※本記事は、日本電気株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本電気は、ITサービス事業と社会インフラ事業を主軸に、システム構築からコンサルティング、ネットワークインフラの提供まで幅広く事業を展開しています。同社グループは、各関係会社がそれぞれの役割を分担し、多岐にわたる製品・サービスの提供を行っています。
単体従業員数は21,934名、連結従業員数は101,800名です。セグメントはITサービス事業、社会インフラ事業、その他の3つです。
主な国内グループ会社は、NECプラットフォームズ、NECフィールディング、NECソリューションイノベータ、アビームコンサルティング(ビジネスコンサルティング)、日本電気通信システムなどです。
当連結会計年度より、2025年4月1日付の組織体制変更に伴い報告セグメントの内容を変更しました。また、米国のソフトウェア企業の買収を進めるなど、事業ポートフォリオの再構築も行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本電気は、情報通信技術(ICT)の活用を通じて社会インフラを支え、豊かな社会の実現に貢献してきた企業です。同社グループでは、長期的な視点での企業価値最大化を目指し、従業員のWell-being(幸せ)を重視した経営を推進しています。AIネイティブ企業への変革を掲げ、人材と組織のあり方を重要視し、変化に対応できる強い企業文化の構築に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
日本電気では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定して長く働き続ける人材が多い傾向がうかがえます。これは、同社が従業員の成長と定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,939,349円 |
| 平均勤続年数 | 17.3年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 21,934人 |
| 連結従業員数 | 101,800人 |
| 単体のグループ内比率 | 21.5% |
日本電気は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。同社および国内連結子会社を対象としています。確定給付債務は5,393億円、年金資産は5,638億円となっています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
日本電気グループでは、最大の経営資源を「人」と位置づけ、人的資本経営をリスク低減と機会創出の双方に寄与する重要テーマと考えています。「2030中期経営計画」のもと、価値を創る「人・文化」への転換を図り、AIネイティブ企業への変革を通じて、経営基盤の高度化と効率化を実現する方針です。AIネイティブ時代においては、ビジネスモデルや提供価値の変革を継続的に実行するためには、戦略やテクノロジーのみならず、それを担う人材と組織のあり方が重要であると認識しています。
従業員の給与および報酬については、人材戦略および事業戦略との整合性を重視しています。勤続年数、年齢、性別等にかかわらず、個人の期待役割に対する貢献・成果に応じた「Pay for Performance」と、求められる職務の内容、役割と責任に基づいた報酬水準を決定する「Pay for Job」を基本的な考え方としています。さらに、「市場競争力のある報酬」も基本方針とし、個人の成果や貢献度を踏まえた適切かつ公正な処遇を行うことを目指しています。従業員が安心して働き、成長を通じて中長期的に企業価値創出に貢献できるよう、月収と賞与を組み合わせた報酬体系を整備しており、フェアな評価制度の運用を通じて、挑戦や成果が処遇に反映される仕組みの整備に努めています。
「人・カルチャーの変革」をさらに進化させ、「変わり続ける強い個人・組織」への転換を図るべく、取り組みを推進しています。企業文化の定着度および組織の実行力を測る指標として、エンゲージメントスコアを重要な経営指標と位置づけています。特にエンゲージメントスコアの3要素「Say、Stay、Strive」の内、Say、Striveの向上を重視し、従業員一人ひとりの主体的な挑戦と行動変容を促進しています。
従業員一人ひとりの主体的な行動および挑戦の促進として、信頼を前提としたシンプルなルールと迅速な意思決定、心理的安全性と多様性を基盤としたインクルーシブな組織の実現、従業員の成長・学習機会への戦略的投資を進めています。AIと人の協働を前提としたジョブ型人材マネジメントおよび組織の進化では、フェアな評価・登用と市場競争力のある報酬体系の整備、AIと人の協働による生産性向上と価値創出の高度化、AX人材(AIトランスフォーメーション人材)の育成および獲得強化に取り組んでいます。2024年4月にはジョブ型人材マネジメントを導入し、2026年4月1日時点で同社を含む11社、約51,000名に適用範囲を拡大しています。従業員のキャリア自律とスキル開発支援を強化するため、NECライフキャリア㈱を設立し、キャリアデザインワークショップやキャリア面談、AIキャリアトークなどの施策を展開しています。将来の経営リーダー育成を目的とした「NEC Talent Acceleration Program(NTAP)」も実施し、変革を牽引する人材の計画的育成を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。算出にあたって、出向者は他社への出向者を含め、他社からの出向者を除いています。男性労働者の育児休業取得率には配偶者出産休暇を含んでいません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 12.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 85.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 76.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 80.1% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ NECプラットフォームズ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 6.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 65.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 78.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 76.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 74.3% |
