【平均年収549万円】ニチダイ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収549万円】ニチダイ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

ニチダイは、金型、精密部品、フィルタの3つの事業を展開しています。連結従業員数は596名で、日系自動車産業を主要顧客としています。直近の業績は減収となり、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上しました。


目次

※本記事は、株式会社ニチダイ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、金型、精密部品、フィルタの3つの事業を展開しています。日系自動車産業を主要顧客とし、電動化の進展やハイブリッド車の需要に対応しています。

単体従業員数は344名、連結従業員数は596名です。セグメントは金型、精密部品、フィルタの3つです。

また、2025年7月1日には連結子会社であったTHAI SINTERED MESH CO.,LTD.がNICHIDAI(THAILAND)LTD.に吸収合併され消滅しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ニチダイは、製造業に属する企業であり、その給与水準や働き方には業界の特性が反映されていると考えられます。同社グループは、長期的な視点での人材育成と安定した職場環境の提供に注力しているようです。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ニチダイでは、従業員の平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も比較的長い傾向が見られます。これは、長期にわたってキャリアを築きやすい環境が整っていることを示唆しています。安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって、魅力的な職場である可能性があります。

項目 数値
平均年間給与 5,491,901円
平均勤続年数 17.6年
平均年齢 42.3歳
単体従業員数 344人
連結従業員数 596人
単体のグループ内比率 57.7%


ニチダイは、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。この制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は13.4億円、年金資産は21.7億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ニチダイグループは、中期経営戦略の実現に向けて、社員の成長と会社の成長が相互に高め合う関係を重視し、主体的に考え行動する自律型人材の育成を基本方針としています。職務や役割、貢献度合いを適切に反映する人事制度を整備しており、社員自らが目標を設定し、その達成状況を振り返る評価制度を通じて、主体的な挑戦と継続的な成長を促進しています。

また、キャリア自律を支援するため、研修制度の見直しや自己啓発支援の拡充にも取り組んでいます。社員が輝き続け、誇れる企業へと成長できるよう、「挑戦を歓迎する仕組みづくり」として多様な成長機会の提供や教育訓練の充実を図っています。

さらに、「組織風土改革」として良好なコミュニケーションを推進し、風通しの良い組織を目指しています。「ダイバーシティの推進」では、多様な人材が個性と能力を発揮できる職場環境の実現を進めています。社員の安全と心身の健康を重視する「健康経営の実現」にも注力しており、健康経営優良法人の認定取得を通じて、社員の健康保持・増進や働きがいの向上を図っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合が低いのは、現在の同社従業員における女性比率が低いことや特定の職種における女性比率が高いことによるものです。また、男女の賃金差異は、性別による賃金体系や制度上の違いはなく、職種間や等級別の人数構成の差によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.2%
男性労働者の育児休業取得率 90.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 70.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 74.4%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 26.9%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 国内連結子会社(ニチダイフィルタ)

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異 63.7%


▼ 主要な在外連結子会社(NICHIDAI(THAILAND)LTD.)

男性の育児休業取得率の集計を実施していないため、記載を省略しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 26.7%
労働者の男女の賃金の差異 90.0%

グループ全体(連結)


当社及び国内連結子会社における離職率及び有給休暇取得率を対象とするものです。

指標 2023年度実績 2024年度実績 2025年度実績 目標値(2026年度)
離職率 5.2% 5.1% 6.3% 4.0%以下
有給休暇取得率 62.9% 63.4% 61.4% 65.0%以上

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ニチダイグループは、主に自動車産業向けの精密鍛造金型や部品、そして産業用フィルタの製造・販売を手掛けています。多岐にわたる製品で顧客のニーズに応える事業構造となっています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


ニチダイグループは、金型、精密部品、フィルタの3つの事業セグメントを展開しています。主要顧客である日系自動車産業の需要動向が事業環境に大きく影響しています。海外売上高も一定の割合を占めており、グローバルな事業展開を行っています。

