投資信託とは何か?
例えば「ソニー株を売買する」といったように、株式投資といえば個別銘柄への投資をイメージする人が多いのではないでしょうか。
しかし投資の世界では「すべての卵をひとつのカゴに入れるな」という言葉があります。
すべての資産をソニー株につぎこんでしまうと、ソニーに何か思わぬことが生じたときに、すべての資産を失うリスクが生じてしまいます。
このリスクを低減するためには、貴重な保有資産を集中投資せず、さまざまな形で分散投資する必要があります。
しかし、一般の個人投資家が自分で分散投資をするのは、負担が重いのも事実。そこで選択肢となるのがファンド(基金)への投資、つまり「投資信託」というわけです。
ポイント
「投資信託」とは、こんな金融商品です。
・資金運用の専門家であるファンドマネージャーが、
・投資家から集めた資金を国内外の株式や債券などに分散投資し、
・運用成果を投資額に応じて投資家に分配してくれます。
なお投資信託には、ファンドが投資信託を運用する際に発生する「信託報酬」などのコストがかかるほか、「タイムリーな売買ができない」こと、預金のように利回りが確定しておらず「元本が保証されていない」ことに注意が必要です。
昨今、将来は年金も確実にもらえるかわからないと言われるなど、資産設計は個人で考える時代になってきています。しかし、預金金利が上がらない中、預貯金だけでは、現実的に老後に備えるのは難しくなってきています。
投資信託には2種類ある
投資信託は、資産の運用方法によって大きく2種類に分けられます。
■市場全体の動きに連動する「インデックスファンド」
「東証株価指数(TOPIX)」や「NYダウ」という言葉をニュースで聞いたことがある人は多いでしょう。これは「株式指数(インデックス)」と呼ばれるものです。
例えば東証株価指数とは、東証一部上場の内国普通株式全銘柄を対象に、1968年1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指標化したもので、東京証券取引所が1秒ごとに算出・公表しています。
このような指標と同じ値動きをするように運営するファンドのことを「インデックスファンド」といいます。
指標には、日本・米国・欧州・新興国など国内外の株式や債券、REIT(不動産投資信託)などの市場平均が使われます。
資産の種類 | インデックスファンドの例 |
---|---|
株式(国内) | 日経平均株価(日経225)、TOPIX(東証株価指数)、JPX日経インデックス400 |
株式(海外) | S&P500指数、MSCIコクサイ・インデックス |
債券(国内) | NOMURA-BPI総合指数 |
債券(海外) | シティ世界国債インデックス |
REIT(国内) | 東証REIT指数 |
REIT(海外) | S&P先進国REITインデックス |
インデックスファンドは、商品の中身がシンプルで、値動きが分かりやすい特徴があります。また、運用コストが低く、長期的なパフォーマンスも良好な傾向があります。
一方で、市場の全体相場の動きに直接影響されるので、短期的に見ると低リスクとはいえない場面もあります。後述のアクティブファンドの中には、そのようなリスクに備えているものもあるといえるでしょう。
■ファンド独自で資産配分する「アクティブファンド」
アクティブファンドは、一般に指標(インデックス)を上回るリターン(利益)を積極的に目指す運用スタイルのファンドと言われます。
しかしファンド独自の銘柄選択や資産配分により、結果的にパフォーマンスがインデックスファンドを下回る場合もあるので、正しく「非指標型ファンド」と捉えておいた方がよいでしょう。
アクティブファンドは、テーマ型投信や毎月分配型投信など種類が豊富なのが特徴です。一方で運用コストは高く、それを上回る運用実績を上げるよいファンドを見分ける難しさがあるので、投資初心者向けとはいえないかもしれません。
なお、投資信託の値段のことを「基準価額」といい、ファンドの純資産総額を口数で割って算出します。多くの場合は1万口(取引単位)あたりの金額で表示されます。
すでに投資信託を保有している投資家の利益を守るため、基準価額は、投資信託の取引申込みが締め切られた後に公表されます。これを「ブラインド方式」といいます。
今こそアクティブファンドの実力に注目!?米国株ファンドをピックアップ!|SBI証券
https://site1.sbisec.co.jp/ETGate/WPLETmgR001Control?OutSide=on&getFlg=on&burl=search_fund&cat1=fund&cat2=none&dir=info&file=comment/fund_comment_200511_01.html新型コロナウイルスの影響は、当初の予想を大きく超えて世界に広がり、株式市場にも大きな影響を与えています。それは、世界の株式市場の成長をけん引してきた米国株市場もその例外ではありません。
ソニー株と投資信託、この5年ではどっちが勝った?
