0 編集部が注目した重点ポイント
① トナミHDを子会社化し物流基盤を強靭化する
2025年4月より、トナミホールディングス株式会社およびその傘下31社をグループに迎え、新規連結を開始しました。日本郵便の資本力と物流網に、トナミHDの特積み・ロジスティクス事業のノウハウを融合させることで、企業価値の最大化を図ります。物流業界の再編を牽引する中、専門性の高い人材のキャリア機会が拡大しています。
② ロジスティードとの資本提携で「共創」を加速させる
2025年10月に、ロジスティード株式会社との資本業務提携を決定しました。ラストワンマイル、国内・国際物流を網羅する一気通貫の事業基盤構築を目指します。物流DXや海外事業のマネジメント、アライアンス戦略をリードできるプロフェッショナルにとって、日本最大級のインフラを舞台にした挑戦的な環境が整いつつあります。
③ 郵便・物流の苦戦を受け通期利益予想を下方修正する
荷物収益の伸び悩みや、点呼業務不備に伴う行政処分の影響等を踏まえ、通期の純利益予想を3,800億円から3,200億円へ引き下げました。厳しい外部環境下で、コスト抑制と収益構造の抜本的改革が急務となっており、経営企画やSCM改善、コンプライアンス管理領域での変革を主導できる人材の重要性が一段と高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.1
当第2四半期累計の業績は、経常収益、経常利益、中間純利益のすべてで前年同期を上回りました。JPトナミグループの新規連結や日本郵便における料金改定効果が寄与したほか、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命の利益成長が連結全体を下支えしています。
一方で、通期当期純利益予想に対する進捗率は44.5%(修正後予想3,200億円に対し1,425億円)となっており、現時点では進捗が遅れている状況です。Sluggishな荷物需要やアフラック社に係る投資利益の見通し減などを踏まえ、通期利益予想を下方修正しており、下期は事業効率化とアライアンスによる収益基盤の立て直しが焦点となります。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.8
郵便・物流事業(日本郵便)
事業内容:郵便物、ゆうパック等の受託・配達、およびトナミHDを通じたロジスティクス事業。
業績推移:営業収益1兆1,158億円(+1,766億円)、営業損益は255億円の赤字(前年同期より692億円改善)。
注目ポイント:トナミHDの子会社化により営業収益は大幅増。料金改定効果もあり赤字幅を縮小していますが、人件費や集配運送委託費の高騰が利益を圧迫しています。ロジスティードとの提携による「総合物流企業」への転換に向け、オペレーションの高度化やDX、サプライチェーン全体のコスト最適化を担える人材が切望されています。
郵便局窓口事業(日本郵便)
事業内容:郵便局ネットワークを活用した銀行・保険の窓口受託および物販事業。
業績推移:営業収益5,061億円(−22億円)、営業利益82億円(−134億円)と減収減益。
注目ポイント:銀行・保険の手数料減少が続いており、新たな収益源の確保が急務です。全国約2.4万の局ネットワークを「共創プラットフォーム」として再定義し、他社サービスとの連携や地域の課題解決をビジネス化できる、柔軟な発想力を持った人材の活躍が期待されています。
国際物流事業(Toll Holdings)
事業内容:グローバルでの貨物輸送(フォワーディング)およびロジスティクス管理。
業績推移:営業収益2,319億円(−330億円)、営業損益(EBIT)42億円(前年並み)。
注目ポイント:海上運賃の下落により減収となりましたが、利益面では底堅く推移しています。ロジスティードとの提携により、日本郵政グループとして海外ネットワークの再構築が期待されるフェーズにあり、クロスボーダー物流の知見を持つ人材にとって挑戦の場が広がっています。
不動産事業
事業内容:日本郵政不動産等による保有不動産の賃貸、開発、および分譲事業。
業績推移:営業収益419億円(−43億円)、営業利益113億円(+12億円)と増益を達成。
注目ポイント:2025年3月期より独立した報告セグメントとなりました。麻布台ヒルズ森JPタワー等の大型物件の賃貸収益が寄与しています。全国の郵便局敷地という膨大な資産をどう活用し、街づくりに貢献するか。大規模開発やアセットマネジメントのプロフェッショナルが求められています。
銀行業(ゆうちょ銀行)
