富士ソフトの平均年収は600万円
富士ソフトの有価証券報告書によると、平均年収は600万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考に富士ソフトの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で340〜390万円、30歳代で520〜570万円、40歳代で680〜730万円となりました。正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)で、比較して約1.22倍の額です。
■富士ソフトの平均年収推移
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2021年12月期 | 600万円 | 35.8歳 | 9.9年 | 8508人 |
2020年12月期 | 590万円 | 35.7歳 | 9.7年 | 8163人 |
2019年12月期 | 590万円 | 35.6歳 | 9.6年 | 7840人 |
2018年12月期 | 595万円 | 36.2歳 | 9.9年 | 7134人 |
2017年12月期 | 586万円 | 36.8歳 | 10.4年 | 6401人 |
出典:富士ソフト・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
富士ソフトの平均年収は前年を上回り600万円でした。
過去5年間では最高額になりました。
富士ソフトの年代別平均年収と中央値
■富士ソフトの年収中央値は30代で544.3万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 361.3万円 | 23.6万円 | 67.1万円 | 325.17万円 |
30代 | 544.3万円 | 34.9万円 | 101.3万円 | 489.87万円 |
40代 | 699.1万円 | 44.4万円 | 130.2万円 | 629.19万円 |
50代 | 760.9万円 | 48.2万円 | 141.7万円 | 684.81万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
富士ソフトの給与体系・内訳
■賞与は評価結果に応じて大きく変動
富士ソフトの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回(6・12月)の賞与、そして創立記念日の5月に支給される達成祝金で構成されています。
月給は基本給と残業手当、他は通勤手当のみというシンプルな体系ですが、それぞれが持つスキル・資格に応じて「資格認定給」が上乗せ支給されることが大きな特徴です。これは、社員を「スペシャリスト」として育成しようという会社の姿勢の表れ。「モチベーションが上がる」との口コミも見られます。
賞与は半期ごとの評価に応じて支給額が基本給の2.0倍~7.0倍と大きく変動します。5段階評価中、中間点の「3」の場合は4ヶ月分で、大半の社員がここに該当します。年2回の賞与とは別に支給される達成祝金は、部署評価・個人評価・有給買取・勤続年数の4つの要素によって一人ひとりの支給額が決定されるものです。
富士ソフト社員の給与明細(キャリコネ)
職種が違っても同年齢なら年収はほぼ同じ
20代管理(非管理職)の 給与明細
20代技術(非管理職)の 給与明細
基本給には大きな開きがあるも残業手当で差が埋まる
30代技術(非管理職)の 給与明細
30代営業(非管理職)の 給与明細
富士ソフトの職種別年収
■職種による違いはなし
富士ソフトの職種は、「技術」「営業」「管理」の大きく3つに分類されています。
しかし、職種によって処遇が異なるわけではありません。新卒採用時の初任給は、以下の通り学歴別に設定されており、これは全職種共通の基準です。
<2020年4月入社の初任給(基準給与額)>
大学院(博士) 260,000円
大学院(修士) 244,000円
大学、高専専攻科 226,000円
専修4年 226,000円
専修3年 223,000円
高専本科 220,000円
専修2年・短大 220,000円
高校 214,000円
入社後は、レベル1~7で区別される独自の資格体系によって処遇が決定されます。年収の目安としては、レベル1の補助職で380万円~、レベル2~4の専門職・リーダー・主任クラスで400~800万円、レベル5の課長以上になると815万円を超える水準となります。
富士ソフト社員の給与明細(キャリコネ)
職種が違っても同年齢なら年収はほぼ同じ
20代管理(非管理職)の 給与明細
20代技術(非管理職)の 給与明細
基本給には大きな開きがあるも残業手当で差が埋まる
30代技術(非管理職)の 給与明細
30代営業(非管理職)の 給与明細
富士ソフトで年収を上げる方法
■厳密な成果主義
上述の通り、富士ソフトではレベル1~7の7段階で構成される資格体系によって処遇が決まるため、年収を上げるためにはレベルを上げていく、つまり昇格する必要があります。
入社時はレベル1の補助職、独り立ちできるレベル2の専門職、チームリーダーとなるレベル3、主任となるレベル4、レベル5は課長職、レベル6で部長職、最後のレベル7が本部長・事業部長クラスです。レベル3以降は3「プロジェクトマネジメント」「マネジメント」「スペシャリスト」の3つの育成コースに分かれ、多様なキャリアを選択することが可能な環境であることが分かります。
昇格のチャンスは年2回、上司と本人で実施する評価面談で決定します。5段階で評価され、3回連続で3.5以上の評価を得られれば、昇格のチャンスが得られますが、逆に1度でも低い評価をされてしまうと、昇格することはできません。さらに、3回連続2.5以下の評価となると、降格されることすらあり得ます。「完全に成果主義」と言われるのは、こうした制度設計によるものでしょう。
富士ソフト社員の口コミ(キャリコネ)
昇格には連続した高評価が必須
「昇格するには何年か連続で高評価をとらないといけません 昇格前に一度でも評価が下がってしまうと数年昇格できない……」
上司との相性も必須条件
「評価内容は相対評価で上長個人の裁量に委ねられる 定期考課で5点満点中2.5以下を3連続で食らうと簡単に降格……」
富士ソフトと競合他社の平均年収を比較
富士ソフトの競合や同業界である伊藤忠テクノソリューションズ、日鉄ソリューションズ、日本ユニシス、SCSK、TISの6社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、富士ソフトが600万円、伊藤忠テクノソリューションズが941万円、日鉄ソリューションズが844.6万円、日本ユニシスが810万円、SCSKが752.2万円、TISが741万円です。
この6社の中で最高額は伊藤忠テクノソリューションズの941万円で、最低額が富士ソフトの600万円。その差はおよそ341万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中では富士ソフトは6番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
伊藤忠テクノソリューションズ | 941万円 | 40.8歳 | 13.5年 | 4597人 | 4586.56億円 |
日鉄ソリューションズ | 844.6万円 | 40歳 | 13年 | 3350人 | 2355.19億円 |
日本ユニシス | 810万円 | 46.1歳 | 21年 | 4451人 | 1869.1億円 |
SCSK | 752.2万円 | 43.7歳 | 18.4年 | 8462人 | 3963.81億円 |
TIS | 741万円 | 40.2歳 | 14.3年 | 5469人 | 2229.86億円 |
富士ソフト | 600万円 | 35.8歳 | 9.9年 | 8508人 | 1756.8億円 |
富士ソフトの競合企業の年収についてはこちらの記事をご覧ください
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」
東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。