かんぽ生命保険の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

かんぽ生命保険の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

かんぽ生命保険の2026年3月期2Q決算は、純利益が前年比約50%増と好調。次期中計での保有契約反転に向けた構造改革や、海外再保険市場への巨額投資による収益源多様化を推進中です。「なぜ今かんぽ生命なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

次期中期経営計画で「新区分の保有契約反転」を最重要課題に据える

かんぽ生命は、2026年4月から始まる次期中期経営計画において、主力である「新区分(自社引受)」の保険契約件数を反転・増加させることを目指しています。営業体制の再構築や貯蓄性商品の魅力向上を推進しており、長引く保有契約の減少に歯止めをかけ、将来の利益成長基盤を確実なものにする構えです。

再保険市場への20億ドル追加投資などで収益源を大幅に多様化する

2025年7月に、米国の大手投資会社KKR傘下のGlobal Atlanticが運用する再保険ビークルへ、20億米ドル(約3,000億円規模)の追加投資を決定しました。従来の国内保険事業に頼らない収益構造への転換を急いでおり、海外保険市場やアセットマネジメント事業(資産運用業)からの利益貢献を数倍に拡大させる戦略です。

デジタル化により2,000人相当の業務を削減し強化領域へ人材をシフトする

バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進し、現中期経営計画の目標である2,000人相当の業務量削減を1年前倒しで達成する見込みです。捻出した人的リソースを、お客さまサポートや営業支援といった直接的な付加価値を生む「強化領域」へ再配置し、経営の効率化とサービス品質の向上を両立させています。

1 連結業績ハイライト

中間純利益は前年比49.3%増の938億円。運用環境の好転と効率化により、通期予想を上方修正しています。
連結経営成績の概要

出典:2026年3月期 中間決算・経営方針説明会 P.4

経常利益

1,838 億円

+10.2%

中間純利益

938 億円

+49.3%

修正利益(通期予想)

約1,620 億円

上方修正

※修正利益:連結当期純利益に、新契約の増加に伴う一時的なコスト(標準責任準備金の積増負担)や、のれん償却額などを加算調整した、会社の本来の収益力を測るための独自指標。

2026年3月期第2四半期の決算は、運用環境の好転に伴う「順ざや」の増加や、新契約獲得時の一時的なコスト負担が減少したことにより、親会社株主に帰属する中間純利益が大幅に伸長しました。資産運用の多様化が進んだことで、過去最高水準の利差益更新を見込んでいます。

これを受け、通期の業績予想も上方修正されました。株主還元についても、1株当たり年間配当を124円(前期比20円増配)へ引き上げるとともに、最大450億円の自己株式取得を決定するなど、強固な財務基盤を背景とした積極的な姿勢が鮮明になっています。

中間期時点の純利益は938億円となり、修正後の通期予想(1,590億円)に対して進捗率は約59.0%に達しています。このため、通期目標の達成に向けて業績は順調に推移していると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

全国2万局の郵便局ネットワークと、専門性を高める直営チャネルの両輪で、顧客基盤の維持・拡大に挑んでいます。
販売チャネルと顧客基盤

出典:2026年3月期 中間決算・経営方針説明会 P.31

郵便局窓口チャネル

【事業内容】
日本郵便が運営する全国約2万の郵便局を通じ、リテール(個人)のお客さまへ保険サービスを提供。販売割合の約80%を占める中核チャネルです。

【業績推移】
一時払終身保険のヒットにより一時回復したものの、直近では減速。次期中計での「再興」を最重要課題とし、DX活用による支援体制を整備中です。

【注目ポイント】
日本郵政グループの巨大な顧客基盤(ゆうちょ口座数約1.2億等)を活用したクロスセルの強化を検討中。対面とリモートを融合させた新しい募集モデルの構築を担う、営業企画やシステム企画の人材が求められています。

注目職種: 営業企画、デジタル推進、代理店サポート

直営チャネル(かんぽサービス部・法人営業部)

