日立建機の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

日立建機の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

日立建機の2026年3月期3Q決算は、欧米の独自展開が奏功し通期予想を上方修正。2027年の「ランドクロス」への商号変更を見据え、デジタル・環境戦略を加速させています。「なぜ今、日立建機なのか?」、事業ポートフォリオ刷新の中で転職者が担える役割や、グローバルな活躍の可能性を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

北米・欧州の需要増で通期業績予想を上方修正

北米のデータセンター建設や公共工事、欧州での需要回復を背景に、通期売上収益を前回予想から500億円引き上げの1兆3,700億円に上方修正しました。米国関税による原価増という課題に対し、適切な販売価格引き上げ(プライシング)で利益を確保する収益構造の強化が着実に成果を出しています。

非継続事業の分類と事業買収で事業ポートフォリオを刷新

2024年3月期4Qよりスペシャライズド・パーツ・サービス(鉱山向け部品・サービス等)セグメント内のノンコア事業を非継続事業(売却予定の事業)へ分類しました。一方で、2024年12月には米国Brake Supply社を事業買収しており、収益性の高いバリューチェーン事業への経営資源の集中を鮮明にしています。

2027年の商号変更を見据えソリューションプロバイダーへ変革

2027年4月に商号を「ランドクロス株式会社」へ変更することを発表しました。単なる機械メーカーから、デジタル戦略を深化させ、パートナーと連携して顧客課題を解決するソリューションプロバイダーへの転換を加速させています。ドイツへの新会社設立など、次世代開発体制の構築も進んでいます。

1 連結業績ハイライト

欧州・アジア市場の堅調な推移により、為替影響を除いた実質ベースでは前年並みの売上を維持。米国関税影響を価格転嫁で補いつつ、通期目標達成に向けて上方修正を実施しました。
連結決算の概要

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明会 P.4

売上収益

9,793億円

前年比 △1.2%

調整後営業利益

926億円

前年比 △11.4%

親会社株主利益

562億円

前年比 △9.2%

※調整後営業利益 = 売上収益 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費(事業の本業における収益力を示す指標)

当第3四半期累計期間は、米州のOEM供給減少や一部地域での円高影響により、前年同期比で減収減益となりました。しかし、独自展開を進める北米や欧州、アジア地域では堅調な販売を維持しており、販売価格の引き上げがコスト増をカバーしています。営業キャッシュ・フローは1,007億円(前年同期は832億円)と大幅に増加しており、資金創出力は極めて健全です。

通期売上予想1兆3,700億円に対し、第3四半期時点での進捗率は71.5%となっており、業績は概ね順調に推移しています。例年、年度末に向けて売上が立つ傾向もあり、上方修正後の目標達成に自信を見せています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

建設機械ビジネスを核としつつ、収益の柱として「バリューチェーン」と「マイニング」を強化。グローバル各地の需要特性に応じた戦略を展開しています。
地域別売上収益

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明会 P.5

建設機械ビジネス

事業内容: 油圧ショベルやホイールローダ等の製造・販売およびこれに関連するサービスを提供する主力部門。

業績推移: 売上収益8,819億円(前年比2.0%減)、調整後営業利益850億円(前年比9.9%減)。欧州・北米の独自展開は好調。

注目ポイント: 米国関税による原価増に対し、プライシング戦略とレンタルビジネスの強化で対抗しています。特に北米ではデータセンター等の民間投資を背景に、単なる「販売」だけでなく「購入選択権付きレンタル」など新しい商流への適応が求められています。環境対応(電動建機)の普及も重要課題です。

注目職種: 海外営業、サービスエンジニア、デジタルマーケティング、建機レンタル企画

スペシャライズド・パーツ・サービスビジネス

事業内容: マイニング設備等のアフターセールスにおける部品開発・製造、サービスソリューションを提供。

業績推移: 売上収益1,037億円(前年比6.0%増)、調整後営業利益76億円(前年比24.8%減)。米国企業の買収が増収に寄与。

注目ポイント: Bradken社やH-E Parts社に加え、2024年末に買収したBrake Supply社の統合を進めています(注:一部事業は売却予定の非継続事業に分類)。鉱山稼働時間は堅調であり、延期されているメンテナンス需要が今後の利益回復の源泉となります。グローバルなサプライチェーン最適化のスキルが重宝される領域です。

