0 編集部が注目した重点ポイント
① LNGカナダ等の大型案件を完工させる
主力プロジェクトであるLNGカナダにおいて、2025年6月に第1系列から初出荷、10月には第2系列を完工・引き渡し、主要マイルストーンを達成しました。既存の強みであるLNG分野での確実な遂行力により、中長期的な収益基盤を固めるとともに、第2期拡張計画(2026年度投資決定見通し)の受注に向けた足場を築いています。
② 200億円を投じ機能材事業を強化する
2030年にかけて総額約200億円の設備投資を計画し、高機能材製造事業の拡大を加速させています。半導体市場の回復を背景に、シリカゾル(研磨材等)やパワー半導体用高熱伝導窒化ケイ素基板の生産能力を増強しており、エンジニアリング以外の安定的な第2の柱を構築する姿勢が鮮明です。
③ 次世代エネルギー領域への先行投資を急ぐ
フュージョンエネルギー(核融合)やペロブスカイト太陽電池、CCS(CO2回収・貯留)などの成長期待分野において、グローバル企業との協業を相次いで開始しました。脱炭素社会に向けたトランジションエネルギー需要を確実に取り込むべく、既存のLNG技術に最先端の環境技術を融合させる戦略を推進しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会 事業概況 P.5
売上高
3,812億円
(前年同期比 -6.3%)
営業利益
157億円
+26.9%
経常利益
211億円
+9.2%
2026年3月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高3,812億円(前年同期比6.3%減)、営業利益157億円(同26.9%増)となりました。売上高は一部案件の端境期により減少しましたが、利益面では主要プロジェクトの順調な推移により大幅な増益を確保しています。通期予想に対する進捗率は、営業利益ベースで56.3%に達しており、期初計画を上回るペースで推移しています。
中間期までの営業利益280億円の通期予想に対し、利益面での進捗は概ね順調と評価できます。受注面では、上半期実績は約1,020億円と通期目標6,500億円に対して低い進捗に見えますが、下半期にはモザンビークや東南アジアでの大型FLNG/LNG案件、データセンター等の注力案件を控えており、今後の受注獲得が期待されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会 事業概況 P.4
総合エンジニアリング事業
【事業内容】 石油・天然ガス、LNG(液化天然ガス)プラントを中心に、海外および国内での大型EPCプロジェクトの設計・調達・建設を統括するグループの中核事業です。
【業績推移】 売上高3,504億円、セグメント利益148億円(前年比25.8%増)。LNGカナダの順調な工事進捗と利益寄与が、セグメント全体の利益率改善を牽引しました。
【注目ポイント】 脱炭素への移行(トランジションエネルギー)として、LNG需要が中長期的に堅調であることから、海外案件が豊富です。特にE-Drive(電動化)による低炭素型プラントの需要が拡大しており、高度なエンジニアリング技術を活かした設計・プロジェクトマネジメント人材のニーズが非常に高まっています。
機能材製造事業
【事業内容】 石油精製・化学触媒、シリカゾル(ファインケミカル)、パワー半導体用基板などの高機能素材を開発・製造し、幅広い産業へ提供しています。
【業績推移】 売上高285億円、セグメント利益38億円(前年比1.6%増)。半導体市場の回復を背景に、シリカゾルを中心とする製品全般で需要が堅調に推移しました。
【注目ポイント】 生成AI向けデータセンターの拡大を受け、電子材関連製品の需要が急増しています。宮城県の新工場が完成し、本格操業に向けた体制構築が急務となっています。化学・セラミックスの知見に加え、生産管理やプロセスエンジニアリングの専門性が求められる領域です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期 決算説明会 事業概況 P.10
同社は、2050年までのエネルギー動向を見据え、既存の強みであるLNG分野での「電動化」や「CCS(CO2回収・貯留)付帯」などの低炭素化技術に注力しています。中長期的に天然ガス需要が堅調に推移する中、数少ないランプサムEPCコントラクターとしての地位を活かし、大型かつ複雑な案件を確実に実現する「遂行力」の強化を継続しています。
新たな成長エンジンとして期待されるのが「先端技術産業分野」です。Exyte社との協業により、半導体製造工場やデータセンター建設の第1号案件受注に向けた営業活動を加速させています。また、フュージョンエネルギー(核融合)やペロブスカイト太陽電池といった次世代技術の社会実装に向けた取り組みも推進しており、これら新領域でのエンジニアリング経験を積める機会が拡大しています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
世界的なLNG需要の拡大と、プラントの低・脱炭素化という「エネルギー移行」の最前線に携われることが最大の魅力です。LNG分野での圧倒的な実績を背景に、核融合やCCSといった次世代領域へ挑戦する姿勢に共感を示すことが有効です。また、機能材事業への200億円規模の投資など、事業の多角化を通じた安定的な成長基盤についても触れると、多角的な視点を持っていることが評価されるでしょう。
面接での逆質問例
「LNGプラントの電動化やCCS付帯プロジェクトにおいて、これまでのEPC経験をどのように次世代技術へ転換されていますか?」「Exyte社との協業によるデータセンター建設において、従来のオイル&ガス分野での知見が最も活かされている部分はどこでしょうか?」「機能材事業での200億円の設備投資に伴い、製造部門や研究開発部門ではどのような専門スキルを持つ人材が今後必要になるとお考えですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
時短勤務をしても嫌な顔をされる事はない
上司に相談すれば時短勤務や在宅勤務が可能なので働きやすいと思います。男性でしてる方もいます。嫌な顔をされる事はなく、上司も周りの人も協力してくれます。
(20代後半・建築設計・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 第2四半期 決算説明会 事業概況 (2025年11月11日発表)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。