1.お得をゲットできる「株主優待」とは?
株を安く買って高く売ると儲かるのは、多くの人が何となく知っていること。でも、株を持っているだけで定期的に「お得」をゲットできてしまう方法は、実は知らない人が多いのではないでしょうか?
その方法とは「株主優待(かぶぬし・ゆうたい)」というもの。自社のファンを増やして株式の購入や保有を促すために、「一定数以上の株式を保有し権利確定日の株主名簿に掲載されている株主」に会社がプレゼントを贈る制度のことです。
日本では上場企業の3分の1超が「株主優待」を実施していますが、海外で行われている例はごくわずか。贈答文化が根強い日本の株主だけが味わえるものなのです。
株主優待の内容は、会社によって異なります。自社製品の詰め合わせや商品券、割引クーポンや無料券を提供する会社もあります。
個人株主にとって株主優待がお得になることが多いのは、優待の内容が所有株数に比例しない場合が多いから。たとえば「100株以上でプレゼント!」なら、100万株の大口投資家も100株の小口個人株主も、同じ内容のプレゼントが受け取れるのです。
ただし大手流通のイオンのように、買い物金額に対するキャッシュバックの割合が、所有株数によって3%から7%まで変動するケースもあります。
ポイント
株主優待は1単元株以上の保有が必要な銘柄が多い中で、単元未満株でも株主優待が受けられる銘柄もあります。これを俗に「端株(はかぶ)優待」などといいます。1株から株主優待をもらえる銘柄で、ごく一部の企業が実施しています。
また、株主優待を実施していない銘柄でも、送付される株主通信にチケットがついているなどの「隠れ優待」が提供されている場合もあるようです。
2.ソニーの株主優待の内容は?
ソニーの株主になると、「ソニーストアオンライン」などで利用できる電子クーポンが発行され、テレビやカメラ、オーディオなどのAV商品が15%オフ、VAIO製のパソコン本体が5%オフで購入できます。
高額商品を買うときには、お得金額が大きくなります。例えば、ソニー製の4K有機ELテレビA9S(48V型)をソニーストアで購入すると、3万4500円のお得に。通常は23万円(税別)ですが、株主優待の電子クーポンを利用して購入すると19万5500円(税別)となります。
各クーポンともに5回ずつ利用できるので、家中のAV製品をソニー製で揃えたいと考えている人には見逃せない特典です。ただし、XperiaのスマートフォンやPlayStation、ペットロボットのaiboなど、一部クーポンが利用できない商品やサービスがあるようです。
ソニーの場合、株主優待の対象となるのは、3月31日現在の株主名簿に記載された100株以上所有の株主。100株以上所有していれば権利は同じですので、最も効率よく株主優待を得るためには100株購入すればよいということになります。
ポイント
株主優待はその会社の株を所有していれば毎年得られるもので、1年に複数回の優待を提供する会社もあります。株主優待の特典を縮小したり廃止したりする会社もありますが、一般に自社製品・サービス優待は廃止されにくい傾向にあると言われます。
3.株主優待ねらいで株を買うときの留意点(1)~「権利確定日」に買っても遅い~
株主優待をねらった投資で最も重要なのは「一定数以上の株式を保有し権利確定日の株主名簿に掲載されていること」。しかし、ここには気をつけなければいけないワナがあります。
それは「権利確定日」にお目当ての会社の株を買っても遅いということです。
株主優待の権利を得るためには、「権利確定日」から2営業日前の「権利付最終売買日」までに株式を購入する必要があります。
例えば2020年3月31日が権利確定日の場合、その日に株を買っても間に合わず、3月27日には保有している必要があります。株式を購入してから株主名簿に掲載されるまでの間には、2営業日のタイムラグがあるからです。
ポイント
・権利付最終売買日:2020年3月27日(金)《権利確定日の2営業日前=この日までに株式を購入》
・休業日:3月28日(土)・29日(日)
・権利落ち日:3月30日(月)《権利付最終売買日の1営業日後》
