一見「人に優しい会社」であるのだが
企業口コミサイト「キャリコネ」には、現役社員・OBOGから多くの書き込みが寄せられています。30代の男性システムエンジニアは、独特な言い回しで会社の待遇と社風を表現しています。
とてつもなく仕事のできる社員と、とてつもなく仕事のできない社員の給与は、とてつもなく差が開いているわけではない。(2019.1.13)
言い換えると、社内には非常に仕事のできる人とできない人がいるけれど、能力や働きの違いに応じた給与体系になっていないということです。
別の30代男性社員も「上司の言うことを聞いていれば、ある程度は管理職くらいまでは昇進できる年功序列」と表現。やはり横並びの期間が長いといいます。
差が出るのは入社10年目前後から。その差といっても大した差はなく、明確に差が出るのは40代付近。(2018.12.24)
能力の高い人はモチベーションが下がる一方で、そうでない人は安心してコツコツ働けるのかもしれません。しかし、この男性社員は制度に弊害があると指摘します。
できる・できないに左右されず、業界平均よりも高い報酬を出すという点では、人に優しい会社だと思う。反面、お前はこれ以上に昇進できる余地がないということを40代前後まで本人に明示しないので、その点は非常に残酷だとも思える。(2018.12.24)
早くから競争があれば、出世ルートから外れたと分かった時点で身の振り方を考えることもできます。しかし、40前後で急に突きつけられてからでは、身動きが取れなくなってしまいます。
親会社に影響された「メーカーのようなカルチャー」
日鉄ソリューションズは、日本最大手の鉄鋼メーカー、日本製鉄のグループ企業。利益水準はグループ内でトップクラスの高さを誇る中核企業です。
2019年4月1日に新日鉄住金ソリューションズから社名変更。このような背景を持つ会社の文化について、30代の男性プロジェクトマネージャーはこう表現しています。
新日鉄の流れを汲んでいるので、一般のIT企業と違い、メーカーのようなカルチャーがあります。仕事はほどほどで、ワークライフバランスをとりたい方には向いています。逆にいえば、そうでない方には物足りなくなると思います。(2017.12.6)
源流の日本製鐵は、1950年の財閥解体で消滅した半官半民の国策会社。現在でも中央官庁向け基盤構築案件なども手掛けており、IT企業といっても、かなり堅実で保守的な会社といっていいでしょう。
別のプロジェクトマネージャーは、「高学歴でコミュニケーション力が高くない理系が多い。新卒だとNTTデータ落ちが多い」と評しています。
女性率は低く、特に新卒はわざわざ鉄の子会社を選ぶだけあって、男性以上に変わった人が多い。他社と異なり、女性でも男性と同程度の高学歴を求めているのも、女性率が低い原因と思われる。(2018.3.16)
「40歳を超えた瞬間、年収が激減」のリスク
34歳の男性エンジニアは、自らの給与明細の内容をキャリコネに公開しています。
年収は820万円と、さすがの大企業水準。内訳は、基本給が月40万円で年480万円。役職手当が月3万円、住宅手当が月5万円、その他手当が月2万円で、手当は年計120万円。定期昇給は2回計で年220万円です。
日鉄ソリューションズ株式会社の社員(34歳、男性、プロジェクトマネージャー)の年収・給料・賞与(ボーナス)明細
https://careerconnection.jp/review/705094/review/787619.html?utm_source=corp_research&utm_medium=4767&utm_campaign=contents&utm_content=text_reviews_1&argument=VkGx5ZMW&dmai=corp_research" target="_blank"日鉄ソリューションズ株式会社の社員(34歳、男性、プロジェクトマネージャー)の年収・給料・賞与(ボーナス)情報です。
ところが、40前後になり出世に差が出てくると、出世ルートから外れていた場合には「収入が下がるリスク」もあるようです。
子供がいる東京エリア勤務だと、手当てだけでも年間100万近く貰える。ただし住宅手当が受給できる40歳を超えた瞬間、年収が激減する。(2019.5.19)
これもひとつの「出世の差がつくのは40前後」の会社の恐ろしさといえるでしょう。