【平均年収808.8万円】AGCの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【平均年収808.8万円】AGCの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【年収研究シリーズ】AGC社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。


AGCの平均年収は808.8万円

2019年12月期の有価証券報告書によると、AGCの平均年収は808.8万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考にAGCの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で480〜580万円、30歳代で650〜750万円、40歳代で810〜910万円となりました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は503.5万円(国税庁・平成30年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.61倍の額です。

AGCの平均年収推移

2017年12月期を頂点に下降

AGC・5年間の平均年収・平均年齢・従業員数(単体)の推移

決算月平均年収平均年齢従業員数
2019年12月期808.8万円43.2歳6998人
2018年12月期817.5万円43.3歳6659人
2017年12月期858万円42.5歳6401人
2016年12月期809万円42.5歳6024人
2015年12月期793.4万円41.9歳5973人

出典:AGC・有価証券報告書

AGCの過去5年間の平均年収を見てみると、2017年12月期を頂点とした、山型カーブを描いています。つまり、2015年から2017年までは増加傾向、一転2018年以降は減少傾向です。

これは、営業利益の動きと連動しています。単体売上高自体は過去5年間は基本的には増加傾向(ただし2019年12月期は減収)ですが、営業利益は2016年12月期が最も金額が多くなっています。AGCの賞与は業績連動制であるため、その業績が翌年度の平均年収に影響を与え、冒頭のような動きにつながっているのです。

AGCの年代別平均年収と中央値

AGCの年収中央値は30代で623.6万円

ここまで平均年収を見てきましたが、AGCのより実態に近い年収は中央値を見ればわかります。AGCの世代別平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値は以下の通りです。

AGCの年収実態

年代平均年収平均月収平均ボーナス年収中央値
20代528.5万円33万円84.5万円475.65万円
30代692.9万円43.3万円138.5万円623.6万円
40代855.7万円53.4万円171.1万円770.13万円
50代994万円62.1万円198.8万円894.6万円
60代630.6万円39.4万円126.1万円567.54万円

※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出

世界シェアNO.2のガラス・土石製品メーカーであるAGCは、業種としては「製造業」に分類されます。この業種は、平均年収という観点においては、全業種平均よりもすべての年代において若干下回る業種です。例えば30代を例にとると、全業種平均は320.6万円ですが、製造業平均は288.2万円、といった具合です。

こうした製造業の中で、AGCの年収中央値はすべての年代において業種別平均を大きく上回ります。同じく30代を見てみると、AGCの年収中央値は623.6万円と、業種別平均の約2.2倍です。この「約2.2倍」はすべての年代においてあてはまるものであり、いかにAGCの年収中央値が高いかが伺えます。

AGCの年収が高い理由

充実した福利厚生が年収を押し上げる

AGCの年収の高さを支える理由として大きなものは、その充実した福利厚生制度が挙げられます。

まず、住宅補助は、家賃の半額が補助され(ただし上限7.5万円)、最大で年間150万円の補助が受けられます。また、年間12万円分のカフェテリアプラン補助や、最大12万円/年の自己啓発支援金もあります。さらに、独身寮も各地に整備されており、1~3万円で入居できるうえに、食事は1食300円という破格の値段です。これ以外にも、持株会では毎月30000円までの積立をすることができ、そのうち10%が会社からの奨励金として支給されます。

こうした福利厚生制度の存在が、実質的な年収を押し上げるとともに、可処分所得を増やすという、2つの側面でプラスの効果を発揮しているのです。

AGCの給与体系・内訳

賞与は業績連動制だが、4ヶ月分は確保

AGCの給与体系は、基本給と諸手当からなる月給と、年2回の賞与で構成されています。
またそれ以外に福利厚生として、財形住宅貯蓄持株制度、カフェテリアプラン、リフレッシュ手当などの制度が整備されています。

賞与については上述のとおり業績連動制ですが、「年間4ヶ月分は支給されている」「よほど業績が悪くならない限り賞与が減額されることはない」とのことで、ある程度の水準は保たれているようです。また、個人ごとの査定も賞与に影響はあるものの、その査定反映分は「プラス数万円~10万円」と、それほど大きなものではありません。さらに、「マイナス査定はめったにない」という口コミも見られることから、基本的には全員が一定水準以上の賞与を安定して支給されていることが分かります。

AGC社員の給与明細(キャリコネ)

20代から30代で年収はほぼ倍増

20代技術(非管理職)の 給与明細

20代技術(非管理職)の 給与明細

8年差で基本給は1.5倍!

