【平均年収759.2万円】シャープの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【平均年収759.2万円】シャープの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【年収研究シリーズ】シャープ社員の平均年収は高いのか?実際はいくらもらっている人が多い?給与制度は年俸・月給どっち?ボーナスは年何回で合計いくらもらえるのか?年収額だけでは見えてこないデメリットはあるのか?など、年収に関する話題をデータや口コミから明らかにします。就職・転職の判断にご活用ください。


シャープの平均年収は759.2万円

まずシャープの平均年収について見ていきます。シャープの平均年収は、2019年3月期の有価証券報告書によると、759.2万円です。キャリコネに寄せられた給与明細から算出したシャープ年代別年収レンジは、20歳代で450〜550万円、30歳代で610〜710万円、40歳代で760〜860万円となっています。男女あわせた民間の正規雇用者の平均年収は503.5万円(国税庁・平成30年分民間給与実態統計調査結果)ですから、それと比較しておよそ1.51倍の額です。

シャープの平均年収推移

大幅下落するも、V字回復を実現

シャープ・5年間の平均年収・平均年齢・従業員数(単体)の推移

決算月平均年収平均年齢従業員数
2019年3月期759.2万円44.6歳12518人
2018年3月期753.8万円44.6歳13261人
2017年3月期646.1万円43.8歳13363人
2016年3月期633.7万円43.4歳14544人
2015年3月期728.7万円43.3歳17529人

出典:シャープ・有価証券報告書

過去5年間のシャープの平均年収を見てみると、2015年から2017年までは大きく下落、一転、2018年からは100万円以上もアップするという、V字型のカーブを描いています。平均年収だけではなく、従業員数も2015年の17529人から2019年の12518人と、約5000人も減少するという大きな変化が見られます。

これは、長引く業績悪化の末、2016年に鴻海の傘下に入ったこと、それに伴い抜本的な構造改革に取り組んだ結果、業績が大きく改善された、という経営上の変化が背景にあります。この改革の一貫として、最大7000人規模の人員整理を行うとともに、人事制度の見直しが実施され、賞与の回復・給与削減の廃止などに取り組んだ結果が、平均年収と従業員数の大きな変化につながっています。

シャープの年代別平均年収と中央値

シャープの年収中央値は30代で585.4万円

ここまで平均年収を見てきましたが、シャープのより実態に近い年収は中央値を見ればわかります。シャープの世代別平均年収・平均月収・平均ボーナス・年収中央値は以下の通りです。

シャープの年収実態

年代平均年収平均月収平均ボーナス年収中央値
20代496.1万円31万円79.3万円446.49万円
30代650.4万円40.6万円130万円585.4万円
40代803.2万円50.2万円160.6万円722.88万円
50代933万円58.3万円186.6万円839.7万円
60代591.9万円36.9万円94.7万円532.71万円

※キャリコネの口コミ、有価証券報告書、厚労省・経産省・国税庁発表の調査資料を元に、編集部で独自に算出

シャープは、中小型液晶やAV機器などに強みを持つ電機メーカーですが、業種としては「製造業」に該当します。

この「製造業」という業種は、平均年収という観点においては、全業種平均を全年代において若干下回る業界です。こうした製造業の中で、シャープの年収中央値を見てみると、製造業平均を大きく上回っています。例えば30代であれば、製造業平均は288.2万円ですが、シャープの年収中央値は585.4万円と、実に2倍以上です。この「2倍以上」はほぼすべての年代において当てはまり、いかにシャープの年収が高いかが読み取れます。

シャープの年収が高い理由

賞与は部門と個人の評価によって、1~8ヶ月分!

シャープの年収の高さを実現しているのは、ユニークな賞与制度があるからと言えます。

かつては業績連動型で支給月数が決まっていましたが、現在の制度においては、所属する部門の業績と個々人の成果によって、支給月数が1~8ヶ月分というレンジの中で決定されます。また、支給回数についても、2019年8月に、2回(6・12月)から3回(4・6・12月)に変更されました。この狙いは、①業績をタイムリーに賞与へ反映すること、②社員が業績により関心を持つこと、③部門に対する社員の帰属意識の強化、の3点です。

1~8ヶ月分とはいっても、実際は、「極端に高い・低い、という人は聞いたことがない」「良くても5ヶ月分」との声が多く見られ、「平均4ヶ月分」のようです。また2019年夏賞与においては米中貿易摩擦による業績悪化のため、賞与自体は減額され、自社商品の購入が可能なクーポンを支給する、という事態も起こりました。業績次第で大きく変動する要素ではあるものの、一人ひとりの成果が賞与に直結する仕組みが、社員の成長を後押しするとともに、シャープの高い年収を実現していることは間違いありません。

シャープの給与体系・内訳

役割と成果が給与に反映

シャープの給与体系は、基本給と時間外手当からなる月給と、賞与で構成されています。上述の通り、賞与は2019年8月に、支給回数が2回(6月・12月)から3回(4月が追加)に変更されました。

