0 編集部が注目した重点ポイント
① 海外事業が売上高886億円で過去最高を更新する
海外事業の売上高は前年比11.6%増の886億円、営業利益は前年比36.1%増の41億円に達し、過去最高業績を更新しました。北米や英国でのコアブランド拡大に加え、アジア・オセアニア全域での成長が牽引しており、グローバル展開を加速する同社で海外実務やマーケティングを担うキャリア機会が大きく拡大しています。
② 北米の植物性食品企業を子会社化し新規領域へ参入する
新規領域である食と健康事業において、2025年8月にHodo, Inc.を連結子会社化し、植物性タンパク質食品の製造販売に参入しました。当期から新規連結されたことで成長に寄与しており、既存のスナック事業に留まらない新たな事業柱の構築に向け、新領域をリードする専門人材の重要性が高まっています。(注:前年同期は一部未連結のため単純比較不可)
③ 新成長戦略を策定し2036年3月期に向け変革を進める
10年後を見据えた新成長戦略「Accelerate the Future」を策定しました。「稼ぐ力の向上」「資本効率の向上」を軸に、2031年3月期までの5年間を「成長投資期」と位置付けて変革を加速する方針であり、サプライチェーンの効率化やDX基盤構築、R&D機能強化を支える企画・技術系人材の採用可能性が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 通期決算説明会資料 P.3
売上高
3,402億円
+5.5% (前年比)営業利益
262億円
△10.0% (前年比)経常利益
271億円
△9.2% (前年比)
当連結会計年度における同社の業績は、原材料や物流費のインフレによるコスト高騰、天候不順に伴う北海道産ばれいしょの収量減といった国内事業の厳しい課題に直面しました。しかし、戦略的な価格・規格改定の実行や他原料製品へのシフトといった着実なリカバリー策を実行した結果、トップラインの伸長を維持し、過去最高の売上高を記録しています。利益面では国内の新工場稼働に伴う固定費の増加などが響き前年比で減益となったものの、二桁の増収増益を遂げた海外事業が全体の業績影響を大きく緩和しました。
通期予想に対する進捗状況としては、最終的な業績実績が修正計画に対して売上高100.3%、営業利益100.7%となり、売上高・営業利益ともに修正計画を達成しました。不確実性の高い事業環境下にあっても、経営目標をブレずにクリアする強固な収益管理体制と市場変化への適応力が証明された着地であり、中長期の成長戦略に向けた地盤は極めて堅調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 通期決算説明会資料 P.5
国内食品製造販売事業:スナック菓子
【事業内容】ポテトチップスやじゃがりこなど、同社の圧倒的な市場シェアを支える基盤であり、核となる主力スナック菓子の製造および販売を行う領域です。
【業績推移】リベート等控除前の売上高は前年比3.9%増の2,342億円を記録。原料不足の影響を受けたポテトチップスが横ばいとなる中、じゃがりこ(+4.2%)やその他スナック(+9.5%)が伸長しました。
【注目ポイント】ばれいしょの収量減や低品質化に伴う生産性悪化に対し、下期販促費の抑制や、「クリスプ」「miino」といった成型ポテト・豆系スナックへの営業連携強化によって見事なリカバリーを達成しました。原材料の急激な変動に対応するサプライチェーンの最適化や、強固なブランド価値を再構築するマーケティング戦略において、即戦力となるプロフェッショナル人材の獲得が強く求められています。
国内食品製造販売事業:シリアル食品
【事業内容】「フルグラ」や「マイグラ」を展開し、国内の朝食市場において独自の健康価値を提供するシリアル食品の製造・販売領域です。
【業績推移】売上高は前年比2.2%増の301億円を達成。2月の価格改定を経ながらも、他社との各種コラボレーション企画品などの積極的な拡売策が奏功しました。
【注目ポイント】積極的なマーケティング投資と需要喚起に取り組み続けた結果、国内のシリアル市場シェアは38.5%(前年比+0.7pts)へ拡大しました。確固たるシェアを維持・拡大しながら、少子高齢化や多様化するライフスタイルに対応する新コンセプトの提案が不可欠であり、データ分析に基づいた営業戦略立案や流通開拓のスキルを持つ人材が活躍できるフィールドです。
国内食品製造販売事業:その他
【事業内容】アグリビジネス、役務提供に加え、「食と健康」に関わる新規ビジネスの創出と育成を担う未来志向の事業領域です。
