※本記事は、日本郵政株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日本郵政は持株会社であり、単体従業員数は1,261名、グループ連結従業員数は224,438名です。
同社グループは、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を中心に、郵便・物流、郵便局窓口、国際物流、不動産、銀行、生命保険といった多岐にわたる事業を約250社の連結子会社とともに展開しています。
主な国内グループ会社は、○ 日本郵便、○ 日本郵便輸送、○ 日本郵便メンテナンス、JPロジスティクスグループ、○ JPトナミグループなどです。
日本郵便は2025年4月にトナミホールディングスを子会社化し、同年10月にはロジスティードホールディングスとの資本業務提携を完了しました。また、日本郵政は2025年3月にゆうちょ銀行の株式処分を実施し、議決権保有割合が50%を下回りました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日本郵政グループは、地域インフラとしての役割を担い、郵便・物流、金融、不動産など多岐にわたる事業を展開する持株会社です。同社グループは、社員一人ひとりが誇りとやりがいを持って働ける環境の実現を目指し、人材育成と環境整備に力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社における平均勤続年数と平均年齢は、従業員が比較的長く会社に在籍する傾向を示しています。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,718,000円 |
| 平均勤続年数 | 15.9年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 1,261人 |
| 連結従業員数 | 224,438人 |
| 単体のグループ内比率 | 0.6% |
同社グループは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
この制度は、同社および主な連結子会社に適用されています。退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、2026年3月31日時点の退職給付債務は2兆733億円、年金資産は3,671億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「社員全員が誇りとやりがいをもって働ける会社」を目指し、グループ人事方針を策定しています。この方針は、お客さまや地域社会への貢献拡大、企業価値向上に繋がるものと位置付けられています。
人材戦略の基本方針として、「異なる互いを認め合う」「能力を高める」「強みを発揮する」の3つの軸を掲げています。給与水準は、人力依存度が高い郵政事業において人材の獲得・定着が重要課題であるとの認識に基づき、毎年見直しが行われています。
報酬制度においては、執行役の年次賞与に社員エンゲージメントスコアや本社女性管理者比率などのサステナビリティ指標が組み込まれています。また、臨時従業員の無期転換制度の早期化や、転居転勤一時金、育児・介護休業応援一時金の新設など、多様な働き方を支援する制度も導入されています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
管理職に占める女性労働者の割合は2026年4月1日時点、その他の指標は当連結会計年度における実績です。育児休業取得率は、各会社を本籍とする社員を対象とし、臨時雇用を含みません。労働者の男女の賃金の差異は、各社の賃金台帳に記載がある社員を対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 17.8% |
| 育児休業取得率(男性) | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用) | 68.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用) | 56.8% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 日本郵便
管理職に占める女性労働者の割合は2026年4月1日時点、その他の指標は当連結会計年度における実績です。給与体系は性別に関係なく同一ですが、給与が高い管理職における女性割合が低いこと、男性の方が平均勤続年数が長いこと、時給制の無期転換制度に基づく無期雇用転換者(アソシエイト社員)において賃金単価の高い郵便・物流事業に男性社員が多いこと、時給制の女性社員はパートタイムで働くことが多く総労働時間が短いことなどが賃金差異の要因です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 9.5% |
| 育児休業取得率(男性) | 100.0% |
| 育児休業取得率(女性) | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 61.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用) | 61.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用) | 63.7% |
▼ ゆうちょ銀行
