1.「株で大きく儲ける方法」とは?
株を一定数保有するだけでもらえるメリットには「株主優待」や「配当(インカムゲイン)」があります。
しかし、儲けをより大きくしようと思えば「売却益(キャピタルゲイン)」ねらいが有力な選択肢となります。
キャピタルゲインとは、要するに「株を安く買って高く売ることで、その差額を儲けること」です。
一例を挙げると、ネットコンテンツ配信の通信インフラ提供事業者であるJストリーム(証券コード4308)の株価は、この1年で510円から4190円へと8.2倍も高騰してます。
この株を1年前に、510円で100株(5万1000円分)購入し、4190円ですべて売却したとすると、売却益は36万8000円となります(取引手数料・税金別)。
キャピタルゲインを得るためにねらうべき株は「成長株(グロース株)」と「割安株(バリュー株)」といわれます。
将来的に値上がりする株をいち早く見つけて購入し、株価の上昇を見極めてから売却することで、その差額を収入とする。
これが「株で大きく儲ける方法」の原則です。
ポイント
成長株(グロース株)投資:
将来的に大きく成長しそうな技術やビジネスモデルを持つ会社への投資のこと。新興市場のベンチャー企業など成長分野で事業を行う小規模な会社が対象です。注目度が低く株価も安い時点で購入し、業績が伸びて株価が上昇した後に売却して大きなリターンを得ます。
割安株(バリュー株)投資:
収益や資産、配当の水準から見て株価が実力より割安状態の会社への投資のこと。伝統的な大手企業が対象です。何らかの要因で株価が下がっているが引き続き業績の安定が期待される場合に、お値打ち価格で購入。株価が上昇したときに売却して大きなリターンを得ます。
2.ソニー株で売却益を得る方法は?
それではソニー株を例に、売却益を得る道筋をシュミレーションしてみましょう。
ソニーの株価は8月14日に8910円まで上昇し、2001年6月以来およそ19年ぶりの高値をつけました。1年前は5800円前後だったので、およそ3100円の値上がりです。
ソニー株が5800円の時点で100株購入し、8910円の時点ですべて売却したとすると、89万1000円-58万円=31万1000円の売却益(取引手数料・税金別)となります。
19年ぶりの高値をつけたソニー株がこれ以上は上がらないとすれば、キャピタルゲインねらいの銘柄としては不向きです。
しかし、ソニーの株価が今後さらに上昇するとすれば、いま購入することで将来キャピタルゲインを得る可能性が出てきます。
ソニーの今後の業績を予想するためには、事業のセグメントごとに業績に影響を与える要素とその動きを確認することが必要です。
ソニーのセグメントは「ゲーム」「音楽」「映画」「エレクトロニクス」「イメージセンサー」「金融」に「その他」を含めて7つ。8月4日に発表した2021年3月期の第1四半期決算では、売上・営業利益ともに前年同期比並みを維持していました。
しかしその内訳を見ると、新型コロナ禍の影響で多くの事業が業績を悪化させている中で、ゲーム事業が売上利益を大きく伸ばしてグループ全体の利益の過半数をカバーしている、というものでした。
ゲーム事業の好調の要因は、2020年にリリースされた「The Last of Us PartⅡ」および「Ghost of Tsushima」の好調によるものです。また、ゲーム機のハードウェアの売上が落ちていますが、これは新機種PlayStation 5の販売を間近にした買い控えのためです。
ポイント
セグメントとは、部門や所在地、事業部などの区分のこと。会社の業績を全体集計だけで見るよりも、より細かいセグメントごとに見た方が事業の実態が理解しやすくなります。
セグメントごとの会計は、決算短信や有価証券報告書に記載されており、決算説明会資料にはさらに詳しく公表されている場合もあります。
セグメント会計は経営者の意思決定単位としてだけでなく、投資家や銀行などの外部ステークホルダーがより的確に意思決定を行うために必要なものです。
通期の連結業績予想は、売上および営業収入は前期を401億円上回る8兆3000億円を確保するものの、営業利益は前期比2255億円減(△27%)の6200億円に落ち込む見込みです。
株価はこれを受けて一時やや下がりましたが、8月14日には8876円まで回復。現在は8500円台となっていますが大きく落ち込んではいません。
これは、コロナ禍の落ち込みをゲームや映画、金融事業がカバーして売上を維持できることに対する好評価と、前期好調だったイメージセンサーがコロナ禍の収束で今後回復する期待があったものと見られます。
ソニー株をいま買う理由 コロナ禍が「ゲーム事業」の追い風に、PS5にも期待
https://corp-research.jp/articles/6024/いまどんな会社の株を買えばいいのか。そう考える人にソニー株は有力な選択肢となります。新型コロナ禍で業績を悪化させ株価が落ち込む会社もある中で、ソニーはウィズ・コロナ時代にも成長性が期待される銘柄のひとつと言えるかもしれません。
なお、ゲーム事業は前述の通り、7年ぶりの新機種「PlayStation 5」の2020年の年末商戦への投入を予定しており、売上貢献が大きくなると予想されます。ただし新機種投入に伴い販売・プロモーション費や管理費も増えるため、利益への貢献は来期以降と見た方がいいのかもしれません。
このように見ると、ソニー株は資産などからして割安株とはいえないものの、コロナ禍の影響から回復する事業に加え、ゲーム事業の成長により、ソニーの業績は大きく伸長し、株価も上昇する「成長株」になりうる――そのような可能性も考えられます。
仮にソニーの株価が8500円の時点で100株購入し、1万円ですべて売却した場合、15万円の売却益を得ることができます。果たしてソニー株は1万円をねらえるでしょうか?
