0 編集部が注目した重点ポイント
①プリマジェストを移管し金融DXを強化する
2025年度より、従来「その他」に含まれていた株式会社プリマジェストをエンタープライズセグメントへ移管しました。これにより、大手金融機関向けのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業とITソリューションの連携を深めています。金融業界のDX推進におけるキャリア機会が大きく拡大しており、専門人材の需要が高まっています。
②通期業績予想を上方修正し成長を加速させる
ITソリューション事業の好調と、拠点統廃合費用の抑制、さらに政策保有株式の売却益計上を受け、2025年12月期の営業利益・経常利益・純利益を各10億円ずつ上方修正しました。第3四半期累計の各利益項目で過去最高を更新しており、システム開発や保守・運用サービスを担うエンジニア職の採用が活発化する見通しです。
③100億円規模の自己株式取得を決定する
株主還元の充実と資本効率の向上を目的として、最大100億円(200万株)の自己株式取得を2025年10月24日に決議しました。年間配当予想も150円から160円へ増配しており、強固な財務基盤を背景とした積極的な還元姿勢を示しています。経営の安定性は、長期的なキャリア形成を望む転職者にとって大きな魅力となります。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度第3四半期 決算説明 P.4
2025年度第3四半期累計期間は、企業の旺盛なIT投資を背景に増収・増益を達成しました。特にITソリューション事業では、ITプロダクトの販売や保守・運用サービス、アウトソーシングが好調に推移し、売上高は前年同期比11%増の2,545億円と成長を継続しています。売上総利益も増加し、販管費における拠点費用の増加などを吸収しました。
営業利益の通期計画580億円に対し、第3四半期累計実績は382億円となり、進捗率は約65.9%となっています。数値上は70%を下回っていますが、同社は当第3四半期の実績を踏まえ、エリアセグメントの好調や費用抑制を理由に業績予想を上方修正しており、現時点での進捗は「進捗が遅れている」ものの、下期の挽回に向けた足取りは力強いと評価されます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度第3四半期 決算説明 P.6
コンスーマ
事業内容:個人向けにカメラ、インクジェットプリンター等のイメージング製品や、PC等のITプロダクトを販売。
業績推移:売上高974億円(前年同期比1%減)、営業利益73億円(同11%減)。カメラ等の減収が響く。
注目ポイント:キヤノン製品は苦戦したものの、ITプロダクトの売上高は前年同期比14%増と大幅に成長しています。Windows 10のサポート終了に伴う高性能PCへの買い替え需要を確実に捉えており、プロダクトマーケティングやEC・リテール向け営業の役割が重要性を増しています。
エンタープライズ
事業内容:大手・中堅企業や官公庁向けに、業種別の経営課題を解決するITソリューションやBPOを提供。
業績推移:売上高1,972億円(前年同期比9%増)、営業利益141億円(同7%増)。大幅な増収増益。
注目ポイント:新規連結された株式会社プリマジェストの寄与に加え、文教・金融向けの大型案件が業績を押し上げました。ITソリューションの売上比率は約78%に達しており、高度なシステム開発力や金融業務への深い知見を持つPM・エンジニアの活躍フィールドが広がっています。
エリア
事業内容:全国の中小企業向けに、キヤノン製品やITインフラの導入・保守・運用をトータルで支援。
業績推移:売上高1,783億円(前年同期比3%増)、営業利益161億円(同21%増)。利益率が大幅に改善。
注目ポイント:中小企業のDX・サステナブル経営を支援する「まかせてIT」の契約件数が増加しています。IT専任人材が不足する顧客に対し、PCからセキュリティ、ネットワークまでを一括サポートするモデルが定着。地域密着型のITコンサルティング営業やカスタマーエンジニアの価値が高まっています。
プロフェッショナル
事業内容:印刷業、半導体、ヘルスケア等の専門領域向けに、特化型の製品やソリューションを提供。
業績推移:売上高349億円(前年同期比3%増)、営業利益36億円(同10%減)。ヘルスケアが好調。
注目ポイント:ヘルスケア事業の売上高が17%増と大きく伸長し、病院向けの大型案件を獲得しました。電子カルテを中心とした医療情報システムの導入が進んでおり、医療現場のデジタル化を支える専門性の高いSEや導入サポートスタッフが求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度第3四半期 決算説明 P.16
キヤノンマーケティングジャパングループは、2025年12月期の通期営業利益を580億円(前期比9%増)へと上方修正しました。企業のIT投資意欲は引き続き旺盛であり、特にWindows 10の延長サポート終了に伴うビジネスPCの入れ替え需要が今後も継続する見込みです。
成長の軸は、単なる機器販売から「保守・運用・アウトソーシング」へとシフトしています。大手企業向けのBPOサービスや中小企業向けのフルサポートサービス「まかせてIT」など、ストック型の収益モデルを強化しており、安定的な成長基盤を構築しています。
また、決算短信の将来予測に関する説明によると、米国の政策動向などの外部環境変化を注視しつつも、日本国内を主要マーケットとしているため、輸出入による直接的な影響は軽微であると分析しています。この国内市場における強固なポジションは、不透明な世界情勢下でも安定した就業環境を提供できる同社の強みと言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は「キヤノン製品」の販売会社から、顧客の経営課題をITで解決する「ITソリューション企業」へと進化しています。特に金融BPOや医療DX、中小企業のサステナブル経営支援など、社会貢献性の高い領域での事業展開が加速しています。自身の専門性をどう活かして、日本企業のDXを支援したいかを言語化することが鍵となります。
面接での逆質問例
・「プリマジェスト社の移管によって、エンタープライズセグメントにおける金融機関向けDX提案の幅はどう広がっていますか?」
・「エリアセグメントで好調な『まかせてIT』において、顧客のサステナビリティ課題に対し具体的にどのようなソリューションを提供していますか?」
・「ITソリューションの構成比が高まる中で、エンジニアのキャリア開発やスキルアップのために、グループとしてどのような投資を行っていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
要望に応えてもらえる環境が整っている
上司との面談で自分の希望を伝えると、かなりの確率でその要望に応えてもらえる環境が整っています。
(40代後半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社 2025年度第3四半期 決算説明
- 2025年12月期 第3四半期決算短信[日本基準](連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。