管理職に占める女性労働者の割合は2026年4月1日時点、その他の指標は当連結会計年度における実績です。給与体系は性別に関係なく同一ですが、年齢構成の男女比率に偏りがあり、相対的に賃金水準の高い高齢層・管理職層の女性比率が低いこと、期間雇用社員(有期)の無期雇用への転換により賃金水準の高い高齢再雇用社員の割合が高まり、かつ男性社員が高齢再雇用社員の約7割を占めていることなどが賃金差異の要因です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 20.8% |
| 育児休業取得率(男性) | 100.0% |
| 育児休業取得率(女性) | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用) | 67.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用) | 72.0% |
▼ かんぽ生命保険
管理職に占める女性労働者の割合は2026年4月1日時点、その他の指標は当連結会計年度における実績です。給与体系は性別に関係なく同一ですが、年齢構成を踏まえた男女比率に偏りがあり、相対的に賃金水準の高い高齢層・管理職層の女性比率が低いこと、相対的に賃金水準の高い高齢再雇用社員および専門職社員の男性が非正規社員の約9割を占めていることなどが賃金差異の要因です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.6% |
| 育児休業取得率(男性) | 100.0% |
| 育児休業取得率(女性) | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用) | 73.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用) | 80.8% |
グループ全体(連結)
上記4社全体の数値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.5% |
| 育児休業取得率(男性) | 100.0% |
| 育児休業取得率(女性) | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 62.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用) | 63.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(非正規雇用) | 63.5% |
①「誇りとやりがい」
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員エンゲージメント(誇りとやりがい)スコア | 3.39 pt |
②「異なる互いを認め合う」
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 健康経営KPI達成(アブセンティーイズム 対前年度比) | 107% |
| 健康経営KPI達成(プレゼンティーイズム 対前年度比) | 91% |
| 男女ともに育休取得 | 女性100.0% 男性100% |
| 男性育休平均日数 | 53.5日 |
| ハラスメント認定件数 | 142件 |
| 障がい者雇用率 | 2.55% |
| 本社女性管理者比率 | 18.1% |
③「能力を高める」
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| グループ内社内公募人数 | 74名 |
| 本社、支社等対象者数 DX研修受講率 | 100% |
④「強みを発揮する」
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 適所適材スコア | 2.74 pt |
| 年休取得平均日数 | 19.1日 |
| グループ内外の人事交流人数 | 2025年度達成 |
| 戦略的副業の取組人数 | 54人 |
| 経験者採用の推進 | 126人 |
その他の任意開示指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 本社における管理職に占める女性労働者の割合(日本郵政) | 13.0% |
| 男性の育児休業の平均取得日数(日本郵政) | 55.4日 |
| 年次有給休暇の平均取得日数(日本郵政) | 16.3日 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日本郵政は、持株会社としてグループ全体の経営戦略を統括し、多岐にわたる事業を展開しています。郵便・物流、金融(銀行・生命保険)、不動産など、社会インフラを支える幅広いサービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、郵便・物流事業、郵便局窓口事業、国際物流事業、不動産事業、銀行業、生命保険業、その他の事業セグメントで構成されています。各事業はそれぞれ異なる収益源を持ち、グループ全体で多様な顧客ニーズに応えています。
生命保険業
生命保険の引受けと資産運用を主な事業としています。収益は、保険料等収入と有価証券投資や貸付等による資産運用から得ています。運営は、かんぽ生命保険が行っています。当連結会計年度の経常収益は前期から減少しました。
銀行業
預金(貯金)業務、有価証券投資業務、為替業務、国債・投資信託・保険商品の販売などを営んでいます。収益は、貯金運用による資金利益や手数料ビジネスから得ています。運営は、ゆうちょ銀行が行っています。当連結会計年度の経常収益は前期から増加しました。
