サイバーエージェント株は割安か割高か? 代表的な5つの指標で計算してみた

サイバーエージェント株は割安か割高か? 代表的な5つの指標で計算してみた

株式投資の銘柄をどう選ぶか。判断基準のひとつが「割安株(バリュー)」かどうかです。サイバーエージェント株が割高か割安かを見るには、5つの指標が代表的です。過去の値動きも大事ですが、サイバーエージェントの業績や資産状況、配当などと株価の水準を組み合わせてチェックすることで、売買のタイミングの判断材料となります。


1.株価収益率(PER)をチェック

株価の状態を測る代表的な指標がPER(Price to Earnings Ratio)、株価収益率です。

「企業が生み出した収益に対する株価の大きさ」を測るもので、PERが高いほど株価は割高もしくは高く評価されている、低いほど割安もしくは低評価ということになります。

株価収益率(PER)
「時価総額」÷「収益」(親会社に帰属する当期純利益)
「株価」÷「1株あたり純利益」(EPS=Earnings Per Share)

株価は時々刻々と変化しますので、PERも変化します。また、PERの水準は業種によって大きく異なるため、同業種または類似業種で比較します。

サイバーエージェントは「メディア」「広告」「ゲーム」の3本柱で事業を運営していますが、現時点の売上高は広告事業が最も大きいため、インターネット広告業界の6社を比べてみます。

銘柄 PER(予想) 1株データ更新日
アドウェイズ 96.46倍 9/1
サイバーエージェント 92.59倍 8/27
セプテーニホールディングス
36.44倍
9/4
GMOアドパートナーズ 21.44倍 9/4
デジタルホールディングス 19.28倍 8/31
ファンコミュニケーションズ 13.46倍 8/31

出典:SBI証券。2020年9月18日15時30現在

PERは一般的に15~20倍が適正値といわれますが、これは伝統的なメーカーなどを想定した水準です。サイバーエージェントのように新規事業に積極的な投資を行い、業績を大きく伸ばす可能性のある会社の場合は、この範囲を大きく超えるPERとなることもあります。

東証1部全銘柄の平均PER(連結決算ベース)は、今年度の前期基準で19.27倍でした。新型コロナ禍の影響でEPS(1株あたり純利益)が低くなり、直近のPERが高めになる傾向にあるようです。

サイバーエージェントの場合、ABEMA事業への巨額投資で当期純利益が小さくなっていることもあり、結果的にPERが大きくなっています。しかし今後、ABEMA事業が収益化して当期純利益が増えていけばPERは縮小し、割高感が減っていく可能性もあります。

ポイント

PERの数値は情報サービスによって異なる場合がありますが、それは「リアルタイムかどうか」、また「1株あたり純利益(EPS)をどのように算出しているか」の違いによるものです。算出の基となる純利益について、直近12ヶ月の実績に基づくものと、アナリストの12ヶ月予想によるものとがあるようです。

「PER」で割高、割安を判断する|SBI証券Icon outbound

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PERはあくまで、来年の予想1株利益での数字で計算されるものなので、その会社の成長性は全く数字に表れません。したがって、PERが高い銘柄は駄目な銘柄かというと、そうとも決め付けられません。

2.株価純資産倍率(PBR)をチェック

株価の状態を測るもうひとつの代表指標がPBR(Price to Book-value Ratio)、株価純資産倍率です。

この指標は「純資産に対する株価の大きさ」を測るもので、PBRが高いほど株価は割高もしくは高く評価されている、低いほど割安もしくは低評価ということになります。

株価純資産倍率(PBR)
「時価総額」÷「純資産」(≒自己資本)
「株価」÷「1株あたり純資産」(BPS=Book-value Per Share)

株価は時々刻々と変化しますので、PERも変化します。PBRの水準も業種によって大きく異なるため、同業種または類似業種で比較します。

東証1部全銘柄のPBR(連結決算ベース)は1.20倍、日経平均(225銘柄)では1.08倍でした。一般にPBR1倍未満の場合は、会社が解散した方が株主は儲かる計算になりますので、割安株とされます。

なお、新型コロナ禍による世界同時株安の影響で、東証1部上場企業のPBR(加重平均)は3月10日に一時1倍を下回りました。1倍割れは2012年12月以来、7年3ヶ月ぶりです。

銘柄 PBR(実績) 1株データ更新日
サイバーエージェント 9.32倍 8/27
セプテーニホールディングス 2.65倍 9/4
ファンコミュニケーションズ 1.81倍 8/31
GMOアドパートナーズ 1.61倍 9/4
アドウェイズ 1.57倍
9/1
デジタルホールディングス 1.17倍
8/31

出典:SBI証券。2020年9月18日15時30分現在

サイバーエージェントのPBRは、ネット広告会社の中では頭ひとつ抜けていますが、それは自己資本比率の低さと関係しているのかもしれません。

サイバーエージェントの総資産は、2016年9月期の1565億9700万円から、2019年9月期の2248億7600万円へと1.4倍に増加しています。

この理由は、ABEMAへの投資のための資金調達として社債発行などを行ったために、固定負債が増加したことによるもの。固定負債は18億4500万円から437億7400万円へと、23.7倍に急増しています。

その一方で、純資産は926億1400万円から1103億5200万円で1.2倍を下回り、株主資本に至っては747億9100万円から740億1500万円へと1%ほど減少しています。

PBRは時価総額を純資産で割ったものなので、事業の成長性や総資産の増加状況を踏まえて株価が上昇したものの、純資産の伸びが小さく、PBRが相対的に高くなっている可能性があります。

今後はABEMA事業の収益化によって利益が増え、自己資本および純資産の充実が図られた末に、PBRが落ち着いた水準に戻る可能性はありますが、株価や時価総額もさらに上がるかもしれません。

