【口コミ評判】レオパレス21の「施工不備問題」が難航 社員も困惑「社名を名乗った瞬間に追い返される」

【口コミ評判】レオパレス21の「施工不備問題」が難航 社員も困惑「社名を名乗った瞬間に追い返される」

賃貸アパート大手のレオパレス21は7月9日、不備のある自社物件が2万棟にのぼることが調査で判明したと発表しました。改修が完了している物件は全体の4.3%にすぎず、問題の解決には時間がかかりそうです。現役社員・OBOGの声を整理します。


強すぎるトップタウン「創業者は絶対」

レオパレス21の物件については、2018年5月にテレビ東京「ガイアの夜明け」が「違法建築疑惑のスクープ」を放送したことなどを受けて、会社は「界壁施工不備問題緊急対策本部」を立ち上げて調査を行っていました。

問題となっている施工不備の種類は「界壁」と「外壁仕様」「天井部」の3つ。今年5月29日には外部調査委員会による「施工不備問題に関する調査報告書」が公表されました。

調査報告書は、創業者の深山祐助氏が違法性を認識しながら界壁を施工しなくてよい旨を指示・命令した事実までは認められないものの、営業面を優先して適法な業務体制の整備を怠った、などと指摘しています。

この深山祐助氏は2006年、私的流用の責任をとって代表取締役を辞任しています。入居者から徴収した手数料を売上に計上せず、別口座で管理して自身と知人企業に計47億円を貸付けていたことが発覚するというとんでもない理由でした。

調査報告書は「レオパレス 21 の役職員からは、深山祐助氏の建築関係法令に対する遵法意識の低さを指摘する声も多く挙がった」と指摘。そのワンマンぶりを表すアンケート結果(社員の声)を掲載しています。

「当時の商品開発課は、初代社長:深山祐助氏からの直接的な指示を受けていたものと考えられる。先代の社長から伝統を引継ぎ、現在もであるが、役員の権限が強すぎることが原因である。例として、専門性の高く慎重な判断をすべき事項でも、何でもトップダウンで指示が来る」

「当時の社長(創業者)からは常に利益やコストに関して厳しく強く求められていたと思われ、それに応えるため、建築事業部内で色々と工期短縮や経費削減を重視して対処していた中で『このぐらいであればいいのではないか』という驕りと事の重要性を軽視し、最低限の範囲で行うかたちをとった。それを取締役である経営陣に正直に報告していなかった。営業色が強い社内の経営体質から正直に報告するという状況下ではなかったと思われる」

「絶対者(創業者)の存在、上の指示を鵜呑みにして下に伝えるだけのストローマネジメント体質、自分のことしか考えない視野の狭さ。開発から販売竣工引渡までの一連の流れ全体を俯瞰してコントロールするという発想の欠如、指示後にチェックしない管理不在の風土が考えられます。現在もストローマネジメントが横行しており組織間の連携も不十分」

リスクを指摘した社員に「お前は敵か」と営業

またアンケートには、売上や営業が最優先される企業風土をよく表すエピソードが掲載されており、このような雰囲気の中で施工不備が生み出されていったことが推測されます。

「リスクや問題点を指摘した時、営業上席より『お前は敵か』、『営業の士気を下げる』等常に営業最優先を求める」

「上司からのプレッシャーにより法令を軽視する所は今まで見てきました。設計の立場からは法令順守を何度も提起していますが、工事部門(監理技術課)の体質として法令を軽視する体質にあります」

「役員の意見が『絶対』で誰も歯向かえない。意見を言っても倍返しに被せられ、その役員が、いつまでに売上を!!受注を!と過度なストレスを現場にかけた結果、このようなずさんな物件が多数できたものと思われます」

「登録した社員に対して『何でこんなクレームを登録するんだよ。俺が怒られるんだよ。』などと怒りをぶつけるため、社員はなるべくクレーム登録をせず、隠蔽する構図ができてしまっている」

これを裏付けるように、外部調査委員会は社員の有志から「特定の役員による、明らかにパワハラの域に達しているだけではなく、常軌を逸した叱責行為の録音や、当該役員とは別の役員による極めて不適切な内容の営業指示文書」の提供を受けた、としています。

「休みのない激務」「やくざのような罵声や暴力」は改善されたか

レオパレス21は2000年3月期に108億円、2006年3月期にも165億円の最終赤字を出しました。その後も、2010年3月期に790億円、2011年3月期に408億円の最終赤字を計上しています。

2019年3月期は、問題への対応費用を含めて686億円の最終赤字となっています。

企業口コミサイト「キャリコネ」にも、社内の雰囲気が垣間見られる書き込みが残っています。すでにレオパレス21を退職して別の会社で働く30代男性は、2018年7月の書き込みで「現在はかなり改善されていると聴いているが」と断りつつ、「まったく休みがなかった」などと当時を振り返っています。

「建築部門に関しては、週一回休みがとれればいいというレベルで、アポイントが取れてない課については、午前0時近くまで残業させられるのが日常茶飯事だった。当然、上司や先輩も厳しく、あんまりいい環境ということは言えないのでないでしょうかね。大声で叱咤される(罵声)などはいつも飛び交っていた」

営業スタイルは「地主への飛び込み」ですが、営業先での評判は芳しくなく、苦労することも多かったようです。ルートセールスを担当していた20代後半の男性は、2015年の書き込みで、こう嘆いています。

「世間一般での会社の評判が非常に悪く、社名を名乗った瞬間に怒られ追い返されるなんてしょっちゅうで非常に精神的に辛い。その上、会社からの成果に対する追及も容赦なしにあるので、ダブルで精神的に追い詰められる。常に結果を残すか、多少の精神破壊に耐えられる心がないと、とてもじゃないが耐えられない」

企画営業を担当していた20代前半の男性に至っては、2014年の書き込みで、お客様から同情された経験もあると打ち明けています。このような雰囲気の中で施工不備問題が横行していたと考えると、かなり辛いものであったことでしょう。

「会社の評判が町全体で非常に悪く、ある地主様に伺ったときに『君は優しすぎるからレオパレスにはもったいないよ』と言われました。そのときはまだまだ『頑張りますので!』と言っていましたが、休みのない激務、やくざのような罵声や暴力が飛び交う支店で、精神的に参ってしまいました…」

現在はこのような企業体質は一掃されたと思いたいものです。しかし、深山祐助氏の甥で長年社長を務めた深山英世氏が、今回の退任後に相談役として残ることも決まっており、株主総会で批判が噴出したということです。

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