【業績推移】売上高は前年比1.9%増の172億円となり、新領域の開拓に向けて着実な歩みと成長を維持しています。
【注目ポイント】腸内環境に着目したパーソナルフードプログラム「Body Granola」が大きく伸長しており、サブスクリプション型の健康ビジネスとして注目を集めています。従来の店舗流通型の量産ビジネスとは異なるデジタル顧客接点の構築や、ヘルスケア領域の知見を活かしたR&D機能の強化が進められており、スタートアップ的なスピード感を持って新規事業をグロースさせる専門人材へのニーズが高まっています。
海外食品製造販売事業:欧米地域
【事業内容】北米および英国市場においてコアブランドの配荷拡大や、大豆・植物性タンパク質食品といった健康トレンド食品の展開を行う成長牽引領域です。(注:2025年8月に子会社化したHodo, Inc.が当期から新規連結されたため、前年同期とは単純比較不可)
【業績推移】売上高は前年比9.4%増の467億円、営業利益は前年比76.6%増の9.5億円と、利益率が劇的に改善する大躍進を遂げました。
【注目ポイント】北米既存事業においてアジア・エスニック棚の競争激化で日本発ブランドが苦戦したものの、コアの「Harvest Snaps」の主要小売への配荷拡大や、現地生産「Asian Style Chips」の増産、販促費管理の徹底により、北米既存の営業利益が470.0%増という圧倒的な利益改善を達成。さらに英国での不採算アイテムの整理も利益を押し上げました。グローバルなオペレーション改善や海外法人の経営管理を主導できる、真のグローバル人材の活躍舞台がここにあります。
海外食品製造販売事業:アジア・オセアニア地域
【事業内容】中華圏(中国・香港)やインドネシア、オーストラリアなどを中心に、現地の嗜好や物価水準に合わせた柔軟な商品戦略を展開する重要領域です。
【業績推移】売上高は前年比11.0%増の511億円を記録。中でも中華圏は売上高が前年比12.8%増の175億円、営業利益が前年比80.1%増の14.8億円と非常に高い成長性を示しました。
【注目ポイント】中華圏における小売店舗向けの取り組み強化が実を結び、「Jagabee」が好調を維持しています。さらに、シリアル製品「マイグラ」の現地委託製造(OEM)を強化し、手頃な価格帯のニーズを迅速に獲得する戦略に成功しました。インドネシアでの減益を他地域で完全に相殺する安定した海外地域ポートフォリオが確立されており、現地のローカルニーズを見極めて素早くビジネス展開できる海外営業や商品企画人材への期待が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 通期決算説明会資料 P.10
2027年3月期の通期連結業績は、売上高3,700億円(前年比+8.8%)、営業利益262億円(前年比+0.1%)と、底堅い増収および前年並みの利益を計画しています。特に注目すべきは、緊迫化する中東情勢に伴う原材料や物流費のインフレを見据え、あらかじめ営業利益マイナス30億円の影響を織り込んでいる点です。この流動的なリスクに対し、同社は主力製品のパッケージに使用するインクを2色に削減する包装資材の変更や、代替原料の確保、タイムリーな価格・規格改定を段階的に進めることで業績影響の極小化を図っています。安定供給を最優先にしながらも、新成長戦略の下で低品質ばれいしょ活用投資やDX基盤構築といった未来への成長投資を継続する方針であり、逆境に強い業務プロセスの構築や構造改革を主導できる、変革推進型の人材にとって絶好のキャリアチャンスとなっています。
4 求職者へのアドバイス
- 新成長戦略「Accelerate the Future」において、2031年3月期までの5年間を「成長投資期」と位置づけられていますが、国内コア事業の効率化と海外事業の成長加速に向けて、中途採用の専門人材には具体的にどのような役割やスピード感が期待されているでしょうか。
- 中東情勢による影響額(マイナス30億円)を織り込みつつ、パッケージの印刷インク削減など徹底した現場のコスト抑制策を推進されていますが、こうした突発的な外部環境変化への対応力を組織全体で発揮するために、どのような意思決定の仕組みや他部門連携が行われているのか教えてください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- カルビー株式会社 2026年3月期 通期決算説明会資料
- カルビー株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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