ナブテスコの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

ナブテスコの転職研究 2025年12月期3Q決算に見るキャリア機会

ナブテスコの2025年12月期3Q決算は、売上高10.5%増、営業利益80.5%増と大幅な伸びを記録。主力の精密減速機や舶用機器が成長を牽引しています。油圧機器事業の売却に伴う事業ポートフォリオの刷新が進む中、「どの事業で、どんな役割を担えるのか」を最新データから整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

油圧機器事業を売却し、経営資源を成長領域へ集中させます

2025年7月に油圧機器事業の売却を決定し、2025年12月に完了を予定しています。この構造的変化により、同社は精密減速機や航空・鉄道・船舶などのモビリティ分野へ経営資源を集中させる方針です。売却先のイタリア企業との提携も含め、特定の事業領域でのキャリア機会がより明確化されるため、専門性を追求したい転職者には追い風となる変化です。

営業利益が前年同期比で80.5%増と大幅な成長を遂げました

2025年12月期第3四半期において、営業利益が154億円(前年同期比81%増)と飛躍的な成長を記録しました。主力の精密減速機における産業用ロボット向け在庫の適正化や、船舶・鉄道事業の好調が寄与しています。収益基盤の強化は、新規プロジェクトへの投資や人材採用の活性化に直結するため、安定した成長環境で挑戦したい求職者にとって極めてポジティブな状況です。

収益性改善プロジェクトの成果が利益率に反映されています

全社横断の収益性改善活動「Project 10」により、売上営業利益率が前年同期の4.3%から7.0%へ大幅改善しました。単なる増収にとどまらず、コスト構造そのものを強化している点は、エンジニアや生産管理、企画職などの実務層が「質の高い仕事」を追求している証左でもあります。業務効率化やプロセス改革に強みを持つ人材の需要が高まっています。

1 連結業績ハイライト

主力事業の堅調な推移により、累計期間で増収増益を達成。利益面では通期計画に対して着実な進捗を見せています。
2025年12月期 第3四半期 連結業績

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明会資料 P.6

売上高 2,192億円 (前年同期比 +11%)
営業利益 154億円 (前年同期比 +81%)
四半期利益 115億円 (前年同期比 +103%)

第3四半期累計の業績は、売上高が前年同期比10.5%増の2,192億円、営業利益が80.5%増の154億円と大幅な増益を達成しました。これは精密減速機、舶用機器、鉄道車両用機器といった主力セグメントでの需要が堅調に推移したことに加え、円安による為替効果や「Project 10」によるコスト削減効果が重なった結果です。特に営業利益率が大幅に改善しており、筋肉質な経営体質への転換が着実に進んでいます。

通期計画に対する進捗率は、売上高が73%、営業利益が74%となっており、年間目標の達成に向けて概ね順調に推移していると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

全主要セグメントで増益を達成。各分野でトップシェアを誇る製品群が、同社の強固な事業基盤となっています。
セグメント別実績詳細

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明会資料 P.7

コンポーネントソリューション (CMP)

【事業内容】

産業用ロボットの関節用途で世界シェア約60%を誇る精密減速機の設計・製造・販売。工作機械や医療機器向けにも展開しています。

【業績推移】

売上高575億円(前年同期比22%増)、営業利益39億円(同92%増)。ロボットメーカーの在庫調整完了により大幅増収増益。

【注目ポイント】

新興EVメーカーを中心に中国・韓国での投資案件が活発化しており、受注は3四半期連続で回復しています。浜松新工場の稼働開始に伴い、生産キャパシティも向上。自動化ニーズに応える高度な機構設計や、グローバルな需要変動に対応できるサプライチェーン管理の専門人材が求められています。

注目職種:機械設計エンジニア、生産技術、海外営業、需給管理

トランスポートソリューション (TRS)

【事業内容】

鉄道車両用ブレーキ、航空機アクチュエーター、商用車用ブレーキ、舶用エンジン制御システム等の開発・製造。

【業績推移】

売上高715億円(前年同期比13%増)、営業利益109億円(同22%増)。舶用および鉄道向けが非常に好調。

【注目ポイント】

保守・修理などのアフターサービス(MRO)需要が好調で、利益構成を支えています。特に船舶分野では、環境規制に対応した代替燃料エンジン向けバルブの開発や、AIを活用した最適航路システム(Pythia)など、DX/環境技術への注力が顕著です。安全・環境という高難度の課題に技術で応えるフィールドが広がっています。

注目職種:制御システム開発、アフターサービス企画、環境対応技術開発(水素・アンモニア等)

アクセシビリティソリューション (ACB)