郵便・物流事業
郵便業務、物流事業(ゆうパック、ゆうメール)、3PLサービス、国際宅配便サービスなどを提供しています。収益は、郵便や荷物の引受・配達サービス、および物流ソリューションの提供から得ています。運営は、日本郵便が行っています。当連結会計年度の経常収益は前期から増加しました。
国際物流事業
アジア太平洋地域を中心とした国際貨物輸送(フォワーディング事業)や、輸送・倉庫管理、資源・政府分野物流サービスを提供しています。収益は、国際貨物輸送サービスやロジスティクス事業の提供から得ています。運営は、Toll Holdings Pty Limited(トール社)が行っています。当連結会計年度の経常収益は前期から減少しました。
不動産事業
オフィスビル・商業施設・住宅等の開発による賃貸事業や分譲事業、賃貸用建物の運営管理を行っています。収益は、不動産の賃貸収入や物件の販売から得ています。運営は、日本郵政不動産が行っています。当連結会計年度の経常収益は前期から増加しました。
その他の事業セグメント
グループシェアード事業、病院事業、宿泊事業、投資事業などを行っています。収益は、グループ各社への間接業務支援、病院・宿泊施設の運営、成長企業への出資による投資リターンなどから得ています。当連結会計年度の経常収益は前期から減少しました。
郵便局窓口事業
全国の郵便局で郵便・物流窓口業務、銀行窓口業務、保険窓口業務、物販事業、提携金融サービスなどを提供しています。収益は、各事業の窓口業務受託手数料や物販事業から得ています。運営は、日本郵便が行っています。当連結会計年度の経常収益は前期から減少しました。
| セグメント | 経常収益(2025年3月期) | 経常収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 生命保険業 | 6兆1,611億円 | 5兆6,102億円 |
| 銀行業 | 2兆5,202億円 | 2兆8,499億円 |
| 郵便・物流事業 | 2兆520億円 | 2兆2,703億円 |
| 国際物流事業 | 5,123億円 | 5,051億円 |
| 不動産事業 | 786億円 | 851億円 |
| その他の事業セグメント | 909億円 | 702億円 |
| 郵便局窓口事業 | 516億円 | 489億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結経常収益は、直近5年間で変動が見られます。当連結会計年度は前期からわずかに減少しましたが、経常利益は大幅に増加し、親会社株主に帰属する当期純利益も増加しました。デジタル化の進展による郵便物数の減少やコスト増がある一方で、国内金利上昇による運用環境の好転が銀行業や生命保険業の業績を押し上げました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経常収益 | 11兆2,648億円 | 11兆1,386億円 | 11兆9,822億円 | 11兆4,684億円 | 11兆4,406億円 |
| 経常利益 | 9,915億円 | 6,577億円 | 6,683億円 | 8,146億円 | 1兆750億円 |
| 経常利益率 | 8.8% | 5.9% | 5.6% | 7.1% | 9.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,017億円 | 4,310億円 | 2,687億円 | 3,706億円 | 3,746億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 131.93 | 120.82 | 80.26 | 119.30 | 129.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり経常収益(連結)は前期から減少しましたが、従業員1人あたり経常利益(連結)は増加しました。これは、収益構造の変化や効率化への取り組みが、従業員一人ひとりの稼ぐ力に影響を与えていることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり経常収益(連結) | 52.4百万円 | 51.0百万円 |
| 従業員1人あたり経常利益(連結) | 3.7百万円 | 4.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
日本郵政グループは、大規模な事業再編と成長投資を進めています。現在の財務状況は、将来に向けた変革の途上にあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの純資産は当期に16兆4,819億円となり、前期から増加しています。自己資本比率は当期3.4%で、前期3.1%から上昇しました。ROE(自己資本利益率)は当期4.0%で、前期3.8%からわずかに上昇しています。手元資金を示す現金預け金は当期57兆122億円で、前期から減少しています。
これらの指標は、同社グループの財務基盤が変化していることを示しています。特に、自己資本比率が低い水準にあることは、銀行業という事業特性によるものです。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 15兆2,895億円 | 16兆4,819億円 |
