損益計算書(PL):売上利益は過去最高更新
野村総研の2020年3月期決算は、売上高が前期比5.5%増の5289億円、営業利益が同16.4%増の832億円と増収増益で、いずれも過去最高を更新しました。
売上原価は前期比3.4%増の3480億円で、外注費が同107億円増えましたが、増収率を下回っています。これにより売上総利益は同9.8%増の1809億円と増加し、粗利率は34.2%で1.3pt改善しています。
販売費及び一般管理費は前期比4.7%増の977億円で、のれん償却額が前期比19.5%増となる32億円に増えました。しかし増収効果は大きく、営業利益率は同1.4pt増の15.7%で営業利益ととともに前期末の予想を上回っています。
このほか、特別損益として投資有価証券売却益を192億円計上するなどして、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比36.0%増の693億円の大幅増となっています。
なお、新型コロナウイルスの影響については、感染者数増加は夏ころまでに収束し、企業活動は9月ころから本格的に起動、年末に向けて正常化に向かうと想定。上期を中心に受注活動に影響を受け、下期にも影響が残るものの正常化が進むとしています。
これにより2021年3月期の業績予想は、売上高が前期比2.1%増の5400億円、営業利益が同0.2%減の830億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同14.8%減の590億円の増収減益となっています。
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