今回取り上げる企業は、1958年に創業し金融から製造、流通、社会公共インフラまで幅広い顧客と取引のある大手SI、BIPROGY株式会社です。
BIPROGY(旧・日本ユニシス)の平均年収は810万円
まずはじめにBIPROGYの平均年収を見ていきましょう。BIPROGYの平均年収は810万円です(BIPROGY有価証券報告書)。キャリコネに投稿された給与明細を参考にBIPROGYの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で390〜440万円、30歳代で600〜650万円、40歳代で770〜820万円という結果がでました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.64倍の額です。
■BIPROGYの平均年収推移
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年3月期 | 810万円 | 46.1歳 | 21年 | 4451人 |
2021年3月期 | 808.8万円 | 46.1歳 | 21年 | 4407人 |
2020年3月期 | 837.5万円 | 46歳 | 21年 | 4355人 |
2019年3月期 | 825.4万円 | 45.7歳 | 21年 | 4350人 |
2018年3月期 | 793.7万円 | 45.2歳 | 20.4年 | 4190人 |
出典:BIPROGY・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
BIPROGYの平均年収は前年を上回り810万円でした。
過去5年間では3番目の額になりました。
BIPROGYの年代別平均年収と中央値
■BIPROGYの年収中央値は30代で616.6万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 409.2万円 | 27万円 | 72万円 | 368.28万円 |
30代 | 616.6万円 | 40万円 | 108.6万円 | 554.94万円 |
40代 | 792.2万円 | 51.1万円 | 139.6万円 | 712.98万円 |
50代 | 862.2万円 | 55.5万円 | 152万円 | 775.98万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
BIPROGYと競合他社の平均年収を比較
BIPROGYの競合や同業界である日鉄ソリューションズ、SCSK、TISの4社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、BOPROGYが810万円、日鉄ソリューションズが844.6万円、SCSKが752.2万円、TISが741万円です。
この4社の中で最高額は日鉄ソリューションズの844.6万円で、最低額がTISの741万円。その差はおよそ104万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではBIPROGYは2番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
日鉄ソリューションズ | 844.6万円 | 40歳 | 13年 | 3350人 | 2355.19億円 |
BIPROGY | 810万円 | 46.1歳 | 21年 | 4451人 | 1869.1億円 |
SCSK | 752.2万円 | 43.7歳 | 18.4年 | 8462人 | 3963.81億円 |
TIS | 741万円 | 40.2歳 | 14.3年 | 5469人 | 2229.86億円 |
日本ユニシスの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
BIPROGYで年収を上げる方法は
■グレードの昇格と人事考課による昇給で基本給が決定
BIPROGYは1999年に成果主義を導入しましたが、社員が消耗していくことを目の当たりにし、人事評価制度の改定に着手。新たな年功序列型制度に移行させました。
基本給はグレードの昇格や人事考課により7段階あるクラスが適用されることによって決まります。30歳前後くらいまでは毎年1万円程度昇給していきますが、それ以上になるとグレードによって大きな差が出てきます。
新卒入社5年目、毎月残業時間20時間程度で、年収は500万円程度。30代後半の主任クラスで残業なしで年収700~800万円程度となっています。
実際の給与明細を見比べると、目安では見えてこなかった驚きの現実が!
BIPROGY社員の給与明細(キャリコネ)
年齢が上がると年収は大幅増
30代技術職(非管理職)の 給与明細
20代技術職(非管理職)の 給与明細
同年齢でも職種によって格差あり?
20代管理部門(非管理職)の 給与明細
20代技術職(非管理職)の 給与明細
BIPROGYの給与の内訳は
■住宅手当は相場なみかそれ以上
毎月の給与には、基本給のほかに家族手当、住居補助、時間外勤務手当、通勤費(全額支給)などが含まれています。住宅補助手当は管理職になるまで、首都圏勤務の場合独身者は約3万円、既婚者は約5万円となっていて、また実家住まいの場合は約8000円の補助が出るようです。厚生労働省「平成27年就労条件総合調査の概況」によると、情報通信業の住宅手当平均額が25,312円ですから相場以上は支給されています。
賞与は年2回業績連動となっています。このほか、福利厚生として、健康・厚生・雇用・労災保険、退職年金制度、独身寮、直営・契約保養所、会員制リゾートクラブ・アスレチッククラブ、財形貯蓄制度、診療所完備、育児・介護休暇制度、住宅資金積立融資制度、自己申告制度、慶弔給付金、社員持株会などの制度が設けられているようです。
口コミには年収の実態を如実に表す証言がありました。
BIPROGY社員の口コミ(キャリコネ)
給与と賞与の査定は別
「給与は上司による能力評価とアサインされるプロジェクトによって決まる。 賞与は年度初めの目標に対する達成率で決まるが、SEはどの程度… 」
賞与は部署の業績が強く反映される?
「残業代は全てつけることができていた。給与を同業他社と比較すると月収ベースはさほど変わりはないと思う。ボーナスを入れた年収ベースだと…」
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」