金型

金型事業では、自動車部品メーカーを中心とした冷間鍛造用の精密鍛造金型などを提供しています。収益は、これらの金型の製造・販売から得ています。国内・海外ともに顧客の在庫調整などの影響を受け、販売が伸び悩む傾向にあります。

精密部品

精密部品事業では、ターボチャージャー部品やエアコン用スクロールコンプレッサー部品、各種ギアなどの自動車部品を製造しています。収益は、これらの精密部品の販売から得ています。国内需要の減少が見られる一方で、海外の一部地域では需要回復の動きも見られます。

フィルタ

フィルタ事業では、石油化学、医薬品、食品、原子力などの分野で使用される焼結金属フィルタなどを提供しています。収益は、これらのフィルタ製品の販売から得ています。国内では特需案件の反動減があり、海外ではタイ子会社再編に伴う一時的な需要減がありました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
金型 48.6億円 44.7億円
精密部品 43.6億円 42.4億円
フィルタ 23.8億円 22.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5期間で変動が見られます。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期において損失を計上しています。これは、減収による売上総利益の減少に加え、精密部品事業における固定資産の減損処理などが影響しています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 123億円 108億円 113億円 116億円 110億円
経常利益 2.6億円 △66百万円 65百万円 1.9億円 △4.5億円
経常利益率 2.2% △0.6% 0.6% 1.6% △4.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 △6.2億円 △4.8億円 45百万円 56百万円 △7.5億円
1株当たり当期純利益(円) △68.43 △53.55 4.97 6.24 △83.50

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。これは、従業員数の減少と売上高の減少幅の比較によるものです。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から損失に転じています。これは、事業環境の厳しさや減損処理などの影響が反映されたものと考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 18.2百万円 18.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.2百万円 △0.7百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で資金を生み出しつつも、投資活動に資金を充てている状況を示しています。現在の資金の流れから、今後の成長に向けた投資の方向性を確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から上昇し、高い水準を維持しています。これはプライム市場の製造業平均と比較しても高い水準であり、財務の安定性を示す指標の一つです。

一方で、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスに転じており、収益性の改善が課題となっています。手元資金である現金及び預金は前期から減少していますが、事業活動を支える資金は確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業運営における安定性や将来の成長に向けた基盤を理解する上で重要な情報となります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 112億円 108億円
自己資本比率 72.2% 75.6%
ROE(自己資本利益率) 0.5% -7.0%
現金及び預金 30.0億円 22.5億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは前期から減少しましたが、6.1億円のプラスを維持しています。これは主に売上債権や棚卸資産の減少が資金増加に寄与した一方で、税金等調整前当期純損失や仕入債務の減少が資金減少要因となったためです。

投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出などにより△6.5億円のマイナスとなりましたが、前期と比較して資金流出の幅は縮小しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いにより△5.7億円のマイナスとなり、前期よりも資金流出が増加しました。

結果として、フリーキャッシュフローはマイナスですが、前期よりマイナス幅が縮小しています。この資金の流れは、本業で得た資金を投資に充てている状況を示しており、将来の成長に向けた投資を継続していることがうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 7.6億円 6.1億円
投資CF △8.9億円 △6.5億円
財務CF △3.8億円 △5.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △1.3億円 △36百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、金型事業と精密部品事業において自動車関連産業への依存度が高く、全売上高の71%を占めています。そのため、自動車メーカーの技術動向や生産動向、部品の新規開発などにより業績が影響を受ける可能性があります。

また、特定顧客である三菱重工グループへの依存度も高く、当連結会計年度の売上高の26.9%を占めています。三菱重工グループの受注・生産動向や外注施策の変動が、同社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ニチダイは、顧客・株主・社員の満足度を追求し、社会貢献を目指す企業です。独自の技術力と革新的な精神を大切にしながら、持続的な成長と社員の自己実現を両立する組織づくりを進めています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの経営理念は、顧客満足度、株主満足度、社員満足度を最大限に実現し、永続的に向上させることで新たな価値を創造し、社会に貢献できる企業を目指すことです。

