0 編集部が注目した重点ポイント
①新規連結やセグメント刷新で事業基盤を強化する
2025年度よりセグメント名称の変更や、期中に海外の関係会社等を新規連結する構造的変化を断行しました。これにより、デジタル領域や海外市場でのグローバルなキャリア機会が拡大する可能性が高まっています。なお、新規連結等の影響により、前年同期データとの単純比較には一部注意が必要です。
②構造改革費用1,053億円を計上し体質強化を断行する
2025年度にネクストステージ支援制度特別措置(特別退職金等の支給)を実施し、1,053億円の費用を計上しました。一時的に営業利益を下押ししたものの、来期以降のコスト削減や効率化につながる前向きな施策であり、転職者にとっては中長期的な成長環境での就業が期待できる好材料です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.5
売上高
5兆8,947億円
(前年度比 +107%)
営業利益
4,330億円
(前年度比 +111%)
親会社株主帰属純利益
4,077億円
(前年度比 +126%)
※調整後営業利益 = 営業利益から事業・資産売却損益、減損損失等のその他の損益を控除した指標(2025年度実績は5,012億円)
2025年度の通期実績は、為替円安の影響や価格改善の効果、インフラ部門およびライフ部門の規模拡大などが寄与し、売上高が前年度比+3,730億円の5兆8,947億円と非常に好調でした。ネクストステージ(構造改革制度)除く営業利益は前年度比+1,466億円の5,384億円に達し、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しています。
通期予想に対する実績の達成度は極めて順調であり、空調・家電事業を除くすべてのサブセグメントで前年度比増益を達成しました。将来に向けた成長投資を実行しつつ、2,315億円の安定的なフリー・キャッシュ・フローを創出しており、転職希望者にとってこの上なく強固で安心感のある財務健全性が証明されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.8
社会システム事業
【事業内容】国内外の公共分野や交通分野におけるインフラ設備投資に対応する事業です。
【業績推移】売上高5,686億円(前年度比+936億円)、営業利益688億円(前年度比+353億円)と大幅な増収増益を達成しました。
【注目ポイント】国内の交通事業や海外向け無停電電源装置(UPS)事業の増加が業績を牽引しています。国内外の公共投資が堅調に推移する中、インフラの近代化や大規模プロジェクトを円滑に推進・管理できる、経験豊富なプロジェクト管理・設計人材が強く必要とされています。
エネルギーシステム事業
【事業内容】再生可能エネルギーの拡大や電力流通インフラを最適化・支えるコア事業です。
【業績推移】売上高4,733億円(前年度比+771億円)、営業利益453億円(前年度比+178億円)と手堅く成長を続けています。
【注目ポイント】データセンターの増設や再生可能エネルギーの拡大を背景に需要が非常に好調です。国内外の電力流通事業の拡大に確実に対応するため、高電圧技術や大規模システムインテグレーションの知見を持つ技術系専門人材の採用活動が本格化しています。
防衛・宇宙システム事業
【事業内容】政府関連予算に基づき、防衛・宇宙分野の先進国家プロジェクトを展開する事業です。
【業績推移】売上高4,214億円(前年度比+676億円)、営業利益405億円(前年度比+121億円)と大幅な増益を記録しました。
【注目ポイント】政府の防衛関連予算増加を背景に、大口案件が相次いで増加し受注・売上ともに前年を上回っています。最先端の宇宙開発や高度な防衛テクノロジーを具現化するため、極めて高い要件を満たすソフトウェア開発やシステム設計人材が強く求められています。
FAシステム事業
【事業内容】工場の自動化・スマート化を推進するファクトリーオートメーション機器を開発・提供します。
【業績推移】売上高7,982億円(前年度比+726億円)、営業利益766億円(前年度比+298億円)と好調な推移となりました。
【注目ポイント】スマートフォンや工作機械関連需要に加え、日本・中国でのAI関連半導体への設備投資需要が増加しています。製造業の生産性向上やデジタルツインを支えるため、最先端の制御技術やAI技術を融合したシステム開発経験者が広く重備される環境です。
自動車機器事業
【事業内容】自動車向けの最先端電装品や次世代モビリティに関わる製品を供給する事業です。
【業績推移】売上高8,756億円(前年度比-435億円)と減収も、営業利益は544億円(前年度比+186億円)と着実な増益を確保しました。
【注目ポイント】中国市場における日系メーカーの苦戦や北米事業の縮小が逆風となりましたが、徹底した価格改善や費用の削減が功を奏しています。次世代モビリティに向けた事業ポートフォリオの構造的転換が進んでおり、機種構成改善や効率化を担える技術人材の重要性が一段と増しています。