これまでの説明で、ソニー株と投資信託のどちらがお得かという問いに対しては、分散投資のメリットや留意点などを踏まえて答える必要があることが分かったと思います。
とはいえ、同じ時期に同じ額のソニー株と投資信託を買ったとしたら、いまどうなっているのか? そんな試算をすることはできます。
比べるのは、米国の代表的な株式指標「S&P 500」と、日経平均株価。2016年9月7日を基準として、5年後の2020年9月9日までにどのような推移となったのか、以下にグラフ化しています。
結論としては、直近5年間でいうと、ソニー株は日経平均の5.9倍、S&P 500の2.2倍の運用益を生み出したことになります。
ポイント
この5年間の騰落率は、日経平均が+26.16%、S&P 500が+69.90%に対し、ソニー株は+153.75%でした。
仮に5年前に3つの金融商品に同じ100万円を投資したと単純計算すると(手数料等を含まず)、日経平均を指標としたインデックスファンドは約126万円、S&P 500が約170万円。ソニー株は約254万円となります。
ここから元本を差し引いた運用益は、日経平均が約26万円、S&P 500が約70万円に対し、ソニー株は約154万円でした。なお実際にはファンドの運用費や売買手数料などが別途掛かります。
同様に2020年8月11日を起点とした直近1ヶ月の騰落率は、日経平均株価が+1.82%、S&P500が-0.85%、ソニー株が-4.53%でした。
つまり、起点をどこに置くか、期間をどの程度見るかによって、騰落率は大きく変わってくるということです。
したがって「日本株よりも米国の指標の方が騰落率が高い」「インデックスファンドに投資すれば個別銘柄よりも利益を確保しやすい」などとは必ずしもいえません。
さまざまな金融商品の特徴を理解し、目的・目標に合わせて組み合わせたり使い分けたりすることが大切です。
初心者の方でもかんたん!投信積立ではじめる資産形成|SBI証券
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/home/pop_lp_pts_170403.html資産運用には多額のお金が必要というイメージがあるかもしれませんが、投資信託の多くは1万円前後で購入することができます。SBI証券の投資信託なら、さらに少額の100円からはじめることができます。
いまソニー株を買う理由
投資初心者には、リスクを軽減させるインデックスファンドへの投資が選択肢となりうる理由が理解できたと思います。
その一方で、完全なリスク回避はできないものの、十分な企業研究に基づいた個別銘柄への投資にも魅力があるのも事実です。
長年「ハードとソフトの融合」をビジョンに事業を幅広く展開してきたソニーは、現在では利益に占めるゲーム事業の比率が高まっており、ゲーム事業の展開が会社全体の株価に大きな影響を与えています。
ソニーのゲーム事業は2021年3月期も好調で、第1四半期はコロナ禍による他事業の減益をカバー。2020年にリリースされたソフトの売れ行きも史上最速レベルです。
2020年の年末商戦には、7年ぶりの新機種となる「PlayStation 5」が発売予定。コロナ下の巣ごもり消費で家庭用ゲーム機の人気が高まっており、PS5の売れ行きも期待できそう。8月に年初来高値をつけた株価は、さらに上がるかもしれません。
ソニー株を購入するタイミングについては、「いまソニー株を買う理由」という記事にまとめていますので、そちらもご覧ください。
ソニー株をいま買う理由 コロナ禍が「ゲーム事業」の追い風に、PS5にも期待
https://corp-research.jp/articles/6024/業績を悪化させ株価が落ち込む会社もある中で、ソニーはウィズ・コロナ時代の成長が期待される銘柄のひとつと言えるかもしれません。
なお、上場株式や投資信託等の配当金や売買益の場合、証券会社の特定口座や一般口座には年率20.315%の税がかかります。しかし、NISA口座なら非課税枠で節税が可能です。詳しくはSBI証券の「NISAの活用法」をご覧ください。
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