2016年の構造改革の結果、賃金制度は「役割等級制度」が導入され、各自の役割=業務のランクと、その成果によって月給の金額が決まります。例えば、ランク1は25~30万円/月、ランク2は27~32万円/月というレンジで設定されており、つまり、ランク1で好成績をとれば、ランク2の低成績の人より処遇がよくなるという仕組みです。この制度が導入される前は、いわゆる年功序列で昇進・昇級していく仕組みでしたが、成果主義へ大きく舵を切ったようです。

手当の類は時間外手当以外にはほぼ何も支給されませんが、住宅に関する補助は充実。寮社宅が完備されていることはもちろん、借り上げ社宅を利用する場合は家賃の60~70%程度が会社負担、という充実ぶりです。

シャープ社員の給与明細(キャリコネ)

入社10年で年収は2倍に!

20代技術(非管理職)の 給与明細

20代技術(非管理職)の 給与明細

賞与は業績や評価によって大きく変動

30代(非管理職)の 給与明細

30代(非管理職)の 給与明細

シャープの職種別年収

職種による違いはなし

シャープの職種は、「技術系」と「ビジネス系」の大きく2つに分類されます。「技術系」は、研究開発・設計、生産技術など、「ビジネス系」は法務、経理、営業などの職場で活躍します。

賃金制度は両職種において同一の制度(役割等級制度)が適用されており、役割に応じて賃金レンジが決められているため、職種によって処遇が異なるということはありません。
また、初任給についても職種による違いはなく、以下の通り、学歴別に設定されています。
<初任給(2019年度実績)>
●修士了:243,000円
●大学卒、高専 (専攻科) 卒: 218,500円
●高専 (本科) 卒 :191,500円

年代・役職別の年収目安としては、新入社員:350~400万円、主事:500~600万円、課長職:800万円、部長職1000~1200万円といったあたりです。

シャープ社員の給与明細(キャリコネ)

若手の間は評価は横並びか?

20代営業(非管理職)の 給与明細

20代管理部門(非管理職)の 給与明細

職種が違えど同年齢なら基本給は同じ

30代技術(非管理職)の 給与明細

30代広告宣伝(非管理職)の 給与明細

シャープで年収を上げる方法

年功序列は崩れ、成果主義へ

前述の通り、シャープの賃金制度は「役割等級制度」が導入されているため、年収を上げるには、等級を上げる=昇格・昇級することが必要です。

評価は、「業績評価制度」と呼ばれる制度が運用されており、期初に設定した業務目標について、取り組みプロセスや達成度合いに基づいて評価が決定されます。「達成できたら100%、できなければ減点されていく」という減点方式であり、この結果が給与に反映されます。一方賞与については、前述のとおり、部門業績と個人業績の2つの要素で支給月数が決められます。

こうした成果主義に基づいた制度が運用され始めたことによって、「年功序列が崩れた」「若手を早期に管理職登用する傾向が色濃くなっている」という声が多くみられ、同時に「50歳代の大半の係長が主任に格下げされている」という現象も。とはいえ社員にとってはネガティブな印象はなく、「業績悪化後のポジティブな一面」と前向きにとらえられているようです。

シャープ社員の口コミ(キャリコネ)

評価は目標に対する達成度とプロセスで決定

「半期ごとに業績評価シートを作成して、目標と達成度を上長と確認 担当者はプロセス重視で、役職が上がると成果重視……

賞与は評価によって1~8ヶ月分というレンジで決まる

「部門業績と個人業績の2つを加味して、査定が決まる 賞与は1~8ヶ月という制度だが、極端に高いor低い、という人は……

シャープのライバル企業と比較

家電メーカーとしては高い水準

まず、シャープと同じくAVが主力の日本の家電メーカーである、パナソニック・ソニーの2社と比較してみましょう。
シャープの平均年収が759.2万円に対し、パナソニックは774.5万円、ソニーは1051万円です。多くの機能を分社化しているソニーについては、一概に比較することはできませんが、家電メーカーとしては高い水準であることは間違いないでしょう。

AVと同じく、シャープの主力製品であるスマートフォン・携帯電話においては、いずれも国内シェア2位のポジション(1位はいずれもアップル)。国内メーカーの競合として挙げられるのは、京セラです(スマートフォンは国内5位、携帯電話は国内3位)。京セラの平均年収を見てみると、723.1万円と、シャープよりも若干下回る水準です。国内シェアに連動した位置づけであると言えます。

社名平均年収平均年齢平均勤続年数従業員数(単体)売上高
シャープ759.2万円44.6歳22.7年12518人15920.1億円
パナソニック774.5万円45.6歳22.8年62031人42552.2億円
ソニー1051万円42.4歳16.7年2519人19254.3億円
京セラ723.1万円41.7歳17.8年19268人7362.6億円

出典・参考
厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」「平成30年国民生活基礎調査」
経済産業省「平成30年企業活動基本調査速報-平成29年度実績-」
国税庁「平成30年度民間給与実態統計調査」
マイナビ「業種別 モデル年収平均ランキング」

この記事の執筆者

東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。


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