▼ NECフィールディング
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 5.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 73.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 72.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 70.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 67.8% |
▼ NECフィールディングシステムテクノロジー
配偶者が出産した男性労働者は0名です。パート・有期労働者は在籍していません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 14.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 75.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 75.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | - |
多様性・登用
当社および主要な国内連結子会社5社を対象とした女性管理職比率の目標値です。役員に占める女性または外国人の割合は、当社の取締役、執行役、Corporate SEVP、Corporate EVPおよびCorporate SVPを対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率(2030年度目標) | 20.0% |
| 役員に占める女性または外国人の割合(2025年度実績) | 17.2% |
人材育成・エンゲージメント
エンゲージメントスコアは、企業文化の定着度および組織の実行力を測る指標です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| エンゲージメントスコア(2030年度目標) | 上位25パーセンタイル水準(Global Top Tier) |
| エンゲージメントスコア(2025年度実績) | 48.0% |
| ダイバーシティスコア(2026年度目標) | 55.0% |
| DX人材のべ人数(2025年度実績) | 13,492名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本電気は、ITサービス事業と社会インフラ事業を主軸に、幅広い領域で事業を展開する同社グループの中核を担っています。これらの事業を通じて、社会のデジタル化とインフラ構築に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は、主にITサービス事業と社会インフラ事業の二つの柱で構成されています。これらの事業は、設計、開発、製造、販売、サービスの提供といった役割分担のもと、多岐にわたる顧客にソリューションを提供しています。収益は、ハードウェアやパッケージソフトウェアの提供、アウトソーシングや保守を含む役務提供契約、そしてシステム・インテグレーションや工事契約といった多様な形態から得られています。
ITサービス事業
システム構築やコンサルティングを行うシステム・インテグレーション、保守サービス、アウトソーシング・クラウドサービス、システム機器、ソフトウェア・サービスなどを提供しています。国内のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を背景に、官公庁や金融業、製造業を中心に堅調な成長を続けています。
社会インフラ事業
コアネットワークや携帯電話基地局、光伝送システムなどのネットワークインフラ、通信事業者向けソフトウェア・サービス、航空宇宙・防衛・海洋システム領域におけるシステム機器、システム・インテグレーション、サポートなどを提供しています。経済安全保障の重要性が高まる中で、防衛事業などが好調に推移し、セグメント全体の業績に貢献しています。
その他の事業セグメント
システム機器の開発・製造・販売などの事業を行っています。
同社グループの売上収益は日本国内が大部分を占めていますが、北米および中南米、ヨーロッパ、中東およびアフリカ、中国・東アジアおよびアジアパシフィックといった海外地域からも収益を得ています。特定の外部顧客への売上収益が連結損益計算書の10%以上を占める相手先はありません。
| セグメント | 売上収益(2025年3月期) | 売上収益(2026年3月期) | セグメント利益(2025年3月期) | セグメント利益(2026年3月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ITサービス | 2兆4,614億円 | 2兆5,109億円 | 2,518億円 | 3,367億円 | 13.4% |
| 社会インフラ | 8,356億円 | 9,384億円 | 605億円 | 743億円 | 7.9% |
| その他の事業セグメント | 1,389億円 | 1,464億円 | △29.7億円 | △41.5億円 | △2.8% |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結業績は、過去5期にわたり売上収益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれも増加傾向を示しています。特に直近の連結会計年度では、売上収益の増加に加え、税引前利益と親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく伸びています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 3兆141億円 | 3兆3,130億円 | 3兆4,773億円 | 3兆4,234億円 | 3兆5,827億円 |
