0 編集部が注目した重点ポイント
① 売上高と営業利益が上期として過去最高を更新
2026年3月期第2四半期の連結累計実績において、売上高が前年同期比で889億円増加し、過去最高を更新しました。インフラ事業を中心とした売上拡大に加え、価格改善などの収益性改善施策が着実に進捗したことが、大幅な増益を牽引しています。転職者にとっても、既存事業の収益基盤が強化されている点は非常にポジティブな材料です。
② IT子会社の譲渡により経営資源の集中を加速
2025年度第2四半期において、三菱電機インフォメーションシステムズ(株)および三菱電機ITソリューションズ(株)の子会社株式を譲渡しました。これにより約220億円の一過性収益を計上し、連結範囲から除外されています。今後は「デジタルイノベーション」セグメントを通じて、製造DXやITインフラ領域への専門的なキャリア機会が再編される見通しです。
③ 通期売上高予想を5兆6,700億円に上方修正
インフラ分野での需要拡大や為替条件の円安見直しを背景に、通期の売上高予想を前回から2,700億円上方修正しました。営業利益についても、特別措置による費用を織り込みつつ当初目標の4,300億円を維持しており、経営体質の強化に向けた強い意志が示されています。成長領域への積極投資が見込まれる局面です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.5
2026年3月期上期は、為替円高の影響を受けたものの、インフラを中心とした売上増や価格改善施策が奏功し、大幅な増益を達成しました。特に営業利益は前年同期の1,766億円から2,243億円へと大きく伸長しています。また、親会社株主に帰属する中間純利益は1,893億円となり、前年同期比で60%の大幅増を記録しました。
通期予想に対する進捗率は、売上高で48.2%、営業利益で52.1%となっており、業績は順調に推移しています。下期に向けても経営体質の強化施策を着実に推進し、目標達成を目指す構えです。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.12
インフラ(社会・エネルギー・防衛)
事業内容:公共分野、交通、電力流通、防衛システム等の社会基盤を支える製品・サービスを提供しています。
業績推移:売上高5,823億円(前年比+835億円)、営業利益388億円となり、大幅な増収増益を達成しました。
注目ポイント:再生可能エネルギーの拡大やデータセンター増設に伴う需要が極めて堅調です。特に社会システムとエネルギーシステムの両輪で受注高が伸長しており、大規模プロジェクトを管理できるエンジニアや施工管理職のニーズが高まっています。
インダストリー・モビリティ(FA・自動車)
事業内容:工場の自動化を支えるFAシステムや、電動化・ADAS等の次世代自動車機器を展開しています。
業績推移:売上高8,008億円。FAシステムは増収増益ですが、自動車機器は販売減により減収となりました。
注目ポイント:FA領域では中国や国内でのAI関連投資が活発化しており、受注高が回復傾向にあります。自動車機器は収益性改善が急務となっており、コスト構造の改革や価格転嫁を推進できる実務人材の活躍が期待されています。
ライフ(ビル・空調・家電)
事業内容:昇降機、ビル管理システム、家庭用・業務用空調機器などを幅広く提供しています。
業績推移:売上高1兆1,437億円。空調・家電が増収を維持する一方、利益面は為替影響で減益となりました。
注目ポイント:北米や国内での空調需要は依然として堅調で、欧州でも需要回復の兆しが見えます。グローバルなSCM再構築や、省エネ技術の高度化が求められており、海外拠点を巻き込んだ開発・事業運営の経験者が重宝されます。
デジタルイノベーション
事業内容:(注:2025年度より名称変更)製造DXソリューションやITセキュリティ等のデジタル事業を担います。
業績推移:売上高718億円(前年比+35億円)。DX導入関連の需要が堅調に推移しています。
注目ポイント:一部子会社の譲渡を経て、よりコアとなる製造DXやITインフラへ注力する体制にシフトしました。グループ全体のデジタル変革を加速させるため、ITアーキテクトやDXコンサルタントへの需要が急速に拡大しています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.19
三菱電機は、2026年3月期の通期売上高を前回予想から5兆6,700億円へ上方修正しました。これには、インフラ分野の更なる拡大や、為替レートの見直し(米ドル140円から145円など)が寄与しています。一方、営業利益については当初の4,300億円を据え置きましたが、これは構造改革に伴う「ネクストステージ支援制度特別措置」の費用約400億円を織り込んだ結果であり、実質的な稼ぐ力の向上は継続しています。
また、米国関税影響への対策として価格転嫁を進めるなど、地政学的リスクへの対応力も強化されています。今後は、子会社譲渡による経営資源の最適化を背景に、成長分野への人材投入が加速する見通しです。特に、過去最高の上期実績を支えたインフラや、回復の兆しが見えるFA分野での採用動向には要注目です。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
三菱電機は現在、ポートフォリオの最適化を断行しており、「デジタル・インフラ・環境」といった成長領域へのシフトを鮮明にしています。特にインフラ分野での過去最高の売上や、IT子会社の譲渡といった抜本的な構造改革に共感し、「伝統ある巨大企業の変革を、自らの専門性で加速させたい」という姿勢は、強いアピールポイントになるでしょう。
面接での逆質問例
「今回のIT子会社の譲渡を経て、グループ内の『デジタルイノベーション』部門が担うべき役割や、他部門との連携方法はどのように変化していくのでしょうか?」「通期で売上高を2,700億円上方修正されましたが、今回注力されているインフラ分野の成長を中長期的に維持するため、中途採用者に最も期待されている役割は何ですか?」といった、戦略に踏み込んだ質問が有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
暦通りの休日を確保できるのはありがたい
年間休日は比較的多く、祝日が週の中にある場合は振替休日が設けられることが多いです。これにより、年間を通じて暦通りの休日を確保できるのはありがたいです。
(20代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]人間関係の構築に少し苦労する
フリーアドレスやリモートワークの普及により、顔を合わせる機会が減少し、新しく入社した方は最初のうちは人間関係の構築に少し苦労するかもしれません。
(40代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明会(2025年10月31日発表)
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)(2025年10月31日発表)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。