王道の出世コースは「海外駐在経験者」
総合商社の主役は、当然のことながら営業です。30代の男性社員は、自社の出世コースについて「海外駐在を経験した人」と明かしています。
欧米の駐在→本社帰国が良いルートな感じがします。駐在先が台湾、韓国、東南アジアだと微妙かもしれません。今後は中国も良いかもしれません(2017.7.9)
法人営業担当の30代男性は、取締役会長を輩出した財務部も出世コースと指摘しています。調べてみると、確かに投稿当時の朝田照男会長が財務部出身でした。
財務部はやはり経営企画等の中核部署に出されることが多い。社長レースにも財務出身者は必ず含まれている。財務以外の管理部門は滅多にそのような機会はなく、かつ、出世の途も非常に限られている(2017.6.18)
古い口コミには「昔の日本企業のイメージそのままに、完全に年功序列」というものもありますが、「最近は実力主義になってきた」いう数年前の口コミもあります。そのあたりは、近年変わりつつあるのかもしれません。
前は完全に年功序列であったが、課長以上となれば実力も考慮されることとなり、上司が年下というケースも、わずかながら出てきた(2016.7.16)
残業時間はいまだに「きわめて長い」?
以前は長時間労働がよしとされた日本企業も、昨今では「働き方改革」の中でワークライフバランスに配慮がなされる傾向にあります。しかし総合商社では、なかなか実現が難しいところがあるようです。
海外営業を担当する20代男性は「平日の残業時間はきわめて長い」とつぶやきます。
大半の社員が、終電近くの時間まで休みなく働き続ける生活を年中続けていることが多いと言えるだろう。どれだけ早くオフィスに出社しても、海外にあるパートナーシップを結んだ企業とのワーキングアワーの差があるため、夜遅くに会議や締切が設置することも少なくなく、結局帰宅時間が終電以降となることも珍しくない。家族との時間が取りたいため、給料ダウンを承知で転職する例が少なくなくなってきた(2018.7.13)
会社が残業時間の削減を図ったとしても、仕事自体が減らなければ現場は回っていきません。やや古い口コミですが、ある部署では労働時間を延ばすための抜け道を作っているという書き込みもありました。
残業時間はそれなりに多かったが、仕事が楽しかったので特に苦ではなかった。海外電力の部隊はいつも残業しているイメージがあり、噂では、本社の残業規制が厳しくなったので、敢えて海外出張に長期で行かせることで、残業規制の対象外となろうとしているとのこと(2016.10.13)
このほか、「ゴルフなど仕事上の人間関係構築のため、休日が犠牲になることもある」と書き残す人も。「給与が高いので我慢できる程度」ということですが、時給で見ると意外と安くなってしまうのかもしれません。
「ボーナス比が高い」報酬をどう考えるか
旧3大財閥の流れを引く会社には、グループ共通の充実した福利厚生制度や施設があります。しかし30代の男性社員は、自社の福利厚生について「率直にいってあまり整っているとは言えない」といいます。
グロスの報酬水準(総額)は非常に高いレベルだが、福利厚生も含めたネット(正味)で考えると、見た目ほど良くはないのではないかと思う。特に海外駐在時の各種手当等は、他商社と比べると見劣りしている印象を受ける(2017.2.17)
別の30代男性社員は、福利厚生が充実していない理由について「2000年代初頭の不景気の際に一挙にカットしたため」と指摘しています。
報酬水準は他社(総合商社を除く)よりもかなり良いが、退職金は非常に少ないため、現役の間に貯蓄しておくのが望ましい。またボーナス比が非常に高いため、ボラティリティが高い(報酬の変動性が大きい)ところも難点か(2017.6.18)
国内需要が減る中で、国内市場だけを相手にする会社よりも、海外でビジネスを行う商社に将来性があるのは間違いありません。しかし、大きな損失が出ると報酬に影響する不安定な部分があるところも否定できず、就職・転職する人は覚悟が必要です。