0 編集部が注目した重点ポイント
①有価証券ポートフォリオの健全化を約1,500億円規模で実施する
当2025年度において、将来の金利上昇局面に備えた「備え」として、約1,500億円規模の有価証券ポートフォリオ健全化および予防的な引当措置を断行しました。これにともない資産の入れ替えやリスクコントロールの強化が徹底されており、市場変動に強い強固な財務基盤の構築に関わる領域で専門人材のキャリア機会が拡大する可能性があります。
②インドのAvendus株式を2026年7月目途に取得し成長を加速する
グローバルCIBモデルのさらなる強化に向け、インドのM&A・ECM市場で高いシェアを持つAvendusの株式を取得予定です。前年度は未連結のため単純比較不可となりますが、高成長を続けるアジア市場でのクロスボーダー案件獲得や、現地アライアンスを主導するシニアバンカーなどの領域で中途採用者の活躍フィールドが広がる可能性があります。
③利上げを想定しない前提で3年後にROE12%超の達成を目指す
前年公表の中期財務目標(ROE10%超)を1年で前倒し達成したことを受け、目標を大幅に上方修正しました。日銀の追加利上げをあえて織り込まず、自力ベースの収益成長とAI活用による1,500億円規模のプロセス改革を掛け合わせることで、2028年度にROE12%超を目指しています。構造改革が次のフェーズへ移行する中、攻めの投資と効率化を両輪で牽引する人材へのニーズが高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度決算 会社説明会 P.50
連結粗利益
3兆5,156億円
前年度比 +18.5%
連結業務純益
1兆4,611億円
前年度比 +27.6%
親会社株主純利益
1兆2,486億円
前年度比 +41.0%
※連結業務純益:連結粗利益から経費(除く臨時処理分)を引き、持分法投資損益等の連結調整を加算した、本業の収益力を示す指標。
当連結会計年度の業績は、国内外の非金利ビジネスが好調に推移したことに加え、円安効果や円金利上昇影響を適切に取り込んだ結果、経常利益が前年度比34.6%増の1兆5,731億円と大幅な増益を記録しました。人的資本投資やDX・AI投資といった経営基盤拡充への資源投下を継続しつつも、適切なコストコントロールにより経費率は59.4%と着実に改善しています。
また、政策保有株式の売却益増加や退職給付信託返還益などが寄与し、親会社株主純利益は前年度比41.0%増の1兆2,486億円に達しました。これによりROE(自己資本利益率)は11.4%と大幅に良化し、当初掲げていた目標を前倒しで達成する、史上最高益の大幅更新を果たしました。
当初の業績見通しに対し、親会社株主純利益は当初予想の1兆1,300億円を大きく上回る達成率110%を記録しました。主要な本業収益指標である連結業務純益も計画比108%に達しており、外部環境の追い風を確実に収益へ繋げる、極めて堅調な進捗を示して当年度を完了しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.13
RBC(リテール・事業法人カンパニー)
【事業内容】 国内の個人、中小企業、中堅企業を対象に、銀行・信託・証券が一体となった資産運用や承継支援、決済サービスを提供しています。
【業績推移】 業務粗利益は9,846億円(前年度比+1,524億円)、業務純益は2,375億円(+69%)と円金利上昇の恩恵を大きく受けました。
【注目ポイント】 預金残高のさらなる増強が喫緊の課題として認識されており、専任役員のもとで施策の可視化が進んでいます。みずほ楽天カードの決済額は4倍に急増しており、デジタルとリアルのシームレスな体験構築に向けたリテール戦略やデータ活用の専門人材が必要とされています。
CIBC(コーポレート&インベストメントバンキングカンパニー)
【事業内容】 国内の大企業法人や金融法人に対し、産業調査力に基づいた投資銀行業務や高度な金融ソリューションを提供しています。
【業績推移】 業務純益は4,998億円(前年度比+23%)に達し、顧客部門の中で最大の利益貢献を果たしています。
【注目ポイント】 国内DCMやLCM、ECMでリーグテーブル1位を堅持する圧倒的な強みを持ちます。大企業の活発なコーポレートアクションを背景に収益が拡大しており、50年超の歴史を持つ産業知見をレバレッジした戦略的提案を主導できる投資銀行人材の価値が極めて高まっています。