・権利確定日:3月31日(火)
権利付最終売買日の翌営業日を「権利落ち日」といいます。例えば3月30日に株式の買付をしても、3月31日の権利確定日までに株主名簿に掲載されないので株主優待の権利を得ることはできません(次回以降の権利確定日まで株式を保有し続ければ権利を得られます)。
一方、権利付最終売買日に株式を保有していれば株主名簿に記載されるということは、権利落ち日に株式を売却しても株主優待の権利が得られるということになります。このため、権利落ち日に株式を売却する人が増え、株価が下落する銘柄もあります。
ポイント
権利確定日が近くなったら、企業サイトや証券会社の取引ツールで必ず確認しましょう。新型コロナ禍の影響で2020年3月期の株主総会を予定どおりの時期に開催できなかった会社では、権利確定日を変更するケースが相次ぎました。
4.株主優待ねらいで株を買うときの留意点(2)~「つなぎ売り」で株価下落リスクを軽減~
株主優待をねらった投資にはリスクがあります。それは「株価の下落」です。
株主優待は、一定数以上の株を「権利付最終売買日」に保有していれば得られるので、前述の通り3月27日に所有していれば、3月31日まで保有していなくても、3月30日には売ってよいということになります。
しかし、同じことを考える人が多いので、権利落ち日に株価が下がり、株式を売却すると株主優待で得たお得以上の損をしてしまう人もいるのです。
これを避ける方法が「つなぎ売り」です。「クロス取引」とも呼ばれますが、基本的な考え方は、同一の株主優待銘柄に対して、同一価格で「買い注文」と同時に「売り注文」を出すと、株価が下落した場合でも損益がゼロになるということです。
ポイント
具体的には、株主優待の権利付最終売買日の「寄り付き前」(前日の大引け後からその日の立会時間前まで)に、同じ金額の「現物買い」と「一般信用売り」の注文を「成行(なりゆき)」で出します。そして翌営業日(権利落ち日)以降に「現渡(げんわたし)」で返済すると、現物売却手数料と信用返済手数料がかからず、信用諸経費のみの最小コストでリスクを軽減できるのです。
例えば、ソニーの株主優待の権利を得るためには100株の購入が必要ですが、株価が8800円前後で推移しているとすると、およそ88万円が購入金額となる100株の「現物買い」と同時に、100株の「一般信用売り」を寄り付き前に成行で注文します。
そして最終日の15時までその株を継続保有すると、株主優待の権利がゲットできます。目的は果たしたので、権利落ち日以降に「現渡」で返済すると、現物売却手数料と信用返済手数料がかからず、信用諸経費のみの最小コストでリスクを軽減できるというわけです。
仮に権利落ち日にソニーの株価が400円下落したとすると、現物売りには4万円の損失が出ますが、信用買いには4万円の利益が出ます。これを「現渡」で返済すると損失が利益と相殺されます。なお、つなぎ売りの場合には配当金はもらえません。
なんとなく怪しげな取引にも思えますが、株価操縦などの不正目的ではなく、株主優待ねらいの場合は許容されています。証券会社でも「『つなぎ売り』をマスターして、株主優待を「お得に」活用しよう!」というコンテンツなどを出してサポートしていますので問題ありません。
『つなぎ売り』をマスターして、株主優待を「お得に」活用しよう!SBI証券
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_domestic&cat1=domestic&cat2=none&dir=info&file=domestic_info150522.html皆さん、株主優待は活用していますか? 昨今のブームもあり、株主優待を利用されている方も多いと思いますが、せっかく優待を貰ったのに、株価が下落してしまい、結果、損してしまったなんてことも。 株主優待を受取りつつ、価格変動リスクをしっかり軽減しましょう!今回は、株主優待の基本テクニックである『つなぎ売り』をご紹介!これをマスターすれば、あなたも明日から株主優待名人かも!?
5.ソニー株はどうやって買うの?