「他社ではできない製品と他社の追随を許さない高い技術力」を追求するオンリーワン企業を目指しています。

従業員の自己実現達成と社会ニーズに適合した健全な成長を持続できる3E(エクセレント・エキサイティング・エクスパンド)カンパニーの実現をビジョンとして掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、創業から受け継がれるVSOP精神(Vitality、Specialty、Originality、Passion)を大切にしています。中期経営戦略「CHANGE ~ニチノベーション 2026~」では、「社員が輝き続ける会社づくり」を重点項目の一つとしています。

具体的には、「挑戦を歓迎する仕組みづくり」として、挑戦が歓迎され、成長を実感できる機会を提供し、多様性を受け入れキャリア自律を促す環境を整備しています。

良好なコミュニケーションを推進し、風通しの良い組織風土への改革も進めています。ダイバーシティの推進では、性別・国籍・年齢等に関わらず、多様な人材が個性と能力を発揮できる職場環境の実現を目指しています。

社員の安全と心身の健康を重視する健康経営も実現に向けて取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、魅力ある職場環境づくりを経営課題の一つとしています。労働市場の変化に対応し、IT活用を含めた社員の成長支援の拡充や、働きやすい職場づくりの施策を通じて人的資本経営への取り組みを強化しています。

具体的には、社員の成長を支援する機会の充実、健康経営の推進と多様な働き方支援、組織全体での相互理解を深めるコミュニケーションの促進を掲げています。

また、地域貢献を含む持続可能社会に向けた活動強化も重点テーマです。CO2排出量削減への取り組みや環境マネジメント体制の高度化、地域社会との連携を通じた社会貢献を推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ニチダイは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能強化と経営の機動性向上を両立させるガバナンス体制を採用しています。取締役会は、監査等委員を除く取締役と監査等委員である取締役で構成されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ニチダイの筆頭株主は有限会社ジャストです。上位株主には個人株主やニチダイ従業員持株会も名を連ねています。特定の法人や個人が上位に位置しており、安定した資本構成を形成していることがうかがえます。

株主名 持株比率
有限会社ジャスト 9.78%
田中 克尚 5.26%
ニチダイ従業員持株会 4.16%
中棹 知子 3.13%
永井 詳二 2.99%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は5名(男性4名・女性1名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長執行役員は伊藤直紀氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
伊藤 直紀 代表取締役社長執行役員 2016年4月同社入社。執行役員、経営企画室長、取締役副社長、管理統括本部長を経て、2021年4月より代表取締役社長執行役員。
中村 篤人 取締役 2014年8月ニチダイフィルタ株式会社入社。同社代表取締役社長、THAI SINTERED MESH CO.,LTD社長を歴任し、2023年6月より同社取締役。


社外取締役は、竹田千穂氏(弁護士法人三宅法律事務所パートナー・監査等委員)、黒田健氏(黒田健公認会計士・税理士事務所開設者・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役は客観的・中立的な立場から業務執行に関する助言・提言を行い、取締役の職務執行を監査・監督することで取締役会の機能強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ニチダイの役員報酬は、固定報酬、業績連動報酬、株式報酬で構成されています。取締役(監査等委員を除く)に対しては、中長期的な視点での業務執行を可能とすることを基本方針とし、職責の重要度や貢献度に応じた固定報酬に加え、会社業績や職務執行状況に連動する業績連動報酬、企業価値向上への貢献意欲を高める中長期インセンティブとしての株式報酬が支給されます。監査等委員である取締役の報酬は業績に連動せず、協議により決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 2名 36百万円 18.2百万円
監査等委員(社外除く) 1名 10百万円 9.6百万円
社外取締役(監査等委員) 3名 7百万円 2.4百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。