ポイント

PBRの数値も情報サービスによって異なる場合がありますが、「1株あたり純資産(BPS)がいつ時点のものか」の違いによるものです。

3.株価売上高倍率(PSR)をチェック

株価の状態を測る指標としてPSR(Price to Sales Ratio)、株価売上高倍率が使われることがあります。

この指標は「売上に対する株価の大きさ」を測るもので、PSRが高いほど株価は割高もしくは高く評価されている、低いほど割安もしくは低評価ということになります。

株価売上高倍率(PSR)
「時価総額」÷「売上高」

PSRは一般に、売上高の増加が株主価値につながりやすい新興市場・セクターの成長企業の株価水準を評価する際に使われることが多いです。

新興企業においてはPSRが100倍を超える銘柄もありますが、例えば「PSRが20倍を超えるような銘柄は株価が割高、0.5倍以下なら割安」という使い方をします。

この指標は単独ではなく、PERやPBRと組み合わせて使った方がよいでしょう。

銘柄 PSR
セプテーニホールディングス 2.62倍
サイバーエージェント 1.63倍
ファンコミュニケーションズ 1.09倍
アドウェイズ 0.51倍
デジタルホールディングス 0.36倍
GMOアドパートナーズ 0.25倍

出典:みんかぶ。2020年9月18日15時30分現在

スクリーニングを使って銘柄選びをしよう!|SBI証券Icon outbound

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一攫千金を狙った投資も悪いものではないですが、自分流の投資法を磨きコツコツと資産を増やしていく発想も重要です。

4.ROE(自己資本利益率)をチェック

株価の状態を直接判断するものではありませんが、ROE(Return On Equity)、自己資本利益率は、出資する魅力のある企業かどうかを評価する指標のひとつといえます。

自己資本とは株主の持ち分に当たる部分で、厳密には、貸借対照表の「純資産の部」>「自己資本」>「株主資本」という関係にはあるのですが、だいたい同じと考えてよいでしょう。

自己資本利益率
=当期純利益÷自己資本(期中平均)×100
※期中平均=(期首残高+期末残高)÷2

ROEは、会社に投資した資金がきちんと運用されて成果を上げているかを見るもので、ROEが一般の金利水準よりも低ければ、その企業に出資する魅力がないということになります。

サイバーエージェントはここ数年、ABEMA事業への積極投資で当期純利益を抑制してきましたが、20年9月期には目安の10%がクリアできると見込まれています。

銘柄 ROE(予想) 予想決算
ファンコミュニケーションズ 12.6% 20年12月期連結
サイバーエージェント 10.1% 20年9月期連結
GMOアドパートナーズ 7.9% 20年12月期連結
セプテーニホールディングス 7.4% 20年9月期連結
デジタルホールディングス 5.9% 20年12月期連結
アドウェイズ 1.6% 21年3月期連結

出典:SBI証券

5.配当利回りをチェック

配当利回りとは、株の購入価格に対する年間配当金の額の割合です。配当金が高く安定して継続的に出る会社の株を安く買うと、配当利回りは高くなります。

また、配当利回りの高い銘柄は、株式相場が下がる局面では、利回りねらいの買い注文が入るために株価が下がりにくいという特徴もあります。

配当利回り(%)
=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100

ソニーの配当利回りは1%を割り込んでおり、低い水準となっています。

ただし、配当による株主還元が少ないソニーは、その資金を研究開発や新規事業などに投入しており、将来の株価の状態を測ることはできません。

むしろ配当によって株主を引き止めている会社は、成長による株価上昇の見込みが低いという見方もできるかもしれません。

銘柄 配当利回り
ファンコミュニケーションズ 3.90%
GMOアドパートナーズ 1.42%
デジタルホールディングス 1.22%
セプテーニホールディングス 0.63%
サイバーエージェント 0.56%
アドウェイズ 0.53%

出典:みんかぶ。2020年9月18日15時30分現在

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サイバーエージェントの株主になると、例年、期末に1回の「配当」が受け取れます。

サイバーエージェントは2016年9月期には、期末配当50円を出していました。しかしその後は、ABEMAへの投資を優先し、配当金額を抑えています。このため、配当利回りも低い水準となっています。

2020年9月期の年間配当金(予想)は1株あたり33円。年間配当金はここ数年、32円→32円→33円→33円と横ばいです。

なおサイバーエージェントは、2017年9月期より「DOE 5%」を株主還元の方針として掲げています。積極的な事業投資によってROE(自己資本比率)が低くなった期でも、配当性向を高めて配当金を維持するということです。

サイバーエージェントのDOEは2017年9月期以降5%以上を維持していますが、これは東証平均の2.6%を大きく上回る水準です。

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サイバーエージェント株は割高か割安か?

サイバーエージェントの株価は、現在5800円前後を推移しています。この株価は割高なのでしょうか、それとも割安なのでしょうか?

インターネット広告業界で、サイバーエージェントはPBRで1位、PERとPSRで2番目の高さとなっており、株式市場から高く評価されているといえます。

配当利回りは低いものの、コロナ禍でもROEは10%を超えることが予想されており、巨額の投資で利益を圧迫してきたABEMA事業が収益の柱に成長すれば、各種指標はさらに改善されるものと見られます。

トータルでいえば、現状でも期待とともに株価は高めに評価されているものの、事業の成長性が期待通りに実現すれば、決して割高とはいえない水準ではないでしょうか。

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今回解説した指標を踏まえつつ、将来の業績も予想しながら株を購入するタイミングを見極めていただければと思います。

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*この記事は株式投資の方法等の説明を目的として作成したもので、特定銘柄の売買の推奨を目的としたものではなく、将来の運用成果等を保証するものでもありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします。

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