【平均年収1759万円】三菱地所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収1759万円】三菱地所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

三菱地所は、ビルや商業施設などの開発・賃貸を中心とするコマーシャル不動産事業を主軸に、住宅事業や海外事業など多岐にわたる不動産事業をグループ各社とともに展開しています。国内外で大規模な事業を展開し、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、三菱地所株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


三菱地所は、ビルや商業施設などの開発・賃貸を中心とするコマーシャル不動産事業を主軸としています。大手町・丸の内・有楽町地区でのオフィスビル開発・賃貸、マンション・戸建住宅の販売、海外事業など多岐にわたる事業を展開しています。

単体従業員数は1,286名、連結従業員数は11,659名です。同社グループの事業セグメントは、コマーシャル不動産事業、丸の内事業、住宅事業、海外事業、投資マネジメント事業、設計監理・不動産サービス事業、その他の事業の7つです。

主な国内グループ会社は、サンシャインシティ(コマーシャル不動産事業)、横浜スカイビル(〃)、三菱地所プロパティマネジメント(丸の内事業)、三菱地所レジデンス(住宅事業、・海外事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


三菱地所は、まちづくりを通じて社会に貢献するという明確な使命を持つ企業グループです。大規模な不動産開発からサービス提供まで多岐にわたる事業を展開しており、長期的な視点でのキャリア形成や専門性の向上が期待できる環境と言えるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長期にわたってキャリアを築きやすい環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、安定した人材定着と経験豊富な従業員が多数活躍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 17,593,300円
平均勤続年数 16年4ヶ月
平均年齢 42歳6ヶ月
単体従業員数 1,286人
連結従業員数 11,659人
単体のグループ内比率 11.0%


退職給付制度

同社及び国内連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は、当社及び国内連結子会社を対象としています。

退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

退職給付債務は1,129億円、年金資産は2,875億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「人財」を重要な経営資源と位置づけ、企業理念に基づいた人財戦略を策定しています。求める人財像として「志」「現場力・仕事力」「誠実・公正」「組織で戦える」「変革を起こす」の5つの要素を普遍的に重視し、採用・育成に取り組んでいます。

「長期経営計画2030」の達成に向けては、高い専門性で新たな価値を創造する「Professional」、協業で変革を起こす「Change Maker」、そして一人ひとりの強みを掛け合わせ価値を最大化する「As One Team」の3つの役割を果たす人財の育成に注力しています。各領域の専門人財の採用強化や、社員が必要な専門性を獲得・深化できる施策、挑戦する風土の醸成、多様な人財を活かす組織づくりのためのマネジメント研修などを継続的に実施しています。

従業員の給与は、職責、職務内容、経験、能力に基づく報酬制度を基本としており、会社業績と個人の評価を反映した賞与制度も採用しています。給与水準は、労働市場の動向や同業他社の状況を考慮し、採用競争力を確保できる適切な水準の維持を基本方針としています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 13.5%
男性育児休業取得率 129.1%
男女賃金差異(全労働者) 54.3%
男女賃金差異(正規雇用) 57.3%
男女賃金差異(非正規雇用) 44.6%

サステナビリティに関する指標及び目標


同社グループは、長期経営計画2030において「三菱地所グループと社会の持続可能性 4つの重要テーマ」を掲げ、各テーマで目標と取り組み事例を定めています。

まち・サービス

~次世代に誇るまちのハードとソフトの追求~

指標 目標/目指す世界 対応する主な取り組み事例
世代を超えて愛され、有機的に発展する「選ばれるまち」へ 世代を超えて愛され、有機的に発展する「選ばれるまち」へ 福岡・天神の「イムズ」跡地において、オフィス・ホテル・商業機能を備えた複合ビル開発に着工し、新たな交流と価値創造の拠点形成を推進
- - 有楽町駅前の開発においては、跡地を活用した広場を整備するなど、「まちの進化を体験できる空間」として、日本カルチャーを世界に発信する都市空間の提供を推進
- - 各事業領域において、防災・減災に向けた体制構築や、 ハード・ソフト両面における防災まちづくりを推進

