0 編集部が注目した重点ポイント
①豪州北米で約970億円の減損を計上し構造改革を進める
2026年3月期において、豪州地域で約770億円、北米地域で約200億円ののれん等に係る減損損失を計上しました。マクロ環境悪化や各種施策の遅延に伴い事業計画を下方修正したことが要因です。今後は規模拡大を追わず、安定成長領域への集中と人員削減等の構造改革を断行し、安定した黒字体質への転換を目指します。
②海外子会社の組織を再編しセグメント横断の管理体制を敷く
2026年4月より、海外事業の迅速な判断とリスク管理強化に向けてマネジメント体制を刷新しました。NRI-AUにPlanitを統合したうえで産業から金融セグメントへ移管し、北米では関連事業をNRI North Americaへ集約します。本社にはグローバル統括管理部を新設し、ガバナンスと事業管理体制を大幅に強化します。
③2026年4月にセグメントを変更し国内主導の成長を志向する
新中期経営計画の開始に伴い、2026年4月から報告セグメントの変更を実施しました。モダナイゼーションやAI活用に関する需要が旺盛な国内事業を中心とした成長を志向する方針です。体制変更により、各分野でのキャリア機会や専門人材の最適配置が進むことで、国内主導によるさらなる収益力向上が期待されます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期決算および2027年3月期業績見通し P.4
売上収益
814,708百万円
前年同期比 +6.5%
営業利益
58,273百万円
前年同期比 -56.8%
事業利益
156,673百万円
前年同期比 +16.3%
親会社当期利益
15,257百万円
前年同期比 -83.7%
※事業利益 = 営業利益から一時的要因(のれん減損及び固定資産減損等)を除いたものであり、恒常的な事業の業績を測る利益指標
2026年3月期の通期実績は、国内のシステム開発案件の活況や運用サービスの増加に支えられ、売上収益が過去最高を更新する814,708百万円に達しました。期初予想の8,100億円に対しても47億円の上振れを達成しており、中期経営計画2025の売上目標をクリアしています。恒常的な収益力を示す事業利益も156,673百万円と期初予想を大きく上回り、国内事業の経営基盤は極めて堅調です。一方で、海外事業におけるのれん減損損失の一時的計上により、営業利益および当期利益は前年同期比で大幅な減益を余儀なくされました。
通期予想に対する進捗状況の評価としては、売上収益および減損を除く営業利益(事業利益)ともに期初計画を上回る着地となっており、国内主導の業績進捗は極めて順調であると評価できます。一過性の特殊要因である減損損失はキャッシュ・フローに影響を与えない性質のものであり、中長期的な企業価値向上や次期に向けた投資余力、財務健全性は十分に維持されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期決算および2027年3月期業績見通し P.19
コンサルティング
【事業内容】政策提言や戦略コンサルティング、業務改革をサポートする業務コンサル、ITマネジメント全般にわたるシステムコンサルティングを一貫して提供します。
【業績推移】売上収益は68,724百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は19,225百万円(前年同期比4.5%増)となり、システムコンサルティングを中心に堅調な増収増益を達成しました。
【注目ポイント】AIコンサルティング案件やレガシー・モダナイゼーション(老朽化システムの刷新)案件が極めて活況を呈しています。脱炭素やリスキリングといった社会課題解決を経営戦略に組み込む企業が増加しており、構想策定から具体的な成果創出まで伴走する実行支援型の専門人材が強く求められています。ソリューション部門との連携強化により、上流から下流まで一貫したキャリアを築ける環境が整っています。
金融ITソリューション
【事業内容】証券業、保険業、銀行業などの金融業顧客向けに、システム開発、運用サービス、共同利用型システム等のITソリューションやBPOサービスを提供します。
【業績推移】売上収益は405,152百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益は74,255百万円(前年同期比20.6%増)と、良好な受注環境を背景に大幅な増収増益を記録しました。
【注目ポイント】その他金融業等向けの基幹システム刷新案件をはじめ、各業種向けでSI案件が非常に活発です。業界再編やデジタルアセットの拡大といった市場の構造変化に対応するため、金融ビジネスプラットフォームのモダナイゼーションが急務となっています。AIを活用した開発プロセスの高度化やソーシャルDXを推進できる金融ITのプロフェッショナルにとって、大規模案件のマネジメントを担う絶好の機会です。
産業ITソリューション
【事業内容】流通業、製造業、サービス業や公共分野の顧客に対し、システムコンサルティング、システム開発、運用サービス等のITソリューションを提供します。
【業績推移】売上収益は280,033百万円(前年同期比1.5%増)を確保したものの、海外事業におけるのれん等の減損損失計上の影響により、セグメント合計で74,616百万円の営業損失となりました。