注目職種: 経営企画(PMI)、グローバル購買・サプライチェーン管理、鉱山機械サービススペシャリスト

地域別分析(欧州・北米・アジア)

事業内容: 日本を除く海外売上収益比率は84%に達し、各極でのローカル経営と独自展開を推進。

業績推移: 欧州は22%の大幅増収、アジアも6.4%増。一方で北米(独自展開は堅調もOEM減)や中国、オセアニアは苦戦。

注目ポイント: 欧州では2026年1月にドイツへ開発会社「LANDCROS Development Center Europe」を設立しました。電動建機やICTソリューションのグローバル開発拠点として、開発パートナーとの連携を強化しています。インド市場も堅調であり、新興国比率は58%まで上昇しています。グローバル市場を跨いだプロジェクトマネジメント力が必須となります。

注目職種: 電子・制御開発エンジニア(電動化)、海外プロジェクトマネージャー、事業開発、データアナリスト

3 今後の見通しと採用の注目点

不透明なマクロ環境においても「バリューチェーンの拡充」と「米州事業の拡大」を継続。2027年の新ブランド移行に向けた投資が加速します。
2026年3月期 連結業績予想

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明会 P.13

今後の焦点は、米国関税政策への適応と次世代建機へのシフトです。質疑応答では、来年度の関税コストが約250億円に達する見込みである一方、その約6割を値上げでカバーする計画が語られました。また、マイニング分野ではウズベキスタンやザンビア等の銅・金鉱山から大型受注を獲得しており、2026年度以降の納入に向けた生産・物流体制の構築が急務です。質疑応答で言及された通り、北米市場の先行きの慎重さは残るものの、工事量自体は底堅く、ソリューション提案型の営業職や、ライフサイクルコストを低減させるサービス開発職への期待が高まっています。商号変更に伴うブランディングやデジタル戦略の刷新など、第二の創業期とも言える変化に携われる機会が豊富です。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

日立グループから離れ、「日立建機」から「ランドクロス」へと生まれ変わる大きな変革期にある点に注目。従来の建機販売に留まらず、ICTを活用した施工管理や、電動化・遠隔操作といった社会的課題解決(ESG/DX)への意欲をアピールするのが効果的です。特に「海外拠点の独自経営」が進んでいるため、主体的にグローバルプロジェクトを牽引したいという意欲が評価されます。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「新ブランド『LANDCROS』への移行に伴い、現場の営業スタイルや顧客への提案価値はどのように変わっていくと想定されていますか?」
  • 「北米でのデータセンター建設などの民間投資増加に対し、私の経験を活かして新しいソリューション提案で貢献できる余地はありますか?」
  • 「ドイツの開発子会社設立など海外R&D体制が強化される中で、日本の技術部門とグローバル拠点との連携はどのように深めていく方針でしょうか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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誰もが活躍できる環境が整っている

性別に関係なく、誰もが活躍できる環境が整っていると感じます。特に最近では、女性がリーダーシップを発揮する場面が増えており、女性だけのチームも存在します。管理職への登用も積極的で、休暇も取りやすいので、ワークライフバランスを重視する方には魅力的です。

(40代前半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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重量物を扱う部署や過酷な作業環境

職場環境は部署によって異なり、重量物を扱う部署や過酷な作業環境のところもありますが、事前に情報を集めて自分に合った部署を選べば、働きやすさを感じられるでしょう。

(40代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 日立建機株式会社 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕
  • 日立建機株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算説明会資料
  • 日立建機株式会社 2025年度 第3四半期 決算説明会 質疑応答要約

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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