執行の効率化を図っています。取締役会は、多様な専門知識を持つメンバーで構成され、透明性と説明責任を重視したガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
大日本印刷の株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が筆頭株主となっています。上位株主には、信託銀行のほか、自社従業員持株会や複数の生命保険会社、銀行などが名を連ねています。幅広い機関投資家や金融機関に支えられた資本構成であることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 17.43% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.62% |
| ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505001(常任代理人 みずほ銀行) | 3.07% |
| 自社従業員持株会 | 2.88% |
| 第一生命保険 | 2.76% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は18名(男性15名・女性3名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は北島義斉氏が務めています。社外取締役比率は38.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 北島 義斉 | 代表取締役社長 | 1987年4月 富士銀行入行、1995年3月 同社入社、2018年6月 代表取締役社長より現職。 |
| 宮 健司 | 代表取締役副社長 | 1978年4月 同社入社、2024年6月 代表取締役副社長より現職。 |
| 黒柳 雅文 | 専務取締役 | 1983年4月 同社入社、2024年6月 専務取締役より現職。 |
| 杉田 一彦 | 専務取締役 | 1982年4月 同社入社、2025年6月 専務取締役より現職。 |
| 三宅 徹 | 専務取締役 | 1982年4月 同社入社、2026年4月 専務取締役より現職。 |
| 中村 治 | 専務取締役 | 1985年4月 同社入社、2026年4月 専務取締役より現職。 |
| 宮間 三奈子 | 常務取締役 | 1986年4月 同社入社、2024年6月 常務取締役より現職。 |
| 金沢 貴人 | 常務取締役 | 1984年4月 同社入社、2024年6月 常務取締役より現職。 |
社外取締役は、宮島司氏(慶應義塾大学名誉教授・弁護士)、田村良明氏(AGCエグゼクティブフェロー)、白川浩氏(元大成建設取締役専務執行役員)、杉浦宣彦氏(中央大学大学院戦略経営研究科教授)、熊平美香氏(エイテッククマヒラ代表取締役・21世紀学び研究所代表理事)です。
同社は監査役会設置会社であり、過半数を社外監査役が占める監査役会が経営を監査しています。独立した社外役員が経営陣から独立した立場で発言することで、高い透明性を確保し、一般株主の利益保護に貢献する体制となっています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
大日本印刷の役員報酬は、業務執行取締役に対して固定報酬、賞与、株式報酬を組み合わせて支給する体系です。固定報酬と業績連動報酬(賞与および株式報酬)の比率は55%対45%を目安とし、報酬全体に占める株式報酬の割合は12%を目安としています。賞与は連結営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEを指標に決定され、株式報酬は中長期的な企業価値向上へのインセンティブと株主との利益共有を目的とした譲渡制限付株式報酬制度が導入されています。社外取締役および監査役の報酬は、その独立性を確保するため固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 9名 | 7.3億円 | 80.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 60百万円 | 30.0百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 1.4億円 | 17.2百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、北島義斉氏(2.84億円)、宮健司氏(1.05億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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