地球環境

~環境負荷低減に尽力し続ける~

指標 目標/目指す世界 対応する主な取り組み事例
持続可能なまちと地球環境の実現 持続可能なまちと地球環境の実現 SBTiの「ネットゼロ基準(The Net-Zero Standard)」に沿った目標を設定し、目標達成に向けた取り組みを実施
- - RE100に加盟の上、取り組みを推進し、2025年度にグループ全体でRE100達成見込み
- - 国内外の都市において、ストックの有効活用を推進するリノベーション事業を拡大

項目 目標 実績値
CO2等の温室効果ガス排出量(Scope1+2) 2030年度までに2019年度総排出量に対して70%以上削減 215,096 t-CO2(▲54.8%)
CO2等の温室効果ガス排出量(Scope3) 2030年度までに2019年度総排出量に対して50%以上削減 1,868,788 t-CO2(▲47.5%)
再生可能エネルギー由来の電力比率 2025年度までにグループ全体で100%達成を目指す 61.9%
m²当たりの廃棄物排出量 2030年までに2019年度比20%削減 ▲8.5%(2024年度実績:6.5kg/m²)
廃棄物再利用率 2030年までに90% 56.3%
木材調達 2030年度までに100%達成 99.98%

人の尊重

~人を想い、人に寄り添い、人を守る~

指標 目標/目指す世界 対応する主な取り組み事例
多様な人々が幸せに働き、暮らせる社会へ 多様な人々が幸せに働き、暮らせる社会へ サプライヤー行動規範を策定し、サプライヤーの遵守状況を確認するため、ヒアリングシート調査や施工及び清掃現場での就業者宛ヒアリング等を実施
- - 多様な生活スタイルや就業スタイルに対応した施設の開発やサービスの提供
- - まちづくりを通じたDE&I推進を加速するため、国内不動産会社として初めて「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」に賛同し、ステートメントに署名。ジェンダー平等を経営方針に明確に位置付け

価値の創造

~新たな価値の創造と循環~

指標 目標/目指す世界 対応する主な取り組み事例
時代の変化を先取りし、豊かさや便利さを育む 時代の変化を先取りし、豊かさや便利さを育む 2000年のベンチャー支援組織立ち上げから、丸の内エリアを中心としたスタートアップ支援、インキュベーション拠点や産官民学連携によるインキュベーションエコシステム構築により、社会に向けた新たな価値の創出
- - CVCファンドを通じたスタートアップ投資や事業共創を推進し、VALT JAPANとの連携等により社会課題解決と新たな価値創造に向けた取り組みを展開


個人別報酬が開示されている役員は、中島篤氏(2.47億円)、吉田淳一氏(1.81億円)、藤岡雄二氏(1.41億円)、川端良三氏(1.22億円)、長沼文六氏(1.18億円)、四塚雄太郎氏(1.18億円)、荒木治彦氏(1.14億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


三菱地所は、オフィスビルや商業施設、住宅、物流施設、ホテル、空港など、多岐にわたる不動産事業を国内外で展開しています。開発から賃貸、運営、管理、さらには投資マネジメントや設計監理、不動産サービスまで、不動産に関する幅広いバリューチェーンを構築し、多様な収益源を確保していることが特徴です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、オフィスビルや商業施設、住宅などの開発・賃貸・販売を主軸に事業を展開しています。不動産賃貸による安定的な収益に加え、不動産販売による収益も得ており、国内外での事業拡大を進めています。

コマーシャル不動産事業

オフィスビルを中心に、商業施設、物流施設、ホテル、空港など、幅広いアセットタイプの開発、賃貸、運営、管理を行っています。収益は、不動産賃貸や不動産販売、建物運営管理受託収入、ホテル事業収入などから得ています。運営は、サンシャインシティ、横浜スカイビル、三菱地所・サイモン、東京流通センター、三菱地所ホテルズ&リゾーツなどが行っています。

住宅事業

マンションや戸建住宅の建設・販売・賃貸、住宅管理、注文住宅の設計・請負、不動産仲介、ニュータウン開発、ゴルフ場経営などの余暇事業を展開しています。収益は、マンション販売、住宅管理業務受託、注文住宅、賃貸マンションや収益用不動産の売却などから得ています。運営は、三菱地所レジデンス、アーバンライフ、泉パークタウンサービス、三菱地所コミュニティ、三菱地所ハウスネット、三菱地所ホームなどが行っています。