| 自己資本比率 | 3.1% | 3.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.8% | 4.0% |
| 現金預け金 | 67兆1,223億円 | 57兆122億円 |
なお、銀行は預金が主な負債のため、一般的な計算式による自己資本比率は構造上低くなります。規制上は国内基準4%以上・国際統一基準8%以上が求められます。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当期のキャッシュフローは、営業活動による資金の出入りが10兆3,383億円の支出となりました。これは主にコールマネー等の純減、貯金の純減、資金運用収益の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは6,692億円の収入となり、有価証券の売却や償還による収入が取得による支出を上回ったことを示しています。
その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは9兆6,691億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュフローは6,229億円の支出で、自己株式の取得や配当金の支払いが主な要因です。これらの資金の流れは、同社グループが事業再編や成長投資を進める中で、資金の流動性を管理している状況を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2兆7,949億円 | △10兆3,383億円 |
| 投資CF | 4兆6,844億円 | 6,692億円 |
| 財務CF | 2,159億円 | △6,229億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 7兆4,793億円 | △9兆6,691億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業構造・収益性に関するリスクとして、郵便・物流事業における厳しい競争環境と郵便物数の減少が挙げられます。人件費や調達コストの増加に加え、行政処分による車両使用制限が事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
また、収益の多くを占める銀行業および生命保険業は、国内外の経済環境や金融市場の変動に大きく影響を受けます。金利・株価・為替の急激な変動は、保有する金融商品の価格下落や資金収益の低下につながる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクとして、少子高齢化による労働人口の減少や労働市場の逼迫が挙げられています。給与水準が他社に劣後する場合、人材の確保が困難になる可能性があります。また、DX推進に必要なIT等の高度な専門性を持つ人材の確保も課題となっています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日本郵政グループは、郵政ネットワークを基盤に、地域社会とお客さまの生活を支えることを使命としています。民間企業としての創造性と効率性を追求し、持続的な成長と企業価値向上を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は「郵政ネットワークの安心、信頼を礎として、民間企業としての創造性、効率性を最大限発揮しつつ、お客さま本位のサービスを提供し、地域のお客さまの生活を支援し、お客さまと社員の幸せを目指します」とされています。また、経営の透明性を自ら求め、規律を守り、社会と地域の発展に貢献することを目指しています。
同社グループは、2026年度から2028年度を対象とした中期経営計画「JP プラン 2028」を公表しました。この計画では、これまでの共創プラットフォームを「総合物流プラットフォーム」「総合金融プラットフォーム」「生活サポートプラットフォーム」の3つの機能に深化させることを基本方針としています。不動産事業や各グループ横断的サービスの提供を通じて、グループの魅力と価値を創出することを目指しています。
本中期経営計画期間においては、ユニバーサルサービスの持続性確保と、新たな事業領域での成長を同時に実現することを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「社員全員が『誇りとやりがい』をもって働ける会社」を目指すグループ人事方針を掲げています。この方針は、「異なる互いを認め合う」「能力を高める」「強みを発揮する」の3つの軸で構成されています。
「異なる互いを認め合う」では、心身の健康増進、ハラスメントのない職場、多様な生き方や個々の社員の事情を尊重しあう相互承認と安心感のある職場を提供することを目指しています。「能力を高める」では、事業環境変化に対応できる能力や知識、技術獲得の機会を提供し、自律的なキャリア形成を支援します。
「強みを発揮する」では、挑戦の機会と評価する仕組みを強化し、社員が自身の強みや創造性を発揮して新たな取り組みに挑戦できる組織風土を構築することを目指しています。また、郵便事業の創業者である前島密の信条「縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ。」を社員の仕事への前向きな姿勢・行動の根底に置いています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、非公開金融情報の適切な取り扱い確保と商品認可前の勧誘行為の再発防止を重要な課題としています。これらの課題に対し、再発防止策の実効性を検証し、お客さま本位のサービス提供と法令遵守の徹底に取り組んでいます。