【事業内容】

建物用自動ドアおよび鉄道プラットホームドアの設計、設置、保守。国内シェアは約60%でトップクラスです。

【業績推移】

売上高785億円(前年同期比4%増)、営業利益62億円(同20%増)。国内再開発案件の寄与により増益。

【注目ポイント】

国内の再開発需要が2026年頃まで続く見込みであり、非常に安定した事業環境にあります。バリアフリー法の効果もありプラットホームドアの需要も堅調です。施工管理やサービスエンジニアに加え、IoTを活用した自動ドアのリモート診断など、保守サービスのスマート化を推進する人材へのニーズが高まっています。

注目職種:サービスエンジニア、施工管理、営業企画

マニュファクチャリングソリューション (MFR)

【事業内容】

レトルト食品用等の充填包装機の製造。国内シェアは約85%と圧倒的。食品メーカー等の製造ライン自動化を支援。

【業績推移】

売上高117億円(前年同期比2%減)、営業利益12億円(同168%増)。前年の一時的費用がなくなり、利益面で大幅回復。

【注目ポイント】

海外市場での設備投資抑制の影響があるものの、国内では食品メーカーを中心に設備更新需要が再開しています。高いカスタマイズ性が求められる領域であり、顧客の課題を深く理解するソリューション型営業や、自動化ライン全体を構想できるエンジニアにとって、「食のインフラ」を支えるやりがいを感じられるフィールドです。

注目職種:機械設計、施工管理、法人営業

3 今後の見通しと採用の注目点

ポートフォリオ再編の完了を控え、成長領域への投資がさらに加速。グローバル競争力の維持が鍵となります。
2025年12月期 通期連結業績予想

出典:2025年12月期 第3四半期 決算説明会資料 P.10

2025年12月期の通期見通しは、油圧機器事業の切り離しを前提とした修正計画(売上高3,007億円、営業利益208億円)が維持されています。注目すべきは油圧機器事業の売却実行時期です。当初は10月を予定していましたが、許認可取得の手続き遅滞により12月に変更されました。しかし、連結業績への影響は軽微とされており、2026年以降の新生ナブテスコとしての飛躍に向けた準備は着実に整いつつあります。

成長戦略「Vision 2030」に向け、精密減速機では浜松工場での生産拡大が続き、舶用機器では脱炭素化に向けた製品開発が佳境を迎えます。これらの動きは、同社が「モノ売り」から「ソリューション提供」へシフトすることを意味しており、IT技術(AI・IoT)とハードウェアを融合させられる人材や、グローバルでのプロジェクト管理能力を持つ人材の獲得が、今後の成長を決定づけることになりそうです。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

同社は多くの製品で国内・世界トップシェアを誇っていますが、現在、単なる部品製造から「収益性の高い保守・サービス事業(MRO)」への転換を強力に推進しています。この戦略的背景を理解し、「自分の持つエンジニアリングスキルや営業経験を、いかにして長期的な顧客価値(稼働率向上や安全性維持)に結びつけられるか」という視点で語るのが効果的です。また、油圧事業売却という事業ポートフォリオの刷新を前向きに捉え、主力領域のさらなる深化に貢献したい姿勢も高く評価されるでしょう。

Q&A

面接での逆質問例

「Project 10の活動により営業利益率が7.0%まで改善していますが、私の配属予定のセグメントにおいて、今後さらに収益性を高めるために現場レベルで期待されている改善アクションは何でしょうか?」

「精密減速機事業では中国や韓国での受注が回復傾向にありますが、北米や欧州市場の投資意欲を今後どのように喚起していく計画ですか?」

「油圧機器事業の分離後、残る主要事業間での技術交流やシナジー創出について、現在どのような取り組みが行われていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
"

非常に高いシェアを誇りニッチトップな企業

産業用ロボットの部品として、非常に高いシェアを誇り、ニッチトップな企業として、多くのユーザーがいることは誇らしく思う。

(30代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]
"

残業抑制のプレッシャーがつらいときがある

業務の都合上、どうにもならない場合があり、残業抑制のプレッシャーがつらいときがある。業務バランスについての改善がないまま、残業抑制だけが進む状態。

(30代後半・法人営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • ナブテスコ株式会社 2025年12月期第3四半期 決算説明会資料(2025年10月31日)
  • ナブテスコ株式会社 2025年12月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2025年10月31日)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


関連記事

【平均年収685.5万円】ナブテスコ社員の給料は実際いくらもらっているのか?

【年収研究シリーズ】ナブテスコの年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。


【面接対策】ナブテスコの中途採用面接では何を聞かれるのか

輸送機器、航空・油圧機器、自動ドアなど、多くの精密機器事業に携わるナブテスコへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をしましょう。


wiget_w300
wiget_w300