【注目ポイント】海外事業は苦戦したものの、国内事業は製造・運輸業等における新規獲得案件の寄与により着実な増収増益を維持しています。顧客とともにデジタル技術を用いた新たなビジネスモデルを創造する領域が拡大しており、AIを活用したシステム構築や運用高度化のニーズが急増しています。大規模な組織再編に伴い、国内の旺盛なDX需要を形にする中核人材の重要性が一段と高まっています。
IT基盤サービス
【事業内容】データセンターの運営管理、IT基盤・ネットワーク構築、情報セキュリティサービスをマルチベンダー環境で総合的に提供します。
【業績推移】売上収益は221,545百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益は38,564百万円(前年同期比27.1%増)となり、デジタルワークプレイス事業等の好調により極めて高い伸びを記録しました。
【注目ポイント】クラウド事業が好調に推移する中、サイバー攻撃の複雑化に伴うセキュリティ基盤整備の需要が一段と高まっています。同セグメントでは、開発フレームワークの刷新や開発プロセスへのAI活用などによる抜本的な生産革新を強力に推進しています。最先端のインフラ技術力と高度なセキュリティ知見を掛け合わせ、顧客企業のDXを安全に支えるアーキテクトの活躍フィールドが広がっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期決算および2027年3月期業績見通し P.12
新たに策定された中期経営計画(2026-2028)では、最終年度となる2029年3月期に売上収益9,500億円、事業利益2,000億円、ROE25%水準の達成を掲げています。また、2027年3月期の通期業績予想は売上収益8,500億円、営業利益1,750億円を見込み、減損の要因となった海外拠点の整理や組織再編を経てV字回復を果たす計画です。国内市場ではモダナイゼーションやAI活用に関する需要が引き続き旺盛であり、これら成長領域への先行投資をさらに加速させます。
一方で、課題となっていた海外事業については無理な規模拡大を追う方針を転換し、セキュリティを組み込んだマネージドサービス等の継続提供型ビジネスを強化することで、リカーリング収益を拡大し安定した黒字体質への再構築を一段と強めます。強固な国内収益基盤の拡充とグローバル事業の抜本的再生が同時に進む大変革期だからこそ、自らの手で事業をリビルドし、次世代のビジネスプラットフォームを創り上げたいという意欲を持つ中途採用人材にとって、他では得がたい挑戦的なキャリア機会が豊富に存在しています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社の志望動機を構築する際は、国内市場における圧倒的なシェアと旺盛なDX・モダナイゼーション需要への対応力を主軸に据えるのが極めて有効です。特に、AIコンサルティング投資の強化(AI関連投資額181億円)や、金融・インフラ等における大規模なビジネスプラットフォームの刷新実績に注目してください。「単なるシステム構築にとどまらず、顧客のビジネスモデル変革まで伴走するコンソリューションを実践したい」という一歩踏み込んだ意欲を示すことで、同社が求める高度な専門人材としての資質を強力にアピールできます。
面接での逆質問例
面接での逆質問は、企業の最新戦略や課題を正確に把握していることを示す絶好の機会です。2026年4月に始動した「新中期経営計画」や「組織再編」を切り口に、次のような具体的な質問を投げかけてみましょう。
質問例1:「新中期経営計画2028において、国内事業を中心とした成長を志向する一方で、海外事業は規模拡大からリカーリング収益拡大へのビジネスモデル転換を目指すとあります。この方針転換に伴い、国内のソリューション部門やIT基盤サービス部門が海外子会社(NRI-NA等)へノウハウやセキュリティ知見を提供する機会は、具体的にどのように具体化していく予定でしょうか。」
質問例2:「2026年4月からの新しいセグメント体制への移行に伴い、組織の壁を越えた事業開発の加速が謳われています。中途採用として入社するメンバーが、このセグメント横断でのシナジー創出や抜本的な生産革新プロジェクトに関わるために、入社初期から発揮すべき最も重要なスタンスやスキルは何でしょうか。」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
成長の機会が豊富にあります
シンクタンクとコンサルティングの役割を状況に応じて使い分けられるのが魅力です。特に、システム部門の売上が大きく、業績の安定性が高い点が安心材料です。若手にもプロジェクトリーダーのチャンスが与えられるため、成長の機会が豊富にあります。
(20代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]新規事業の展開には課題が残ります
既存事業の安定性が際立つ一方で、新規事業の展開には課題が残ります。特に流通や産業分野では、迅速な対応が求められるため、クライアントからの期待に応える必要があります。
(30代前半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期決算および2027年3月期業績見通し(株式会社野村総合研究所)
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(株式会社野村総合研究所)



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