【19年3月期】事業構造改革に苦しむパナソニック 車載事業は「再挑戦事業」に格下げ

【19年3月期】事業構造改革に苦しむパナソニック 車載事業は「再挑戦事業」に格下げ

高度成長期には「ナショナル」「松下電器」として世界的なブランドとなったパナソニック。グローバル化が進む中で、消費者向けから公共インフラ・ビジネス向けにシフトしていますが、勝ちパターンが絞りきれないまま、低収益が続いています。財務諸表を基に現状と将来性を整理します。


損益計算書(PL):売上高8兆円、営業利益率5%

パナソニックの2019年3月期の売上高は前期比0.3%増の8兆27億円営業利益は同8.1%増の4115億円増収増益でした。

売上原価は前期比1.7%増で、粗利率は同1.0ptの悪化。販管費は同5.3%減で、営業利益率は5.1%と同0.3pt増となりました。

各セグメントで減益となっていますが、自社保有の土地の売却益等の「その他損益」が約300億円のプラスとなり、増益で着地しました。

なお、パナソニックは、以前は米国会計基準(SEC基準)を採用していましたが、2017年3月期から国際会計基準(IFRS)を採用しています。

セグメント分析:5つすべての事業で減益

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コンサル会社員をしながら、副業ライターとして執筆活動を行っています。証券アナリスト取得を目指し日々邁進しております。


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