丸の内事業

大手町・丸の内・有楽町地区におけるオフィスビルを中心とした開発、賃貸、運営、管理を行っています。収益は、不動産賃貸、建物運営管理受託収入、レンタルオフィス事業収入などから得ています。運営は、東京交通会館、日本リージャス、三菱地所プロパティマネジメント、丸の内熱供給、丸の内ダイレクトアクセスなどが行っています。

海外事業

海外において、主に不動産開発事業と不動産賃貸事業を展開しています。収益は、オフィスビルや住宅、商業施設などの不動産開発・賃貸から得ています。運営は、MEC Group International Inc.、Mitsubishi Estate London Limited、Mitsubishi Estate Asia Pte.Ltd.などが行っています。

設計監理・不動産サービス事業

建築・土木工事の設計監理、建築工事・内装工事等の請負、不動産仲介事業、駐車場事業などを行っています。収益は、設計監理、不動産仲介、駐車場運営管理などから得ています。運営は、三菱地所設計、メック・デザイン・インターナショナル、三菱地所リアルエステートサービス、三菱地所パークスなどが行っています。

投資マネジメント事業

不動産投資に関する総合的なサービスを提供しています。収益は、不動産ファンドの組成・運用や資産運用業務などから得ています。運営は、三菱地所投資顧問、ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント、TA Realty LLCなどが行っています。

その他の事業セグメント

情報システムの開発、保守管理、給与厚生研修関連業務の受託、リーシング営業などを行っています。収益は、情報システムの開発、保守管理、給与厚生研修関連業務の受託などから得ています。運営は、三菱地所ITソリューションズ、メック・ヒューマンリソースなどが行っています。

同社グループの営業収益は、日本国内が中心ですが、米国、欧州、アジアといった海外地域からも収益を得ており、グローバルに事業を展開しています。特定の顧客への収益集中は見られません。

セグメント 営業収益(2025年3月期) 営業収益(2026年3月期)
コマーシャル不動産事業 5,312億円 6,090億円
住宅事業 4,185億円 4,506億円
丸の内事業 3,645億円 3,774億円
海外事業 1,607億円 1,994億円
設計監理・不動産サービス事業 662億円 745億円
投資マネジメント事業 379億円 345億円
その他の事業セグメント 8.0億円 8.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績は、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、営業収益、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも前期から増加となりました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
営業収益 1兆3,495億円 1兆3,778億円 1兆5,047億円 1兆5,798億円 1兆7,461億円
経常利益 2,537億円 2,718億円 2,412億円 2,630億円 2,731億円
経常利益率 18.8% 19.7% 16.0% 16.6% 15.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 1,552億円 1,653億円 1,684億円 1,894億円 2,225億円
1株当たり当期純利益(円) 116.45 125.54 131.96 151.04 181.80

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり営業収益は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上している傾向を示しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり営業収益(連結) 138.4百万円 149.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 27.1百万円 28.3百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を創出しながら、将来に向けた投資も進めています。財務基盤の健全性を維持しつつ、事業成長を図る現在の状況を確認しましょう。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率やROE、手元資金の状況からその健全性を把握できます。これらの指標は、事業の安定性や将来の成長投資余力、ひいては雇用や給与の安定性にも影響を与える重要な要素です。

同社グループの自己資本比率は31.4%であり、プライム市場の非製造業平均(24.2%)を上回っており、財務の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)は8.5%で、プライム市場平均(9.4%)を下回るものの、前期からは改善傾向にあります。手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営の安定性を支える基盤が整っていると言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 2兆7,409億円 2兆8,776億円
自己資本比率 32.1% 31.4%
ROE(自己資本利益率) 7.6% 8.5%
現金及び預金 2,538億円 2,760億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で創出された資金がどのように使われているかを示します。当期は営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、5,089億円の資金増加となりました。これは税金等調整前当期純利益や棚卸資産の減少などが主な要因です。