事業内容:預金・貸出・資産運用サービス。世界最大級の貯金残高を背景とした投資運用。
業績推移:経常利益3,540億円(+326億円)、中間純利益2,403億円(+175億円)と増収増益。
注目ポイント:金利上昇局面において、資金利益の拡大が顕著です。貸出金の増大や戦略的なポートフォリオ管理が進んでおり、金融の専門性を活かして巨大なアセットをコントロールする魅力があります。
生命保険業(かんぽ生命)
事業内容:個人向け保険商品、資産運用等。「信頼回復」を軸に新たなサービスを展開。
業績推移:経常利益1,838億円(+169億円)、中間純利益938億円(+309億円)と増益を確保。
注目ポイント:運用環境の好転により資産運用収益が増加しています。営業体制の再構築とともに、デジタルを活用した顧客サービス向上に取り組んでおり、保険業界の変革に携わりたい人材に適した環境です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料 P.5
通期連結純利益予想は3,200億円に下方修正されましたが、これは郵便・物流事業の苦戦を織り込んだ「守り」の判断である一方、生命保険セグメントの運用収益増を見込むなど「攻め」の要素も含まれています。特筆すべきは、ロジスティードとの資本提携を契機とした、日本郵便およびグループ物流各社の「ラストワンマイル」と国際物流の統合です。
株主還元についても、2,500億円を上限とする自己株式取得の進捗率が60.7%(9月末時点)に達するなど、資本効率の向上に積極的に取り組んでいます。巨大な顧客接点を持つ「郵便局ネットワーク」を、どのようにデジタルと融合させ、社会価値へ変えていくか。中期経営計画「JP ビジョン2025+」の完遂に向け、変革をリードする多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルが求められています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
日本郵政グループは現在、単なる郵便サービスを超えた「社会インフラの共創プラットフォーム」への進化を掲げています。志望動機では「トナミHDの子会社化やロジスティードとの提携を通じた、総合物流企業への変革に貢献したい」ことや、「全国2.4万の局網を活用した新しい公共価値の創出」への意欲を自身の専門スキルに紐付けて伝えることが極めて有効です。伝統的な組織が外部パートナーシップを通じて劇的に変化するフェーズに参画したいという軸は、現在の経営ニーズと強く合致します。
面接での逆質問例
「ロジスティードとの提携によりラストワンマイルから国際物流まで一気通貫の体制を構築されますが、異なる企業文化を持つ組織間のシナジーを最大化するために、現場レベルでどのような人材交流や仕組み作りを計画されていますか?」
「新設された不動産事業セグメントにおいて、全国の郵便局敷地の利活用を加速させる際、収益性と地域への社会貢献を両立させるための判断基準や開発哲学について教えていただけますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
年功序列の傾向が強く安定した昇給が期待できる
給与面では、年功序列の傾向が強く、長く勤めることで安定した昇給が期待できます。 特に、正社員であれば毎年の昇給はほぼ確実で、減給の心配も少ないです。 アルバイトでも、努力をしっかりとアピールすれば昇給のチャンスがありますし、ボーナスも支給されるため、モチベーションを保ちやすい環境です。
(40代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]基本給は他社と比べるとやや低め
基本給は他社と比べるとやや低めですが、勤続年数や業績評価に基づく昇給制度が整っており、長期的なキャリア形成が可能です。 総合職と地域基幹職、一般職で年収に差があり、非正規職は時給・日給制で地域や職種によって変動します。
(30代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日本郵政株式会社 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 日本郵政グループ 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算説明資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。