ビルシステム事業
【事業内容】エレベーターやエスカレーターなどのビル設備および保守サービスを提供する事業です。
【業績推移】売上高7,078億円(前年度比+418億円)、営業利益667億円(前年度比+165億円)と力強く躍進しました。
【注目ポイント】(注:期中の中東関係会社をグループ会社化した影響を含むため単純比較不可) 国内のリニューアル需要拡大に加え、海外市場での成長が寄与しています。グローバル展開の加速とビルのスマート化に伴い、高度な保守管理や海外営業体制を強化できる中途採用のニーズが高まっています。
空調・家電事業
【事業内容】グローバル市場に向けて、家庭用・業務用の空調機器や白物家電を展開します。
【業績推移】売上高16,103億円と大幅な増収の一方、営業利益は1,038億円(前年度比-33億円)と素材高騰が直撃し減益となりました。
【注目ポイント】円安や価格改善に加え、欧州・国内・北米で需要拡大の動きが継続し売上高は伸長しています。素材高騰などの利益圧迫要因をはねのけるため、環境規制に合致した次世代省エネ空調の開発や効率的な資材調達プロフェッショナルが不可欠です。
デジタルイノベーションセグメント
【事業内容】ITインフラ、高度なセキュリティ、製造DXソリューションを一元的に提供するセグメントです。
【業績推移】売上高1,580億円(前年度比+111億円)、営業利益119億円(前年度比+10億円)と堅調な増収増益です。
【注目ポイント】レガシーシステムの更新や企業のDX導入関連需要が極めて強固に推移しています。製造業に強みを持つグループの顧客基盤に対して、実効性の高いセキュリティ対策やデジタル化を直接アドバイスできる専門人材の増強が急務となっています。
セミコンダクター・デバイスセグメント
【事業内容】電鉄・電力向けのパワー半導体や高精度な通信用光デバイスをコアとする事業です。
【業績推移】売上高2,871億円、営業利益475億円(前年度比+69億円)と、厳しい環境下で見事な増益を達成しました。
【注目ポイント】パワー半導体全体の需要停滞が続く中、通信用光デバイスやエネルギー分野向けの特化型製品が業績を下支えしました。売上構成の変動影響をうまくとらえており、グリーン革新の鍵を握るパワー半導体のプロセス開発能力や設計知見を持つ即戦力への期待が高まっています。
その他セグメント
【事業内容】グループ内の多様なオペレーション、物流、各種サービス機能を包括的に担うセグメントです。
【業績推移】売上高8,235億円(前年度比-285億円)となったものの、営業利益は531億円(前年度比+15億円)と収益効率を改善しました。
【注目ポイント】全体の売上規模は微減したものの、効率化と構成改善の推進により増益をしっかり確保しています。巨大なグループ全体の多様なオペレーションを根底から支え、業務プロセスの変革や効率化を泥臭く実行できるバックオフィス系プロフェッショナルが活躍できる土壌です。
日本地域
【事業内容】マザー工場や中枢機能を擁する、グループ最大の基盤であり最重要市場です。
【業績推移】売上高2兆9,323億円(前年度比+2,088億円)と、全体の安定を支える手堅い増収を記録しました。
【注目ポイント】緩やかな景気回復や設備投資の底堅さを背景に、国内の交通事業やビルのリニューアル需要が力強く拡大しました。既存の巨大な事業構造に対して着実にデジタル変革を実装し、国内市場のさらなる深耕を牽引できる現場リーダー層の採用に注力しています。
北米地域
【事業内容】データセンター投資やAIなどのテクノロジー関連投資が極めて活発な先進市場です。
【業績推移】売上高8,527億円(前年度比+536億円)と、高水準な成長基調をしっかりと維持しています。
【注目ポイント】車載マルチメディア事業の縮小影響を、データセンター関連投資や家庭用・業務用空調機器の増加が見事に補い成長を牽引しました。現地の最先端ニーズを的確に汲み取り、製品開発や海外事業開拓をダイナミックに推進できるグローバル人材が必要不可欠です。
中国地域
【事業内容】世界の製造業の集積地であり、FAシステムや自動車機器にとって極めて重要な拠点地域です。
【業績推移】売上高5,404億円(前年度比+106億円)と、経済の減速影響を背景に微増にとどまりました。
【注目ポイント】不動産不況や日系完成車メーカーの販売減少などの大きな逆風が吹く一方、スマートフォンや工作機械関連、AI半導体設備投資がFA事業を力強く下支えしました。市場の急速な変化とリスクを捉え、的確に現地法人と連携しビジネスを展開できる専門家が求められています。
アジア(除く中国)地域
【事業内容】インドや東南アジアなど、インフラ需要や自動車販売が急速に成長しているエリアです。
【業績推移】売上高6,832億円(前年度比+418億円)と、市場の拡大に伴い高い成長スピードを維持しています。