■(1) 証券口座の開設
証券口座は、証券会社に依頼して開設します。株を個人で始める場合には、前述の通り取引手数料を抑えることができるネット証券がおすすめです。
ただし、目先の手数料の低さだけで決めてしまうと、外国株が購入できないなど取引に制限が生じたり、取引ツールが使いにくく自力で売買できなくなってしまったりするので、安心できる大手のネット証券で口座を開設した方がいいでしょう。
ポイント
なお、2016年1月以降、証券口座の開設には、法令により提出書類のひとつにマイナンバーが必要となっていますのでご準備ください。
■(2) 購入資金
株の購入には資金が要ります。ソニーの株価が8800円のとき、通常の購入資金は最低でも88万円(+手数料)が必要になります。なぜ株価の100倍からかというと、ソニーは100株を「1単元」と設定しているからです。
1単元とは、通常の株式取引で売買される売買単位のこと。ソニー株は100株単位でないと買ったり売ったりすることができないのです。
しかし、これでは多額の購入資金を準備できる人でないと、ソニー株を購入できません。
そこで一部の証券会社から提供されているのが「単元未満株取引」というサービスです。これを利用すると、ソニー株を1株単位(株価が8800円のときは8800円)で購入できます。
通常、株の取引は単元単位(1単元=100株)でしか行えませんが、単元未満株(S株)取引は、1株(単元未満)からお取引が可能なサービスです。単元未満株(S株)なら1株から取引可能なため、少額から取引ができます。
単元未満株の場合、株主総会などの投票にかかる議決権がないなどの一部制限がありますが、配当を受け取ることはできます。
ポイント
単元未満株は、俗に「ミニ株」とも呼ばれますが、SBI証券では「S株」と呼んでいます。S株投資は、
・「少額から投資可能」
・「配当が受け取れる」
・「24時間いつでも注文が可能」
といったメリットが打ち出されており、NISA口座での取引も可能です。
余談となりますが、SBI証券では現金がなくてもTポイントを使って投資信託(構成銘柄や比率が決められた金融商品)の買付ができ、 国内株式や投資信託、金・プラチナ・銀などの商品の取引を通じてTポイントを貯めることもできます。
SBI証券が選ばれる5つの理由。SBI証券は主要ネット証券最低水準の国内株式手数料です。1注文の取引金額に応じて手数料が決まる「スタンダードプラン」、1日の取引合計額に応じて手数料が決まる「アクティブプラン」、 どちらも業界屈指の格安手数料です!
6.いまソニー株を買う理由
一定数以上の株を権利付最終売買日に保有していれば、株主優待の権利を得ることができます。株主優待だけを考えれば、いつ買ってもよく、株価の上下に一喜一憂することなく持ち続けていればいいという考えもあります。
しかし株のような金融商品は資産ですので、大きく値下がりするおそれのある銘柄の購入はリスクを伴う行為と考えるべきでしょう。
できることなら、将来的に株価があがる可能性のある会社の株を買うべきです。その意味でも、ソニー株は、いま購入に値するといえるかもしれません。
ソニー株を購入するタイミングについては、「いまソニー株を買う理由」という記事にまとめていますので、そちらもご覧ください。
ソニー株をいま買う理由 コロナ禍が「ゲーム事業」の追い風に、PS5にも期待
https://corp-research.jp/articles/6024/いまどんな会社の株を買えばいいのか。そう考える人にソニー株は有力な選択肢となります。新型コロナ禍で業績を悪化させ株価が落ち込む会社もある中で、ソニーはウィズ・コロナ時代にも成長性が期待される銘柄のひとつと言えるかもしれません。
なお、上場株式や投資信託等の配当金や売買益の場合、証券会社の特定口座や一般口座には年率20.315%の税がかかります。しかし、NISA口座なら非課税枠で節税が可能です。詳しくはSBI証券の「NISAの活用法」をご覧ください。
NISAは「利益が出た時に非課税になる」制度ですので、非課税メリットを最大限受けたい方には値上がり期待の大きい株式がお勧めです。国内株式なら、配当金+値上がり益が期待できます!さらに株主優待のある銘柄なら、優待も受けられます。
Tポイントで“実質0円”の投資体験ができる、ネット証券口座開設数No.1のSBI証券はこのバナーからお申し込みください。