投資活動によるキャッシュフローは前期から減少幅が拡大し、有形固定資産の取得等により4,415億円の資金減少となっています。これは将来に向けた積極的な投資を継続していることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは前期の増加から減少に転じ、長期借入金の返済や社債の償還により398億円の資金減少となりました。

結果として、フリーキャッシュフローは前期のマイナスから当期はプラスに転換し、675億円の資金増加となっています。本業で安定的に資金を稼ぎながら、成長投資を継続しつつ、財務健全性も維持している状況であり、事業の安定性と将来性への期待が持てます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 3,241億円 5,089億円
投資CF △3,615億円 △4,415億円
財務CF 129億円 △398億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △374億円 675億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、国内外の景気悪化に伴う不動産市況の悪化が業績に影響を与えるリスクを認識しています。特に東京の賃貸オフィス市場の空室率や分譲マンション市場の販売状況、大規模な複合開発計画の進捗には注意が必要としています。また、金利上昇のリスクも挙げられており、政策金利の変更や国際金融資本市場の動向により、資金調達コストが増加する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、適正な労務管理やハラスメント撲滅、ダイバーシティ推進に取り組んでいます。しかし、これらの取り組みや対応に不備があった場合、業務遂行に悪影響が及ぶリスクを認識しています。また、海外事業拡大に伴う現地法人社員のマネジメントも重要な課題としています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


三菱地所は、「まちづくりを通じて社会に貢献する」という基本使命を掲げ、人や街への深い想いを大切にしながら事業を展開しています。持続的な価値提供と真の企業価値向上を目指す、社会貢献性の高い企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「まちづくりを通じて社会に貢献する」という基本使命のもと、「人を、想う力。街を、想う力。」というブランドスローガンを掲げています。企業グループとしての成長と、様々なステークホルダーとの共生を高度にバランスさせながら、「真の企業価値の向上」を目指す方針です。

2020年代の環境激変をチャンスに変え、持続的な価値を提供する企業グループへの変革を続けるため、2030年までを見据えた「長期経営計画2030」を策定しています。この計画を通じて、「幅広いお客様により深く価値を届けるための事業機会の最大化」と「上場企業に求められる高効率で市況変化に強いポートフォリオへの変革」を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、三菱グループの経営理念である「三菱三綱領」に基づき、基本使命として「住み・働き・憩う方々に満足いただける、地球環境にも配慮した魅力あふれるまちづくりを通じて、真に価値ある社会の実現に貢献します。」と謳っています。サステナビリティビジョン2050では、「Be the Ecosystem Engineers」を共通基本方針として掲げ、事業とサステナビリティの一体化を進める姿勢を示しています。

「三菱地所グループ行動指針」では、「人権・ダイバーシティの尊重」と「一人ひとりの活躍」を掲げ、その実践を推進しています。多様性確保のため、国籍、性別、年齢、新卒・キャリア採用等に偏りのない従業員構成を目指し、多様な価値観・意見を自由に表明できる環境を整える「オピニオンダイバーシティ」を推進しています。

また、サステナビリティに関する4つの重要テーマとして、「まち・サービス」「地球環境」「人の尊重」「価値の創造」を定めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、不動産業界を取り巻く国内経済環境の不透明さや、金融資本市場の変動、中東情勢の影響を注視しています。オフィス賃貸市場における企業のオフィス戦略やワークスタイルの変化、分譲マンション市場における工事費高騰や金利動向の影響にも留意しています。

不動産投資市場では金利上昇や地政学的な緊張のリスク、商業施設やホテル市場では物価高や為替動向等の経済情勢及び国際情勢の変化による影響を慎重に見極めていく必要があるとしています。

「長期経営計画2030」に基づき、ノンアセットビジネスの拡大とサービス・コンテンツ領域への進出を通じ、新たな全社における利益成長の柱を確立することを目指しています。また、デジタル技術を活用した顧客価値向上サービスの提供やデータ利活用の高度化を通じて、ビジネスモデル革新とDX推進を図っています。ESGの先進企業としての地位を確立し、ステークホルダーとの共生と長期的な企業価値向上を目指すことも重点テーマです。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