30代(非管理職)の 給与明細

30代(非管理職)の 給与明細

AGCの職種別年収

職種による違いはなし

AGCの職種は、「技術系」と「事務系」の大きく2つに分類されます。「技術系」は研究開発や製造エンジニア、知的財産など、「事務系」は営業、資材・物流、管理部門などの職場で活躍します。

AGCの賃金制度は両職種に共通のものであり、社内のランクによって給与レベルが定められています(「ジョブグレード制」と呼ばれています)。このため、職種による年収の差はありません。初任給についても職種による違いはなく、以下の通り、学歴別に設定されています。

<初任給(2019年7月実績 基準内賃金)>
●学部卒: 220,000円
●修士了: 245,000円
●博士了: 295,000円

年代・社内ランク別の年収目安としては、20代では450~600万円、30代前半で700~850万円、40歳で1000万円を超え、課長クラスは1300万円、部長が1500万円、事業部長は1800万円、といったあたりです。

AGC社員の給与明細(キャリコネ)

入社後しばらくは横並びで昇給

20代営業(非管理職)の 給与明細

20代技術(非管理職)の 給与明細

30歳代でどの職種でも1000万円に迫る

30代技術(非管理職)の 給与明細

30代広告宣伝(非管理職)の 給与明細

AGCで年収を上げる方法

役職者になるまでは年功序列だが

前項のとおり、AGCの給与は社内ランクによって決定されるため、年収を上げるためには昇格することが必要となります。

AGCでは、「役職者クラスになるまではほぼ年功序列」という口コミが多く見られ、「毎年横並びで1ランク昇給。目立った功績があれば2ランク昇給する」ようです。さらに、「多くの社員が、40歳前後で1000万円プレーヤーになれる」とのことで、実力・成果が反映されづらい一面はあるものの、その給与レベルの高さについては「メーカートップクラス」であると、社員からは不満の声はほとんど見られません。

一転、役職者(管理職)になると、「評価・グレードによって大きく報酬が異なってくる」と成果主義に大きく舵を切ります。前年の実績に応じて昇給額・年俸額が決まる仕組みであり、その年俸額÷18が月給として支給され、その3ヶ月分が1回分の賞与に当たります。「役職者は4年に1度優遇退職勧告がある」とのことから、継続して成果を出す必要があり、役職者にはシビアな環境であることが分かります。

AGC社員の口コミ(キャリコネ)

毎年横並び、年功序列で昇給していく

「年収以外にも福利厚生が充実しており、給料の手取りは多い 大きな問題を起こさない限りは毎年昇給していく……

役職者は成果主義によりシビアに評価される

「30代半ばまでは基本的には年功序列 役職者は、評価・グレードによって大きく報酬が異なってくる……

AGCのライバル企業と比較

メーカーにおいてはトップクラス

AGCはガラスの世界シェアNO.2であり(1位は米コーニング社)、3位が日本電気硝子、続く日本企業での次点は日本板硝子です。この2社と平均年収を比較してみると、AGCの平均年収が808.8万円であるのに対し、日本電気硝子は764.1万円、日本板硝子が792.5万円です。これはほぼガラスのシェアに連動するものではありますが、日本電気硝子だけが、2019年12月期が赤字決算で終えたことが、シェアと平均年収の逆転現象が起こっている原因だと推測されます。

また、AGCは燃料電池の基幹部品である電解質膜の製造も行っており、この分野でのライバルは、旭化成です。旭化成の平均年収は787.2万円であり、AGCの方が約20万円上回っています。事業内容も異なることから一概には比較できませんが、「メーカートップクラス」であることは間違いないようです。

社名平均年収平均年齢平均勤続年数従業員数(単体)売上高
AGC808.8万円43.2歳18年6998人5167.1億円
日本電気硝子764.1万円45.1歳23.8年1679人1179.3億円
日本板硝子792.5万円45.3歳21.2年1944人4830.8億円
旭化成787.2万円42.3歳15.8年7864人6658.4億円

出典・参考
厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」「平成30年国民生活基礎調査」
経済産業省「平成30年企業活動基本調査速報-平成29年度実績-」
国税庁「平成30年度民間給与実態統計調査」
マイナビ「業種別 モデル年収平均ランキング」

この記事の執筆者

東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。


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