【事業内容】
約1万人のコンサルタントによる訪問営業や、法人向けのコンサルティングを実施。丁寧なアフターフォローと高度な提案が強みです。

【業績推移】
態勢強化が奏功し、着実に成長を加速。営業社員のスキル評価制度「かんぽGD制度」の導入により、高スキル人材の割合が倍増しています。

【注目ポイント】
経験者採用を強化しており、2025年4月の採用数は前年比で大幅な増加を見込んでいます。AIによる訪問準備サポートなど、効率的な営業活動を実現する環境整備も進んでおり、プロフェッショナルなコンサルタントとしての活躍の場が広がっています。

注目職種: ライフプランコンサルタント、法人営業、育成担当

資産運用・新規事業領域

【事業内容】
約60兆円の資産運用と、運用力の強化に向けた国内外の企業との戦略的提携。不動産、PE、インフラ等のオルタナティブ投資を拡大中。

【業績推移】
多様化の成果により、インカム収益の割合が13%(前期比大幅増)へ上昇。順ざやは過去最高の2,250億円程度を見込む好調ぶりです。

【注目ポイント】
三井物産や大和証券グループとの資本・業務提携を通じて、専門人材の交流や高度な運用態勢を構築しています。世界有数の機関投資家としての地位を確立すべく、アクチュアリーや資産運用の専門家を積極的に採用し、運用の内製化と高度化を推進しています。

注目職種: 資産運用、アクチュアリー、リスク管理、経営企画(M&A担当)

3 今後の見通しと採用の注目点

「金利のある世界」を追い風に、保険・運用の両面で構造改革の成果を利益に変えるフェーズに突入します。
次期中期経営計画の方向性

出典:2026年3月期 中間決算・経営方針説明会 P.9

かんぽ生命は現在、大きな転換点にあります。次期中期経営計画では「収益性の強化」と「資本コントロール」を軸に、時価総額2兆円の達成を目標としています。市場金利の上昇という外部環境を捉え、保有公社債の入替による利回りの向上を積極的に進める方針です。

また、非保険領域(教育・健康・医療・介護事業など)への展開も探索しており、生命保険事業とのシナジーを見込める領域への投資を検討中です。デジタル・AI活用についても、単なる効率化だけでなく、お客さま体験価値(CX)の向上に繋げるための専門部署の設置など、攻めの投資を継続しています。

採用面では、資産運用等の専門人材に加え、全国規模のオペレーションを支える「人」への投資を最優先しています。人的資本経営の推進により、エンゲージメントスコア(社員の熱意・意欲)も改善傾向にあり、自信と誇りを持って働ける環境作りが、今後の成長を支える鍵となります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

かんぽ生命の最大の強みは、日本全国にある郵便局を通じた「圧倒的な顧客基盤」です。この基盤を活かしながら、「デジタル×対面」の新しい金融サービスをどう作り上げるか、という点に注目しましょう。また、米国再保険市場への進出など、「伝統的な国内保険会社からの脱却」という変革のフェーズに共感し、自身の専門性をどう貢献できるかを語るのが効果的です。

Q&A

面接での逆質問例

  • 次期中期経営計画において、「新区分保有契約の反転」を達成するために、私の担う職種ではどのような具体的貢献が期待されていますか?
  • 2,000人相当の業務量削減後、実際に現場ではどのような「強化領域へのシフト」が進んでおり、どのような成果を実感されていますか?
  • 資産運用の多様化が進んでいますが、内製化を進める上で、中途採用者に期待される「外部視点」や「専門スキル」にはどのようなものがありますか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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プライベートの時間をしっかり確保できる

プライベートの時間をしっかり確保でき、資格取得の勉強や趣味に時間を費やすことが可能です。

(40代後半・人事・女性) [キャリコネの口コミを読む]
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商品ラインナップが少ないのが現状

ブランドの信頼性は高いものの、性質上、商品開発の自由度が制限されているため、競合他社に比べて商品ラインナップが少ないのが現状です。

(40代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 中間決算・経営方針説明会(2025年12月2日発表)
  • 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2025年11月14日発表)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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