0 編集部が注目した重点ポイント
① 中間純利益が2,000億円の大台に到達
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が5,453億円(前年同期比5.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,999億5,900万円(同5.4%増)と成長を継続。製造業の設備投資が底堅く推移する中、企画開発と営業の両面での強化が実を結び、過去最高の利益水準を更新しています。
② 海外売上比率が65.8%まで上昇し成長を牽引
グローバル展開が加速しており、海外売上比率は65.8%(前年同期は65.4%)に上昇しました。特にアジア地域が現地通貨ベースで前年同期比15.3%増、北中南米が同13.9%増と力強く成長しており、海外市場でのキャリア機会が一段と拡大していることが示唆されます。
③ 年間配当を550円へ大幅増配する計画を発表
好調な業績を背景に、株主還元を大幅に強化します。2026年3月期の1株当たり年間配当金は、前期の350円から200円増配の550円となる予想。収益力の向上を社員や株主へ還元する姿勢が鮮明になっており、企業の安定性と成長性を示す重要な指標と言えます。
1 連結業績ハイライト
出典:決算説明会資料 P.2
売上高
5,453億円
+5.8%
営業利益
2,722億円
+3.1%
中間純利益
2,000億円
+5.4%
中間連結会計期間における営業利益率は49.9%(2,721億7,900万円 / 5,453億円)と、依然として極めて高い収益性を保持しています。為替の影響により売上高で約134億円、営業利益で約98億円のマイナス要因があったものの、それを跳ね返す事業の強さを見せました。また、自己資本比率は95.0%に達しており、盤石な財務基盤を背景に攻めの投資を継続できる体制が整っています。
今回の決算短信では通期業績予想の具体的な数値公表はありませんが、中間期までの実績は増収増益で推移しており、製造業の設備投資意欲を確実に取り込んでいることから、下期に向けても堅調な推移が期待されます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:決算説明会資料 P.7
国内市場
事業内容:日本国内の製造業全般に対する、センサ、測定器、画像処理機器等の企画・販売活動。
業績推移:売上高は前年同期比4.4%増。上期の構成比は34.2%で、国内経済の堅調な動きを反映しています。
注目ポイント:業種別では、食品・薬品(+10%)や金属・工作機械(+5%)が伸びを見せています。一方で自動車・輸送はマイナス5%と一部で慎重な動きも見られますが、全体としては底堅く推移。国内の製造現場における自動化・省人化ニーズは依然として高く、コンサルティングセールスの専門性が強く求められています。
北中南米地域
事業内容:米国を中心に、カナダ、メキシコ、ブラジルなど南北アメリカ大陸での事業展開。
業績推移:売上高は前年同期比6.7%増、現地通貨ベースでは13.9%増と二桁成長を記録しています。
注目ポイント:設備投資が非常に底堅く推移しており、海外売上に占める構成比は36.1%と主要な成長エンジンとなっています。現地での営業基盤強化がダイレクトに数値に現れており、グローバルな環境でビジネスを拡大させるダイナミズムを経験できるフィールドです。
アジア地域
事業内容:中国、韓国、台湾、ASEAN諸国を含むアジア全域でのソリューション提供。
業績推移:売上高は前年同期比10.8%増、現地通貨ベースで15.3%増と、全地域で最大の伸びを達成。
注目ポイント:海外売上の42.4%を占める最大市場です。持ち直しの動きが継続しており、特に現地通貨ベースでの成長率が高いことから、市場シェアの拡大が着実に進んでいることがわかります。アジア特有のスピード感ある現場で、即戦力として企画や営業の腕を振るう機会が豊富です。
欧州・その他地域
事業内容:欧州各国およびその他の地域における製品販売と顧客サポート。
業績推移:売上高は前年同期比1.4%減。欧州市場での慎重な動きが継続しています。
注目ポイント:他地域に比べると慎重な状況にありますが、2Q単体の現地通貨ベースでは0.2%増とわずかながらプラスに転じています。市場環境が厳しい時こそ、キーエンスの強みである高付加価値提案が求められる局面であり、戦略的な営業展開の重要性が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:決算説明会資料 P.8
今後の世界経済は、米国に端を発した通商問題を背景とする先行きの不透明感から、引き続き慎重な動きが見込まれます。しかし、製造業における設備投資そのものは継続しており、自動化への需要は衰えていません。当社グループは、こうした環境下でも中長期的な成長を維持するため、企画開発面の充実と営業面の強化をさらに図っていく方針です。
注目すべきは、研究開発費が前年同期比で増加傾向(2Qで88億円)にあり、常に新製品を市場に投入し続ける開発体制を維持している点です。また、配当予想を大幅に引き上げたことは、将来の収益力に対する経営陣の強い自信の表れとも受け取れます。不透明な時代だからこそ、圧倒的な商品力と提案力を持つ人材の確保・育成が、同社の競争力の源泉となっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
キーエンスの最大の魅力は、営業利益率50%前後という圧倒的な高収益体質と、それを支える企画開発・コンサルティングセールスの仕組みにあります。今回の決算でも、海外売上比率が65.8%に達しており、もはや国内だけでなく「グローバルで勝てる日本企業」としての地位を確立しています。「世界中の製造現場に革新をもたらしたい」「日本発の仕組みを世界へ広めたい」という想いは、同社の成長戦略と合致しており、強い志望動機になるでしょう。
面接での逆質問例
・「北中南米やアジア地域での現地通貨ベースでの二桁成長が続いていますが、さらなるシェア拡大に向けた営業戦略の肝は何でしょうか?」
・「食品・薬品や金属・工作機械分野が好調ですが、これらの成長業種に対して、今後どのような新製品やソリューションを展開していく計画ですか?」
・「グローバル展開が加速する中で、現地のニーズを製品企画へフィードバックするプロセスにおいて、中途採用者に期待される役割は何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
成長意欲のある方には非常に魅力的な職場
業務の効率化が徹底されており、どのプロセスも明確な手順が整備されています。 再現性を重視する文化が根付いており、業務の標準化が進んでいるため、新しいプロジェクトにもスムーズに対応できます。 さらに、同僚には優秀な人材が多く、日々の業務を通じて多くの刺激を受けることができます。 休日にはアクティブに過ごす社員も多く、仕事とプライベートの両方で充実した時間を過ごせる環境が整っています。 全体として、成長意欲のある方には非常に魅力的な職場だと感じます。
30代後半・コンサルティング営業・男性 [キャリコネの口コミを読む]柔軟性を求める方には少し窮屈
効率的に働くことが得意な方には向いている環境かもしれませんが、柔軟性を求める方には少し窮屈に感じるかもしれません。
40代後半・コンサルティング営業・男性 [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 第2四半期 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。