また、サステナビリティに関する重要課題として、「地域インフラ、生活サポート拠点としての役割を発揮」「ニーズやライフステージに応じて暮らしを支えるサービスを提供」「地域・お客さまからの『信頼』の基盤を強化」の3点を掲げています。これらの課題に対応するため、サステナビリティ委員会を設置し、リスク管理や戦略策定を進めています。
人的資本戦略では、「事業環境の変化や成長戦略に応じた人材ポートフォリオの構築」と「社員一人ひとりの可能性の最大限の引き出し」を推進しています。ガバナンス体制の強化にも取り組み、各郵便局の実態把握と法令等のルールの浸透を支援する新組織を設置しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は指名委員会等設置会社であり、代表執行役社長が業務執行に関する意思決定を行い、取締役会がその状況を監督する体制です。社外取締役が過半数を占める指名委員会、報酬委員会、監査委員会がそれぞれ重要な役割を担い、経営の透明性と公正性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループは、財務大臣が筆頭株主であり、安定した資本基盤を有しています。その他、信託銀行や社員持株会も主要な株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 財務大臣 | 38.05% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 9.42% |
| 日本郵政社員持株会 | 3.32% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は45名(男性38名・女性7名)で構成され、女性役員比率は15.6%です。代表執行役社長は根岸一行氏が務めています。社外取締役比率は53.8%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 根岸 一行 | 取締役(代表執行役社長) 指名委員会委員報酬委員会委員 | 1994年郵政省入省後、かんぽ生命保険や日本郵便で要職を歴任。2019年に同社常務執行役となり、2025年6月より同社取締役兼代表執行役社長 グループCEOに就任し現職。 |
| 飯塚 厚 | 取締役(代表執行役上席副社長) | 1983年大蔵省入省後、財務省や国税庁で要職を歴任。2020年に同社専務執行役となり、2021年6月より代表執行役副社長グループCFO、2025年6月より取締役兼代表執行役上席副社長グループCOO、グループCFOを兼務し現職。 |
| 谷垣 邦夫 | 取締役 | 1984年郵政省入省後、同社執行役、専務執行役を歴任。かんぽ生命保険、ゆうちょ銀行でも要職を務め、2023年6月より株式会社かんぽ生命保険取締役兼代表執行役社長、同社取締役を兼務し現職。 |
| 笠間 貴之 | 取締役 | 1996年日本長期信用銀行入社後、興銀証券、ゴールドマン・サックス証券を経て、ゆうちょ銀行で要職を歴任。2024年4月より株式会社ゆうちょ銀行取締役兼代表執行役社長、2024年6月より同社取締役を兼務し現職。 |
| 小池 信也 | 取締役 | 1992年郵政省入省後、郵便事業や日本郵便で人事、事業企画の要職を歴任。2016年に同社秘書室長となり、2025年6月より日本郵便株式会社代表取締役社長兼執行役員社長、同社取締役を兼務し現職。 |
社外取締役は、貝阿彌誠氏(弁護士・指名委員会委員)、佐竹彰氏(元住友精密工業代表取締役副社長執行役員・監査委員会委員長)、諏訪貴子氏(ダイヤ精機代表取締役・報酬委員会委員)、伊藤弥生氏(元ユニゾホールディングス常務執行役員・監査委員会委員)、大枝宏之氏(株式会社日清製粉グループ本社特別顧問・報酬委員会委員長)、木村美代子氏(株式会社キングジム代表取締役社長 社長執行役員兼CEO兼開発本部長・監査委員会委員)、進藤孝生氏(日本製鉄相談役・指名委員会委員長)、塩野紀子氏(元ワイデックス代表取締役社長・監査委員会委員)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、代表執行役社長が業務執行に関する意思決定を行い、取締役会がその状況を監督する体制です。社外取締役が過半数を占める指名委員会、報酬委員会、監査委員会がそれぞれ重要な役割を担い、経営の透明性と公正性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、報酬委員会が取締役及び執行役の報酬に関する方針を定めています。執行役の報酬は、職責に応じた基本報酬に加えて、短期インセンティブとしての賞与、中長期インセンティブとしての株式報酬(業績非連動型および業績連動型)で構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 執行役 | 32名 | 9.1億円 | 28.5百万円 |
| 社外役員 | 10名 | 1.3億円 | 12.6百万円 |
取締役と執行役の兼務者には執行役としての報酬が支給されており、主要な連結子会社の役員を兼務する取締役および執行役の報酬は含まれていません。賞与、株式報酬Ⅰおよび株式報酬Ⅱには当事業年度に費用計上した金額が記載されており、役員退職慰労金の支給はありません。
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