KDDIの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

KDDIの転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

KDDIの2026年3月期2Q決算は、売上高2.96兆円、営業利益5,772億円の増収増益となりました。モバイル事業の構造変革によるLTV向上や、AI時代の次世代インフラ構築、ローソンとの提携強化など、通信を核とした「経済好循環」の進展を整理し、転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのかをまとめます。


0 編集部が注目した重点ポイント

モバイルの構造変革により利益成長を加速させる

通信契約の「長期利用」を軸とした構造改革が成果を出し始めています。より利益率の高いメインブランド「au」への移行促進や、金融・エンタメを組み合わせた「auマネ活プラン」の拡大により、モバイルARPU(1契約あたりの平均売上)が前年比140円増の4,460円まで伸長しました。解約率も改善傾向にあり、筋肉質な事業基盤への転換が進んでいます。

AI時代の次世代インフラへ総額600億円を投資する

AI活用で急速に高まるデータ需要を捉え、グローバル規模でのインフラ拡充を推進中です。主要拠点のロンドンでは、総工費約600億円を投じて6棟目のデータセンターを建設することを決定しました。国内でも「大阪堺データセンター」を2026年1月に稼働開始予定であり、NVIDIAの最新GPUを採用した大規模なAI基盤の早期構築に挑んでいます。

ローソンとの提携によりPontaパス会員を大幅に増やす

2024年10月の「Pontaパス」リニューアル以降、ローソンとの連携特典が奏功し、第2四半期だけで約29万人の純増を記録しました。高輪ゲートウェイ駅周辺での「未来のコンビニ」実証実験など、テクノロジーを活用した店舗体験の創出にも着手しており、通信以外のリアルの接点を活用した新たな経済圏の拡大を加速させています。

1 連結業績ハイライト

通信・グロース領域がともに成長し、増収増益を達成。通期目標の達成に向けて、期初想定通りの堅調なペースで進捗しています。
連結業績ハイライト

出典:2026年3月期 2Q決算説明資料 P.5

売上高

2兆9,632億円

+3.8%

営業利益

5,772億円

+0.7%

中間利益

3,777億円

+7.6%

2026年3月期第2四半期(累計)は、売上高・各利益ともに前年を上回る好成績となりました。特にモバイルARPUの反転上昇や、金融、DX(デジタルトランスフォーメーション)といった注力領域の成長が全体を牽引しています。営業利益は、過年度の販促費マイナス影響を各事業の成長で吸収し、増益を確保しました。親会社の所有者に帰属する中間利益については、為替差益や海外事業の構造改革に伴う一過性利益も寄与し、前年比7.6%増と大きく伸びています。

通期目標に対する進捗率は、営業利益で49.0%、当期利益で50.5%となっており、期初想定通りのペースで「順調」に推移しています。下期はさらなるモバイル収入の成長や、BPO事業の業績回復が見込まれており、通期目標の達成に強い意欲を見せています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

通信の「質」を高めるコア事業と、AI・データ活用で社会変革を担うビジネス領域の双方がキャリアの舞台となります。
事業ポートフォリオとLTV戦略

出典:2026年3月期 2Q決算説明資料 P.11

パーソナルセグメント

事業内容: 「au」「UQ mobile」「povo」ブランドを通じた通信サービス、Pontaパス、金融(au じぶん銀行等)、エネルギー事業を提供。

業績推移: 売上高2兆3,837億円(前年比2.7%増)、営業利益4,552億円(同0.1%減)。販促費影響を除けば実質増益基調。

注目ポイント: 通信と金融を融合させた「auマネ活プラン」の累計契約数が170万人を突破し、ARPU成長の強力なエンジンとなっています。顧客の長期利用を促すLTV(顧客生涯価値)経営への転換を急いでおり、マーケティングやサービス企画の専門性がより重要視されています。

注目職種: デジタルマーケティング、サービス企画、金融商品開発、データサイエンティスト

ビジネスセグメント

事業内容: 法人向け5G、IoT、クラウド、データセンター(Telehouse)、BPOサービス(アルティウスリンク)を提供。

業績推移: 売上高7,177億円(前年比6.3%増)、営業利益1,187億円(同3.4%増)。モバイル収入やIoTが好調に推移。

注目ポイント: 新プラットフォーム「WAKONX」を始動し、AIとデータを活用した業界課題の解決を加速させています。IoT関連サービス収入は前年比11%増と2桁成長。BPO事業の統合効果発現やDX需要の取り込みにより、下期はさらに成長が加速する見通しです。

注目職種: ソリューション営業、クラウドエンジニア、AIコンサルタント、BPOマネジメント

3 今後の見通しと採用の注目点

AI時代の次世代インフラへのトランスフォームと、規律ある成長投資により、企業価値のさらなる向上を目指します。
データセンター拡張戦略

出典:2026年3月期 2Q決算説明資料 P.27

2026年3月期の通期予想に変更はなく、営業利益1兆1,780億円の達成に向けて邁進しています。成長のドライバーは、モバイル事業の収益力強化とDX・金融等の注力領域です。下期はこれらの領域で合計約550億円の増益を見込んでおり、特に上期で一時的な要因が解消されたBPO事業やSI関連事業のターンアラウンド(業績回復)が鍵となります。

戦略面では、AI時代を見据えた「次世代インフラ」への投資を加速させます。ロンドンでのデータセンター拡張に加え、国内でもNVIDIAの計算基盤「GB200」を導入したAIデータセンターを早期に稼働させ、ソブリン(主権)AIの開発環境を整備します。これらのインフラ高度化により、通信の付加価値を高め、持続的成長を確実なものにする考えです。採用面でも、これら先端技術やビジネス変革を担えるプロフェッショナル人財の確保が、次期中期経営戦略の成否を分ける重要なポイントとなります。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

同社は現在、従来の通信キャリアから「AI時代のインフラ企業」への変革期にあります。単なる通信契約の獲得ではなく、「LTV(顧客生涯価値)」の最大化や、「AI・データによる社会課題解決」といった、より高度な付加価値創出に貢献したいという意欲が評価されるでしょう。また、ローソンとの連携に見られるような「パートナーシップによる価値創造」というキーワードを自身のキャリア実績と絡めて語ることも有効です。

Q&A 面接での逆質問例

・「WAKONX」を活用した新たなビジネスモデルにおいて、営業職(または技術職)に求められる役割の変化をどのように定義されていますか?
・ロンドンや大阪でのデータセンター拡張において、AIインフラの優位性をどのように顧客への付加価値に転換していく計画ですか?
・Pontaパスの成長を「通信とのシナジー」以外で、リアルのライフスタイル変革にどう繋げていくお考えでしょうか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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福利厚生がしっかりしている点が魅力的

福利厚生がしっかりしている点が魅力的です。特に、家族を持つ社員に対するサポートが手厚く、子育て中の方には嬉しい手当が用意されています。

(30代前半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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評価基準が異なるため評価が難しい

部署によって評価基準が異なるため、結果が見えにくい業務に従事している場合、評価が難しいことがあります。全体として、評価制度には改善の余地があるものの、他者からのフィードバックを受けられる点は評価できます。

(20代後半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)
  • 2026年3月期 2Q決算説明資料(プレゼンテーション資料)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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