【平均年収774.8万円】豊田自動織機社員の給料は実際いくらもらっているのか？

「豊田自動織機」という会社名から、どのような企業を想像するでしょうか。
豊田自動織機は、1926年にトヨタグループの創始者である豊田佐吉氏が発明した自動織機の製造・販売を目的として設立されました。その後の1937年に自動車部門のみを独立させ、設立されたのが現在の「トヨタ自動車」です。つまり日本が誇るブランドである「トヨタ」は、豊田自動織機の自動車部門からスタートしており、豊田自動織機は、まさに「トヨタグループの源流」ともいえる企業なのです。

現在は自動車部門、産業車両部門、繊維機械部門の3部門に分かれています。トヨタグループの源流であることから、現在においても自動車部門で車両の開発・生産を請け負うのはもちろんのこと、実は産業車両部門、とくにフォークリフトの生産・販売において驚くべき実績を残しています。フォークリフトの国内販売台数については52年連続で第一位を記録し、そのシェアに関しては、なんと世界でNo.1を誇る企業なのです。

また豊田自動織機は年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。

豊田自動織機の平均年収が高水準であることは、好調な業績が大きく影響しています。
2018年3月期の決算において、売上高は2兆39億円で前年比19.6％増、営業利益は1474億円で前年比15.8％増と、増収増益の好業績を収めているのです。とくにフォークリフトなどの産業車両では、売上高が1兆2830億円で前年比29.8％増と大きく貢献しています。世界各国での販売台数の増加に加えて、欧米物流大手2社（バスティアン社（本社：米国）およびファンダランデ社（本社：オランダ））の子会社化により売上高が増加しました。

また豊田自動織機の賞与の姿勢として、賞与は5か月分と会社業績に応じたプラスαの額が支給されるため、こうした好業績の影響は大きいものと考えられます。つまりこの売上高の増加こそが、年収の高さにもつながっているといえます。

豊田自動織機では、基幹職1級～3級、SS、MSなどのステージごとに給与が異なります。
30～40時間の残業時間込みでの年収水準を見てみると、20代前半から後半にかけてはMSの750万円～850万円となっています。30代前半からはSSの850万円～950万円で、30代後半の基幹職3級では950万円～1050万円と、大台の年収1000万円を超えられるのは30代後半と考えてよいでしょう。

40代後半からの基幹職1級では1150万円～1250万円となるようですので、目指すは1級と大きな目標を持つとよいかもしれません。

増収増益で好調である一方、世界的に広がりをみせる自動運転化やシェアリング、さらには米国が掲げる自動車の追加関税政策など逆風が吹いています。これによりトヨタ自動車は抜本的な組織再編を余儀なくされており、それにともなって小型車生産を東北に集約させ、生産を効率化する計画が発表されました。豊田自動織機が愛知県大府市の長草工場で生産していた人気車種「ヴィッツ」についても、今秋に東北に移す予定です。

また自動車事業の車両部門で、2018年3月期は前年比マイナス10億円が記録され、1.4％売上減の主たる要因になっています。業績が好調な豊田自動織機ですが、上記の懸念点には留意する必要があるでしょう。

ここまで豊田自動織機の年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか？

豊田自動織機は、自動車部門の不振を産業車両部門の躍進で補うため、物流ソリューション事業の強化に取り組む構えです。買収した欧米物流大手2社や電機メーカーと協業を深めることで、商品ラインアップを拡充させ、産業車両全体の営業利益率をさらに伸ばしていく予定です。また電子商取引（EC）の拡大によって小口配送の需要が高まっていることから、この市場規模が現在の3兆円から、8年後には2倍の6兆円まで膨らむことを見込んでの戦略と考えてよいでしょう。

本事業が軌道にのれば、業績のさらなる好調、ひいては年収の増加につながります。こうした時代にそなえた動きをいち早くできる点は、さすがトヨタグループの源流企業であるといえます。