三菱地所は、指名委員会等設置会社として、経営監督機能と業務執行機能の役割を明確化し、意思決定の迅速化を図るガバナンス体制を構築しています。社外取締役が過半数を占める指名・監査・報酬の3委員会が、取締役候補者の指名や役員報酬決定、取締役・執行役の職務執行の監査等を行うことで、意思決定プロセスの高度化と透明性の向上に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行信託口であり、信託銀行や機関投資家が上位を占める特徴があります。複数の信託銀行や国内外の機関投資家が上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行信託口 15.57%
日本カストディ銀行 信託口 6.13%
明治安田生命保険(相) 3.49%
THE CHASE MANHATTAN BANK,N.A. LONDONSECS LENDING OMNIBUS ACCOUNT 3.05%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 2.58%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は26名(男性24名・女性2名)で構成され、女性役員比率は7.7%です。代表執行役執行役社長は中島篤氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
中島 篤 代表執行役 執行役社長 1986年4月同社入社。執行役員欧米事業部長、執行役常務、代表執行役執行役専務を経て、2023年4月より取締役兼代表執行役執行役社長現職。
四塚 雄太郎 代表執行役 執行役副社長 社長補佐 経営企画部 企画調査部 サステナビリティ推進部担当 1988年4月同社入社。執行役員経理部長、グループ執行役員及び三菱地所アジア社取締役社長、執行役常務を経て、2026年4月より取締役兼代表執行役執行役副社長現職。
吉田 淳一 取締役会長 1982年4月同社入社。執行役員ビルアセット業務部長、常務執行役員、取締役兼代表執行役執行役社長を経て、2023年4月より取締役会長現職。
梅田 直樹 執行役常務 経理部 広報部担当 1988年4月同社入社。三菱地所ロンドン社取締役社長、ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント取締役社長、グループ執行役員を経て、2022年6月より取締役兼執行役常務現職。
平井 幹人 執行役常務 人事部 総務部 法務・コンプライアンス部 コンプライアンス リスクマネジメント 防災担当 1991年4月同社入社。常盤橋開発部長、経営企画部長、執行役員を経て、2025年4月より取締役兼執行役常務現職。
片山 浩 取締役 1981年4月同社入社。執行役員及びジャパンリアルエステイトアセットマネジメント取締役社長、常務執行役員、取締役兼代表執行役執行役専務を経て、2022年4月より取締役現職。
木村 透 取締役 1986年4月同社入社。執行役員ビル業務企画部長、執行役員関西支店長、執行役常務を経て、2025年6月より取締役現職。


社外取締役は、白川方明氏(元日本銀行総裁・指名委員・報酬委員)、成川哲夫氏(元新日鉄興和不動産代表取締役社長兼社長執行役員・監査委員長)、岡本毅氏(元東京瓦斯代表取締役社長執行役員・指名委員長・報酬委員)、メラニー・ブロック氏(㈱Melanie Brock Advisory代表取締役・指名委員・報酬委員)、末吉亙氏(KTS法律事務所パートナー・監査委員)、薗田綾子氏(㈱クレアン代表取締役会長・指名委員・報酬委員)、織田直祐氏(元JFE商事代表取締役社長・監査委員)です。

同社は会社法上の機関設計として指名委員会等設置会社を採用しています。取締役会が経営監督機能を担い、業務執行の決定は執行役に権限委譲することで、意思決定の迅速化を図っています。社外取締役が過半数を占める指名・監査・報酬の3委員会が、取締役候補者の指名や役員報酬決定、取締役・執行役の職務執行の監査等を行う体制です。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、経営戦略や中長期経営計画と連動し、持続的な企業価値向上と株主との価値共有を実現することを基本方針としています。報酬体系は原則として基本報酬と変動報酬で構成され、変動報酬は短期的な業績に基づく金銭報酬と、中長期的な株主との価値共有を志向する株式報酬(譲渡制限付株式報酬および業績連動事後交付型株式報酬)等で構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 3.4億円 84.5百万円
執行役 16名 16.9億円 1.06億円
社外役員 7名 1.4億円 20.4百万円

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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