今回取り上げるのは欧米型の戦略PRを日本に取り入れた企業。8年連続で昨対比125%以上の成長を続け、現在PR会社では国内売上No.1を誇る株式会社ベクトルです。
ベクトルの平均年収は777.9万円
ベクトルの有価証券報告書によると、平均年収は777.9万円と記載されています。キャリコネに投稿された給与明細を参考にベクトルの年代別年収レンジを算出したところ、20歳代で650〜700万円、30歳代で830〜880万円、40歳代で940〜990万円となりました。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は495.7万円(国税庁・令和2年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.57倍の額です。
■ベクトルの平均年収推移
決算月 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
2022年2月期 | 777.9万円 | 32.8歳 | 2.7年 | 74人 |
2021年2月期 | 765万円 | 37.3歳 | 3.6年 | 89人 |
2020年2月期 | 500.9万円 | 29.3歳 | 2.7年 | 279人 |
2019年2月期 | 470.8万円 | 29.4歳 | 2.8年 | 265人 |
2018年2月期 | 571.4万円 | 29.2歳 | 2.5年 | 183人 |
出典:ベクトル・有価証券報告書
過去5年間の平均年収の推移をグラフと表組みで示しています。
ベクトルの平均年収は前年を上回り777.9万円でした。
過去5年間では最高額になりました。
ベクトルの年代別平均年収と中央値
■ベクトルの年収中央値は30代で845.4万円
続いて年収実態により近い年収中央値を見てみます。20代から50代までの平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値を表にまとめました。
年代 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス | 年収中央値 |
---|---|---|---|---|
20代 | 670.3万円 | 49.1万円 | 68.8万円 | 603.27万円 |
30代 | 845.4万円 | 61.6万円 | 86.8万円 | 760.86万円 |
40代 | 960.7万円 | 69.9万円 | 98.6万円 | 864.63万円 |
50代 | 983.2万円 | 71.5万円 | 100.9万円 | 884.88万円 |
※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出
ベクトルの給与制度
■30歳部長職年収1000万円もみえる
ベクトルの給与体制は実力主義の傾向が強く、昇格することで給与は上がっていきます。昇格に年齢は関係なく、年収差は年齢よりも役職に依るところが大きいと言えるでしょう。昇格後の年収モデルは下記の通りです。
・マネージャー職:年収600万円前後
・部長職:年収1000万円前後
新卒入社の場合、早くて4年でマネージャー職に昇進する可能性があります。中途入社の場合の昇進時期はまちまちですが、結果を出すことができれば早い段階での昇進が見込めます。実績次第では、30歳前後であっても部長職に昇進できます。実力次第で同社平均年収を大きく上回ることも可能ですが、長く勤務しても年収があまり変わらない可能性もあります。
実際の給与明細を見比べると、目安では見えてこなかった驚きの現実が!
ベクトル社員の給与明細(キャリコネ)
年齢が上でも給与が高いとは限らない?
20代広告宣伝(非管理職)の 給与明細
30代広告宣伝(非管理職)の 給与明細
インセンティブの差が年収の差に
20代営業職(非管理職)の 給与明細
20代コンサルタント(非管理職)の 給与明細
売上規模の大きさが年収にも反映
■インセンティブで年収1000万円も
ベクトルの給与は年俸制です。年俸には月55時間の固定残業代が含まれており、月ごとに残業代が別途支払われることはありません。それに加えて、年2回の賞与と月1回のインセンティブが支給されます。
賞与は業績連動のため、業績や成果に応じて金額や支給回数が変わります。賞与の支給対象となるのは中途入社2年目以降からです。インセンティブに関しても、成果に応じての支給となるため金額は一律ではありません。支給されるのは営業職などの一部職種のみです。インセンティブは粗利益を基準として金額が決定されます。目安としては、年間1億円の粗利益をもたらせば、そのインセンティブで年収1,000万円前後が見えてきます。裏を返せば社員間で年収の差が大きいと言えます。そのほか、全額支給の通勤手当に加えて住居手当が月1万円支給されます。住居手当は、会社から半径1.5キロメートル圏内在住の人が対象です。
口コミには年収の実態を如実に表す証言がありました。
ベクトル社員の口コミ(キャリコネ)
自分の実力でしっかり稼げる
「実力があれば女性でも出世しやすい会社。ボーナスも完全出来高制で副業もOKなので、 実力次第では会社内外でしっかり稼げる。自分の実力に自信がある女性なら… 」
出世で目指す高収入
「役職者の給与は高く、年間1億ほどの利益を上げればインセンティブを含めて年収は1,000万近くに。部長以下は前職の給与を考慮するため、現職の給与が…」
ベクトルと競合他社の平均年収を比較
ベクトルの競合や同業界である共同ピーアール、プラップジャパンの3社で平均年収を比較します。
各社の最新有価証券報告書に記載されている額は、ベクトルが777.9万円、共同ピーアールが578.7万円、プラップジャパンが587.5万円です。
この3社の中で最高額はベクトルの777.9万円で、最低額が共同ピーアールの578.7万円。その差はおよそ200万円で、かなりの差があります。
この比較企業の中ではベクトルは1番目に位置します。
社名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数(単体) | 売上高 |
---|---|---|---|---|---|
ベクトル | 777.9万円 | 32.8歳 | 2.7年 | 74人 | 51.56億円 |
プラップジャパン | 587.5万円 | 35.9歳 | 7年 | 208人 | 38.58億円 |
共同ピーアール | 578.7万円 | 39.8歳 | 9.7年 | 194人 | 46.45億円 |
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競合他社の給与明細(キャリコネ)
同職種20代ならベクトルへの期待値が高め
プラップジャパン・30代・広告宣伝(非管理職)の 給与明細
共同ピーアール・20代・広告宣伝(非管理職)の 給与明細
出典・参考
厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「2019年国民生活基礎調査」
経済産業省「2021年企業活動基本調査速報-2020年度実績-」
国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」
マイナビ「2022年版 業種別 モデル年収平均ランキング」