【注目ポイント】インド等を中心とする新車販売の増加や、都市部でのインフラ・ビルシステム案件が業績を力強く底上げしています。急成長する新興国市場を確実に開拓し、現地生産や大規模なグローバルプロジェクトを牽引できるフロンティア精神にあふれた人材への期待は大です。
欧州地域
【事業内容】環境対応型の高度な空調機器への需要や、新車販売が着実に伸長する環境先進市場です。
【業績推移】売上高7,753億円(前年度比+568億円)と、需要の回復基調に乗り極めて好調に推移しました。
【注目ポイント】欧州市場における家庭用・業務用空調機器の需要回復の動きが継続しており、売上が大幅に増加しました。欧州特有の極めて厳しい環境法規や基準を迅速にクリアし、三菱電機の先進的な環境技術・製品を広く現地へ浸透させられる技術営業や法務・マーケティングのプロが活躍できます。
その他地域
【事業内容】中東やアフリカ、CISを含む、今後のポテンシャルが大きい広大な新規開拓市場です。
【業績推移】売上高1,105億円(前年度比+12億円)と、構造再編を経ながら着実な足取りを堅持しています。
【注目ポイント】(注:期中の中東関係会社を連結子会社化した構造的変化を含みます)。ビルシステム分野等の大型案件獲得に向けた戦略的布石が整いつつあり、未開拓の市場で三菱電機の強みをタフにアピール・展開できる、経験豊かな海外営業・事業開発人材の獲得を急いでいます。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 決算説明会資料 P.15
2026年度(2027年3月期)の業績見通しは、売上高6兆2,000億円、調整後営業利益5,900億円と、ともに過去最高をさらに更新する計画を掲げています。地政学的リスクの長期化や中東情勢を背景とする資源価格、原油由来の原材料・物流費高騰の影響を事前にしっかりと業績見通しへ織り込みつつ、防衛システムやFAシステム、ライフ部門の拡大を推し進める方針です。
戦略面では、独自のデジタル基盤「Serendie」を活用した「循環型 デジタル・エンジニアリング」を具現化・拡大し、抜本的な事業モデル変革を加速します。あらゆる階層でROIC経営を徹底し、資産効率とキャッシュ創出力を向上させる姿勢が鮮明であり、デジタル変革や柔軟な拠点管理を自律的に推進できる高付加価値な中途人材の採用・獲得が一段と重視されています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
三菱電機は強固なインフラ事業から最先端のデジタル変革、FAシステムまで多角的で盤石なポートフォリオを有しています。2025年度には売上高・営業利益ともに過去最高を更新しており、その抜群の安定感と強さは圧倒的です。志望動機を練る際は、同社が強力に推し進めるデジタル基盤「Serendie」を活用した循環型ビジネスや、高い海外売上比率(50%)に深く着目し、自身の専門スキルがどのように次世代の社会インフラ構築やスマート化の現場に貢献できるかを具体的・客観的に語るのが非常に効果的です。
面接での逆質問例
・2026年度の業績見通しにおいて、地政学的リスクや資材高騰を柔軟に織り込みつつも最高益の更新を見込んでおられますが、この不確実性の高い外部環境下で各事業部門がスピーディーに連携しシナジーを生み出すための仕組みや組織風土について詳しく伺いたいです。
・最重要戦略に掲げられているデジタル基盤「Serendie」を活用した事業モデル変革において、今後入社する中途採用の専門人材には、現場で具体的にどのようなスピード感や変革の主導的役割が期待されているか、現場のリアルな課題感を含めて教えていただけますでしょうか。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
暦通りの休日を確保できるのはありがたい
年間休日は比較的多く、祝日が週の中にある場合は振替休日が設けられることが多いです。これにより、年間を通じて暦通りの休日を確保できるのはありがたいです。
(20代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]顔を合わせる機会が減少
フリーアドレスやリモートワークの普及により、顔を合わせる機会が減少し、新しく入社した方は最初のうちは人間関係の構築に少し苦労するかもしれません。
(40代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 三菱電機株式会社 2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月28日発表)
- 三菱電機株式会社 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)の一部訂正に関するお知らせ(2026年6月11日発表)



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