1.株でおこづかいをもらえる「配当」とは?
株を安く買って高く売ると儲かるのは、多くの人が何となく知っていること。
でも、株を持っているだけで定期的に「おこづかい」をゲットできてしまう方法は、実は知らない人が多いのではないでしょうか?
その方法とは「配当」というもの。会社が経営活動の結果として生み出した利益は、税金などを支払った後、株主に分配されます。これを配当(または「インカムゲイン」)といい、株主総会や取締役会で「1株あたり配当金」の額を決めます。
例えば、配当が手厚いことで知られる日本たばこ(JT)の場合、2020年度の配当金は年間で154円と予想されています。
一方、JTの株価は2004円(2020年8月26日現在)。株を2004円で購入すると、154円の配当がもらえるということは、年利7.6%の投資をしていることになります。
JT株を100株購入すると、2500円相当の贈答品がもらえる株主優待のほか、年間1万5400円の配当金を受け取ることができます。
1000株の場合は、株主優待7000円分と配当金15万4000円がゲット。配当には所得税や住民税等がかかるものの(ただしNISA口座なら非課税枠で節税が可能です)、毎月5000円のディナーがペアで食べられる収入が働かなくても得られるわけですから、それなりのおこづかいといっていいでしょう。
ポイント
なお、株を買うと必ず配当金がもらえるわけではありません。赤字で利益が出なかったり利益を再投資に回すことを優先したりして、配当を行わない会社もあるからです。会社のIRサイトや証券会社の取引ツールで、過去の実績や予想を調べておきましょう。
2.ソニーの配当金の実績と予想は?
ソニーの株主になると、例年、中間配当と期末配当の2回の「配当」が受け取れます。
2020年3月期の年間配当金は1株あたり計45円。年間配当金はここ数年で20.00円→27.50円→35.00円→45.00円と増加傾向にあります。
2021年3月期の中間配当予想は、前期実績の20円から25円にアップ。新型コロナの影響で業績悪化も懸念されますが、業績が向上すれば年間配当額が2020年3月期を超えるかもしれません。
なお、ソニーの配当金の支払株主確定日は、毎年3月31日または9月30日。その日現在の株主名簿に登録された株主に、配当金が支払われます。
中間配当金 | 期末配当金 | 年間配当金 | |
---|---|---|---|
2017年3月期 | 10.00円 | 10.00円 | 20.00円 |
2018年3月期 | 12.50円 | 15.00円 | 27.50円 |
2019年3月期 | 15.00円 | 20.00円 | 35.00円 |
2020年3月期 | 20.00円 | 25.00円 | 45.00円 |
2021年3月期 | 25.00円(予想) | - | - |
*配当金の推移(出典:ソニー企業サイトIR情報)
年間配当金45円のとき、ソニー株を100株所有していると年間4500円の配当を受け取ることができます。1000株所有すれば4万5000円の配当金が得られます。
ソニーの株価は8555円(2020年8月26日現在)なので、年利は0.53%。JTの年利7.6%と比べるとかなり低いですが、銀行の預金金利よりは高いといえるでしょう。
配当は、株式を所有している限り毎年受け取ることができます。ただし配当金額は、業績によって毎年変わる可能性があり、業績好調で配当金額がアップすることもあれば、業績悪化で減額されたり無配(配当なし)となったりすることもあります。
ソニー株をいま買う理由 コロナ禍が「ゲーム事業」の追い風に、PS5にも期待
https://corp-research.jp/articles/6024/新型コロナ禍で業績を悪化させ株価が落ち込む会社もある中で、ソニーはウィズ・コロナ時代にも成長性が期待される銘柄のひとつと言えるかもしれません。
3.配当ねらいで株を買うときの留意点~「権利確定日」に買っても遅い~
配当をねらった投資で最も重要なのは「一定数以上の株式を保有し権利確定日の株主名簿に掲載されていること」。しかし、ここには気をつけなければいけないワナがあります。
それは「権利確定日」にお目当ての会社の株を買っても遅いということです。
配当の権利を得るためには、「権利確定日」から2営業日前の「権利付最終売買日」までに株式を購入する必要があります。
例えば2020年3月31日が権利確定日の場合、その日に株を買っても間に合わず、3月27日には保有している必要があります。株式を購入してから株主名簿に掲載されるまでの間には、2営業日のタイムラグがあるからです。
ポイント
・権利付最終売買日:2020年3月27日(金)《権利確定日の2営業日前=この日までに株式を購入》
・休業日:3月28日(土)・29日(日)
・権利落ち日:3月30日(月)《権利付最終売買日の1営業日後》
・権利確定日:3月31日(火)
権利付最終売買日の翌営業日を「権利落ち日」といいます。例えば3月30日に株式の買付をしても、3月31日の権利確定日までに株主名簿に掲載されないので配当の権利を得ることはできません(次回以降の権利確定日まで株式を保有し続ければ権利を得られます)。
一方、権利付最終売買日に株式を保有していれば株主名簿に記載されるということは、権利落ち日に株式を売却しても配当の権利が得られるということになります。このため、権利落ち日に株式を売却する人が増え、株価が下落する銘柄もあります。
ポイント
権利確定日が近くなったら、企業サイトや証券会社の取引ツールで必ず確認しましょう。新型コロナ禍の影響で2020年3月期の株主総会を予定どおりの時期に開催できなかった会社では、権利確定日を変更するケースが相次ぎました。
4.ソニーの株はどうやって買うの?