| 税引前利益 | 1,444億円 | 1,677億円 | 1,850億円 | 2,398億円 | 3,982億円 |
| 税引前利益率 | 4.8% | 5.1% | 5.3% | 7.0% | 11.1% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 1,413億円 | 1,145億円 | 1,495億円 | 1,752億円 | 2,702億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 103.71 | 84.90 | 112.25 | 131.50 | 202.95 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は前期に比べて増加しており、事業規模の拡大と効率性の向上がうかがえます。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から大きく増加しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化と組織全体の生産性向上を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 32.9百万円 | 35.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.5百万円 | 3.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を創出し、将来に向けた投資も行いながら、財務基盤を強化している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しており、財務基盤の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準となっており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、事業活動を支える十分な流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 1兆9,520億円 | 2兆1,966億円 |
| 自己資本比率 | 45.2% | 49.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.1% | 13.0% |
| 現金及び現金同等物 | 5,846億円 | 6,590億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の増加や退職給付信託の一部の返還などにより、前期に比べて増加しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、関連会社株式の売却などにより、前期の支出から当期は収入に転じています。この結果、フリー・キャッシュ・フローは大幅に増加し、本業で創出した資金が投資を大きく上回る状況となっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済や子会社化に伴う支出などにより、前期に比べて支出が増加しています。同社グループは本業で安定した資金を創出し、財務基盤を強化しながら事業活動を展開しており、入社後の雇用や給与の安定性につながる財務状況を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3,444億円 | 4,385億円 |
| 投資CF | △1,312億円 | 337億円 |
| 財務CF | △1,040億円 | △4,180億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2,132億円 | 4,721億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、提供する製品やシステム、サービスが多岐にわたり、サプライチェーンもグローバルに展開しているため、品質・安全性の確保や受注プロジェクトの適切な管理が顧客からの信頼確保と市場競争力の維持に不可欠であると認識しています。これらの管理が適切に行われない場合、企業価値に重大な影響を及ぼすおそれがあるとしています。
また、サイバー攻撃の高度化および巧妙化が進む事業環境において、情報漏えいや業務停止、サービス提供への支障といったリスクが高まっていることを認識しています。これらの事象は、同社グループに対する信頼を損ない、企業価値に重大な影響を与えるリスクになり得ると考えています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人的資本に関するリスクを重要なリスクの一つとして認識しています。このリスクに関する詳細な内容は、有価証券報告書の別の箇所に記載されています。
④ 雇用安定性・リストラ
事業構造改善引当金として、当連結会計年度に4,176百万円を計上しています。この費用は事業構造改革に伴い発生する費用および損失に備えるものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本電気は、NEC Wayを共通の価値観として掲げ、豊かな人間社会への貢献を目指しています。AIをはじめとする先進テクノロジーを通じて革新と安心を届け、人間性を最大限に発揮できる社会の創造を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、共通の価値観である「NEC Way」を経営の基本方針としています。その「Purpose(存在意義)」は「Orchestrating a brighter world」を基盤とし、豊かな人間社会に貢献することです。また、社会価値創造Visionとして「Empower Humanity ~世界に革新と安心を届ける」を掲げ、AIをはじめとする先進テクノロジーを通じて人間性を最大限に発揮できる社会の創造を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、行動の原点として「NEC Way」を規定しており、その「Principles(行動原則)」として「ベタープロダクツ・ベターサービス」「インテグリティと人権の尊重」「イノベーションの追求」を掲げています。一人ひとりの行動基準を示す「Code of Values」では、「視線は外向き、未来を見通すように」「思考はシンプル、戦略を示せるように」「心は情熱的、自らやり遂げるように」「行動はスピード、チャンスを逃さぬように」「組織はオープン、全員が成長できるように」という考え方を重視しています。