3.ソニーの株はどうやって買うの?
■(1) 証券口座の開設
ソニー株の購入は、ソニーに直接申し込むのではなく、証券会社を通じて行います。証券口座は、証券会社に依頼して開設します。株を個人で始める場合には、取引手数料を抑えられるネット証券がおすすめです。
ただし、目先の手数料の低さだけで決めてしまうと、外国株が購入できないなど取引に制限が生じたり、取引ツールが使いにくく自力で売買できなくなってしまったりするので、安心できる大手のネット証券で口座を開設した方がいいでしょう。
ポイント
なお、2016年1月以降、証券口座の開設には、法令により提出書類のひとつにマイナンバーが必要となっていますのでご準備ください。
SBI証券が選ばれる5つの理由。SBI証券は主要ネット証券最低水準の国内株式手数料です。1注文の取引金額に応じて手数料が決まる「スタンダードプラン」、1日の取引合計額に応じて手数料が決まる「アクティブプラン」、 どちらも業界屈指の格安手数料です!
■(2) 購入資金
株の購入には資金が要ります。ソニーの株価が8800円のとき、通常の購入資金は最低でも88万円(+手数料)が必要になります。なぜ株価の100倍からかというと、ソニーは100株を「1単元」と設定しているからです。
1単元とは、通常の株式取引で売買される売買単位のこと。ソニー株は100株単位でないと買ったり売ったりすることができないのです。
しかし、これでは多額の購入資金を準備できる人でないと、ソニー株を購入できません。
そこで一部の証券会社から提供されているのが「単元未満株取引」というサービスです。これを利用すると、ソニー株を1株単位(株価が8800円のときは8800円)で購入できます。
通常、株の取引は単元単位(1単元=100株)でしか行えませんが、単元未満株(S株)取引は、1株(単元未満)からお取引が可能なサービスです。単元未満株(S株)なら1株から取引可能なため、少額から取引ができます。
単元未満株の場合、株主総会などの投票にかかる議決権がないなどの一部制限がありますが、配当を受け取ることはできます。
ポイント
単元未満株は、俗に「ミニ株」とも呼ばれますが、SBI証券では「S株」と呼んでいます。S株投資は、
・「少額から投資可能」
・「配当が受け取れる」
・「24時間いつでも注文が可能」
といったメリットが打ち出されており、NISA口座での取引も可能です。
なお余談ですが、SBI証券では現金がなくてもTポイントを使って投資信託(構成銘柄や比率が決められた金融商品)の買付をすることができ、国内株式や投資信託、金・プラチナ・銀などの商品の取引を通じてTポイントを貯めることもできます。
NISAは「利益が出た時に非課税になる」制度ですので、非課税メリットを最大限受けたい方には値上がり期待の大きい株式がお勧めです。国内株式なら、配当金+値上がり益が期待できます!さらに株主優待のある銘柄なら、優待も受けられます。
4.いまソニー株を買う理由
一定数以上の株を権利確定日に保有していれば、株主優待や配当の権利を得ることができます。それだけを考えれば、いつ買ってもよく、株価の上下に一喜一憂することなく持ち続けていればいいという考えもあるでしょう。
しかし株のような金融商品は資産になりますので、大きく値下がりするおそれのある株を購入することはリスクを負う行為と考えるべきでしょう。
資産の有効活用を考えれば、できることなら、将来的に株価があがる可能性のある会社の株を買うべきです。その意味でも、ソニー株は、いま購入に値するといえるかもしれません。
ソニー株を購入するタイミングについては、「いまソニー株を買う理由」という記事にまとめていますので、そちらもご覧ください。
ソニー株をいま買う理由 コロナ禍が「ゲーム事業」の追い風に、PS5にも期待
https://corp-research.jp/articles/6024/いまどんな会社の株を買えばいいのか。そう考える人にソニー株は有力な選択肢となります。新型コロナ禍で業績を悪化させ株価が落ち込む会社もある中で、ソニーはウィズ・コロナ時代にも成長性が期待される銘柄のひとつと言えるかもしれません。
なお、上場株式や投資信託等の配当金や売買益の場合、証券会社の特定口座や一般口座には年率20.315%の税がかかります。しかし、NISA口座なら非課税枠で節税が可能です。詳しくはSBI証券の「NISAの活用法」をご覧ください。
あなたの投資スタイルによって、NISAを活用する投資商品は、変わってきます。 どのように運用したいかを決めて、商品選びをしていきましょう!
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