GCIBC(グローバルコーポレート&インベストメントバンキングカンパニー)
【事業内容】 海外進出日系企業および世界の非日系優良企業を対象に、グローバルCIBモデルによるサービスを展開しています。
【業績推移】 業務粗利益は8,570億円、米州ビジネスが牽引し非日系向けの収益がFY19比で約2倍に成長しました。
【注目ポイント】 米州ビジネスが好調で、Greenhillとの連携によるクロスボーダーM&A案件の獲得が具体化しています。今後は米州のノウハウをEMEAやAPACへ横展開する方針であり、4地域を跨ぐグローバル連携を実務レベルで推進できる人材の貢献余地が拡大しています。
AMC(アセットマネジメントカンパニー)
【事業内容】 個人から機関投資家まで、幅広い資産運用ニーズに応じた商品の開発やサービスの提供を行っています。
【業績推移】 業務粗利益は736億円、業務純益は197億円(+66%)と、「貯蓄から投資」の流れを捉えて急成長しています。
【注目ポイント】 運用力がピア対比良好なファンドの割合が52%へ向上するなど成果が表れています。一方で、他大手証券対比で課題もあると認識されており、アセットマネジメントOneとの共同体制強化や、社員教育・ラップ商品提案力を底上げできる専門人材が求められています。
GMC(グローバルマーケッツカンパニー)
【事業内容】 金利、株式、クレジット等への投資業務や、顧客取引に付随するマーケット業務をグローバルに展開しています。
【業績推移】 市場部門として業務純益2,600億円(+66%)を計上し、全社利益を強力に下支えしました。
【注目ポイント】 国債の平均残存期間を0.9年と保守的に運営し、国内利上げ時の収益アップサイドを温存する巧みなポートフォリオ運営が光ります。市場変動を機敏に捉えた「資産回転型」モデルの全社徹底を牽引できる、規律あるマーケットスペシャリストが最前線で活躍しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度決算 会社説明会 P.12
2026年度(2027年3月期)は、親会社株主純利益1兆3,000億円(前年度比+4.1%)という意欲的な目標を掲げています。前年度の一過性収益の剥落といった下振れ要因も考慮した上で、実力ベースからの高い伸びを志向しており、質疑応答で「相応に意欲的な認識」と言及されています。為替影響については、1円円安進行(対米ドル)あたり当期利益で30億円程度のプラス要因が見込まれます。
戦略の柱として、AI活用による事務効率化と同時に、大企業法人基盤を起点としたクロスボーダー案件獲得などの「攻めのグローバル展開」が加速します。特にインドでのM&A仲介事業の取得完了(2026年7月予定)は重要な成長ドライバーです。また、3年間で最大1,000億円を投じるAI実装計画では、全社業務プロセスの再設計を行うプロジェクトチームを組成しており、金融とテクノロジーの融合を実戦でリードできる人材の採用が今後の成否を分ける重要ポイントとなります。
4 求職者へのアドバイス
「金利ある世界」という歴史的転換点を迎え、史上初の純利益1兆円超えという圧倒的な実績を土台に、さらなる高み(ROE12%超)を目指す変革期であることを志望動機に盛り込むと効果的です。特に、楽天グループとの金融連携の進化や、AI投資を通じた「人間が創造的価値創出に集中できる金融機関」への再設計など、みずほ固有の競争優位性の確立に自らの専門スキルで貢献する意欲を示すことが、高いマッチングに繋がります。
・米州でのM&Aアドバイザリー業務を起点とした手数料ビジネスの連鎖において、中途採用のシニアバンカーが日系・非日系のクロスボーダー連携で担うべき最も期待されるミッションは何でしょうか。
・「AI前提の業務プロセス再設計」において、現在進行中のプロジェクトで直面している最大の現場の壁と、それを突破するためにデジタル専門人材に求めている資質を教えてください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ 2025年度決算 会社説明会資料
- 株式会社みずほフィナンシャルグループ 2025年度決算 会社説明会:主な質疑応答



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