また、高い倫理観と誠実さを示す「Code of Conduct(行動規範)」を遵守しています。従業員一人ひとりが自己変革に挑み続け、組織として迅速に価値創造を実現する「強い企業文化」の構築を目指しています。従業員のエンゲージメント向上を重視し、「Say(会社について他者に肯定的に語る)」「Stay(会社にとどまることを強く望む)」「Strive(仕事上求められる以上の努力をする)」の3要素を促進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、AIの急速な進化と国際情勢の不安定化に伴う安全保障の重要性増大を経営環境として認識しています。これらの変化に対応するため、「2030中期経営計画」を策定し、社会価値創造Vision「Empower Humanity ~世界に革新と安心を届ける」の実現を目指しています。組織・文化・人材に関する重点テーマとしては、従業員のエンゲージメントの質向上を重要な経営課題としています。ジョブ型人材マネジメントを支えるフェアな人事評価・人材登用の促進、市場競争力の高い報酬体系の最適化、株式報酬制度の拡充を進めています。また、従業員への全社方針・戦略の浸透や社内コミュニケーションの活性化に向けた取り組みを加速しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日本電気は指名委員会等設置会社であり、監督と執行を明確に分離したガバナンス体制を構築しています。これにより、取締役会による監督機能の強化と、執行役への権限委譲による迅速な意思決定・事業遂行を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
日本電気の株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が筆頭株主となっています。上位には複数の信託銀行が名を連ねており、機関投資家による保有が多い傾向が見られます。また、事業会社であるNTTも大株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 15.37% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 7.84% |
| NTT | 4.90% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 2.24% |
| 住友生命保険相互会社 | 2.16% |
なお、2026年1月15日現在、キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント・カンパニーが56,041千株(4.11%)を保有している旨が記載されていますが、2026年3月31日現在の実質所有株式数は確認できていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は25名(男性21名・女性4名)で構成され、女性役員比率は16.0%です。代表執行役社長兼CEOは森田隆之氏が務めています。社外取締役比率は70.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 森田 隆之 | 代表執行役社長 兼 CEO | 1983年同社入社、執行役員常務兼CGO、代表取締役執行役員副社長兼CFOを経て、2023年6月より同社取締役代表執行役社長兼CEO兼アビームコンサルティング取締役会長。 |
| 藤川 修 | 執行役副社長 兼 COO | 1988年同社入社、執行役員常務兼CFO、取締役代表執行役Corporate EVP兼CFOを経て、2026年4月より同社取締役執行役副社長兼COO。 |
| 新野 隆 | 取締役 | 1977年同社入社、執行役員常務、代表取締役執行役員社長兼CEOを経て、2022年6月より同社取締役会長。 |
社外取締役は、岡昌志氏(元ソニーフィナンシャルホールディングス代表取締役社長兼CEO・指名委員・報酬委員長)、望月晴文氏(元経済産業事務次官・指名委員長・監査委員)、岡田譲治氏(元三井物産代表取締役副社長執行役員CFO・監査委員長)、山田義仁氏(オムロン取締役会長取締役会議長・指名委員・報酬委員)、佐藤慎次郎氏(元テルモ代表取締役社長CEO・指名委員・報酬委員・監査委員)、西村美香氏(Gilde Healthcare Partners Operational Partner・報酬委員)、谷津朋美氏(谷津法律会計事務所代表・監査委員)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、監督と執行を分離することで取締役会の監督機能を強化しています。独立社外取締役が取締役会の過半数を占め、指名・報酬・監査の各委員会を通じて経営の透明性と健全性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
日本電気の役員報酬は、基本報酬、短期インセンティブ報酬(賞与)、中長期インセンティブ報酬(株式報酬)で構成されています。報酬委員会が客観性、公平性、透明性の視点から報酬方針を決定しており、外部の第三者専門機関のデータも活用しています。中長期的な企業価値向上と株主価値への連動を重視し、中期経営計画の目標達成に繋がるインセンティブ設計を目指しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 3.0億円 | 99.3百万円 |
| 社外取締役 | 10名 | 2.3億円 | 22.9百万円 |
| 執行役 | 20名 | 23.3億円 | 1.16億円 |
なお、取締役を兼務する執行役の報酬は執行役の区分に記載されており、取締役の区分には含まれていません。
個人別報酬が開示されている役員は、新野隆氏(2.86億円)、森田隆之氏(4.85億円)、山品正勝氏(1.57億円)、堺和宏氏(1.55億円)、吉崎敏文氏(1.50億円)、田中繁広氏(1.45億円)、西原基夫氏(1.18億円)、藤川修氏(1.14億円)、雨宮邦和氏(1.14億円)、小玉浩氏(1.11億円)、堀川大介氏(1.08億円)、橋本裕氏(1.06億円)、木内道男氏(1.06億円)、永野博之氏(1.05億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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