■(1) 証券口座の開設
証券口座は、証券会社に依頼して開設します。株を個人で始める場合には、前述の通り取引手数料を抑えることができるネット証券がおすすめです。
ただし、目先の手数料の低さだけで決めてしまうと、外国株が購入できないなど取引に制限が生じたり、取引ツールが使いにくく自力で売買できなくなってしまったりするので、安心できる大手のネット証券で口座を開設した方がいいでしょう。
ポイント
なお、2016年1月以降、証券口座の開設には、法令により提出書類のひとつにマイナンバーが必要となっていますのでご準備ください。
SBI証券が選ばれる5つの理由。SBI証券は主要ネット証券最低水準の国内株式手数料です。1注文の取引金額に応じて手数料が決まる「スタンダードプラン」、1日の取引合計額に応じて手数料が決まる「アクティブプラン」、 どちらも業界屈指の格安手数料です!
■(2) 購入資金
株の購入には資金が要ります。ソニーの株価が8800円のとき、通常の購入資金は最低でも88万円(+手数料)が必要になります。なぜ株価の100倍からかというと、ソニーは100株を「1単元」と設定しているからです。
1単元とは、通常の株式取引で売買される売買単位のこと。ソニー株は100株単位でないと買ったり売ったりすることができないのです。
しかしこれでは、多額の購入資金を準備できる人でないと、ソニー株を購入できません。
そこで一部の証券会社から提供されているのが「単元未満株取引」というサービスです。これを利用すると、ソニー株を1株単位(株価が8800円のときは8800円)で購入できます。
通常、株の取引は単元単位(1単元=100株)でしか行えませんが、単元未満株(S株)取引は、1株(単元未満)からお取引が可能なサービスです。単元未満株(S株)なら1株から取引可能なため、少額から取引ができます。
単元未満株の場合、株主総会などの投票にかかる議決権がないなどの一部制限がありますが、配当を受け取ることはできます。
ポイント
単元未満株は、俗に「ミニ株」とも呼ばれますが、SBI証券では「S株」と呼んでいます。S株投資は、
・「少額から投資可能」
・「配当が受け取れる」
・「24時間いつでも注文が可能」
といったメリットが打ち出されており、NISA口座での取引も可能です。
なお、上場株式や投資信託等の配当金や売買益の場合、証券会社の特定口座や一般口座には年率20.315%の税がかかります。しかし、NISA口座なら非課税枠で節税が可能です。詳しくはSBI証券の「NISAの活用法」をご覧ください。
また、SBI証券では現金がなくてもTポイントを使って投資信託(構成銘柄や比率が決められた金融商品)の買付をすることができ、国内株式や投資信託、金・プラチナ・銀などの商品の取引を通じてTポイントを貯めることもできます。
NISAは「利益が出た時に非課税になる」制度ですので、非課税メリットを最大限受けたい方には値上がり期待の大きい株式がお勧めです。国内株式なら、配当金+値上がり益が期待できます!さらに株主優待のある銘柄なら、優待も受けられます。
5.配当金はどうやって受け取るの?
投資をする前に、配当が発生したときの具体的な受け取り方が分からないと不安。そんな人もいるかもしれません。
受け取り方には3つの方法があり、自由に選ぶことができます。複数の証券会社で投資を行っている場合でも、受け取り方をひとつにまとめることが可能です。
■1.従来方式
従来方式には、発行会社ごとに郵送された配当金領収証を郵便局に持ち込んで換金する「配当金受領証方式」や「個別銘柄指定方式」があります。
しかしネット証券での投資を行う若い世代には、従来方式は煩わしいと感じられると思うので、これ以外の2つの方式を検討することをおすすめします。
■2.登録配当金受領口座方式
すべての配当金をひとつの金融機関の口座で受領する方法です。
顧客の口座情報の一部は、証券保管振替機構(ほふり)を介して各証券会社で共有されます。複数の証券会社に口座がある場合でも、ほふりの残高に応じたすべての株式の配当金をひとつの口座で受け取ることができます。
■3.株式数比例配分方式
ほふりを介して各証券会社で共有されている情報を利用して、複数の証券会社で保有している株式の配当を、ひとつの証券会社の口座(証券口座)で受け取る方式です。
ポイント
なお、NISA口座で買い付けた株式の配当金を非課税にするには株式数比例分配方式を選択する必要があります。
お客様の口座情報等の一部は、証券保管振替機構(ほふり)を介して各証券会社で共有されます。複数の証券会社に口座をお持ちの場合、SBI証券で受領方式をお手続きされますと、他の証券会社にお預けの株式等の受領方式も変更になります。
6.いまソニー株を買う理由
配当の権利は、一定数以上の株を権利付最終売買日に保有していれば得ることができます。配当だけを考えれば、いつ買ってもよく、株価の上下に一喜一憂することなく持ち続けていればいいという考えもあるでしょう。
しかし株のような金融商品は資産になりますので、大きく値下がりするおそれのある株を購入することはリスクを負う行為だと考えるべきでしょう。業績が下がれば、1株あたりの配当金が減り、無配となる場合もあります。
できることなら、将来的に業績が伸び、株価があがる可能性のある会社の株を買うべきです。その意味でも、ソニー株は、いま購入に値するといえるかもしれません。
ソニー株を購入するタイミングについては、「いまソニー株を買う理由」という記事にまとめていますので、そちらもご覧ください。
ソニー株をいま買う理由 コロナ禍が「ゲーム事業」の追い風に、PS5にも期待
https://corp-research.jp/articles/6024/いまどんな会社の株を買えばいいのか。そう考える人にソニー株は有力な選択肢となります。新型コロナ禍で業績を悪化させ株価が落ち込む会社もある中で、ソニーはウィズ・コロナ時代にも成長性が期待される銘柄のひとつと言えるかもしれません。
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