【平均年収1430万円】三井物産の給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【平均年収1430万円】三井物産の給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

【年収研究シリーズ】三井物産の年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。


三井物産は2018年5月8日、ブラジル子会社で穀物集荷事業を手掛けるマルチグレインから撤退すると発表しました。これに伴い、ブラジルでの営業は12月末日までに終了することになります。

三井物産は2011年までに約470億円を投じてマルチグレインを完全子会社化しましたが、中国企業などがブラジルで同事業に参入したことで赤字が膨らみ、過当競争で黒字化は難しいと判断したようです。撤退に至った2018年3月期の決算では、撤退に伴う費用など477億円の損失を計上しました。

三井物産は三菱商事や住友商事、伊藤忠商事、丸紅とともに五大商社に数えられています。まだ商事会社という言葉すらなかった明治時代に設立された「日本初の総合商社」であり、三井グループの中核を成しています。

また三井物産は高給のイメージがありますが、実際に東洋経済オンラインの「平均年収ランキング」では、度々トップ50にランクインされており、常連としても有名です。

それでは、三井物産の年収はいったいどれくらい高いのか、またなぜそんなに高いのか、そして就職・転職先として適しているのかを探っていきましょう。

平均年収は堂々の1400万円台

三井物産の平均年収ですが1430万円(有価証券報告書2019年3月期)でした。

それでは5大商社の給与を比べて見ましょう
まず三菱商事ですが1607万円(有価証券報告書2019年3月期)、つづいて伊藤忠商事は1520万円(有価証券報告書2019年3月期)、そして住友商事は1389万円(有価証券報告書2019年3月期)、丸紅は1389万円(有価証券報告書2019年3月期)でした。

・三井物産:1419万円
・三菱商事:1540万円
・伊藤忠商事:1460万円
・住友商事:1304万円
・丸紅:1322万円

このことから三井物産も含め、業界全体の平均年収が高いことがわかります。

商社業界の給与明細(キャリコネ)

どの会社も年収の高さは国内トップクラス

三井物産・20代・営業管理(非管理職)の 給与明細

三菱商事・20代・営業管理(非管理職)の 給与明細

伊藤忠商事・20代・営業管理(非管理職)の 給与明細

住友商事・20代・営業管理(非管理職)の 給与明細

丸紅・20代・海外営業(非管理職)の 給与明細

三井物産の平均年収の推移

続いて、過去5年間における年収の推移を見てみましょう。

下は平均年収と平均年齢の推移を表したグラフです。

2015年3月期 1361.3万円(42.4歳)
2016年3月期 1363.3万円(42.4歳)
2017年3月期 1213.5万円(42.4歳)
2018年3月期 1419.9万円(42.1歳)
2019年3月期 1430万円(42.2歳)
(出典:有価証券報告書)

高い収益力を背景に充実した手当が年収を押し上げる

三井物産の年収の高さは、巨額な収益と利益であることが関係しています。

2019年3月期の連結決算発表(国際会計基準)によると、収益は6兆9575億円2400万円、当期純利益は4142億1500万円という結果でした。
また単体で見ても、売上高は3兆8376億8100万円、人件費含む諸経費を抜いた純利益は2199億7700万円ということから、収益力が高いことがわかります。

ここでわかりやすく純利益を例に三井物産の従業員数5772人で割ってみると、一人あたり3811万円もの利益を生み出していることになります。こういった利益が社員の待遇に還元される仕組みができているようです。

三井物産は昇給額やボーナスが高いことが特徴で、ボーナスは年間の基本給ほどの額が支給されます。つまり基本給の2倍くらいの年収がもらえる計算です。

また手当も充実しています。住宅手当の他、出張手当や海外赴任手当などの制度が確立されていることから、生活の安定につながる給与が支給されます。

三井物産社員の給与明細(キャリコネ)

同職種でも年代によって基本給に大きな差が

20代・海外営業(非管理職)の 給与明細

30代・海外営業(非管理職)の 給与明細

同年代でも賞与の有無が年収に大きな差を生む

20代・営業管理(非管理職)の 給与明細

20代・営業管理(非管理職)の 給与明細

収益の大部分が資源 価格の変動に利益が左右される

三井物産は給与や年収、そして総合商社としての知名度がありブランド力もあります。
しかし仕事内容はというと、残業は深夜まで及ぶことがしばしばあり、休日出勤も多く激務と言われています。残業代が多いことも、給与が高い理由の一つです。

支店や取引先が多いため、国内外を問わず出張も頻繁にあります。場合によっては、テロが多発する地域や山奥などの危険な場所にさえ行くこともあります。

商社は「モノを右から左に動かすだけに仕事」というイメージがあり、利益率が非常に高いと思われがちです。しかし実際は「薄利多売」であることが多く、総合商社はモノを大量に動かすことによる「スケールメリット」で収益を得ています。
それゆえに一つの事業がうまくいかなかった場合、業績への影響が大きくなってしまうのです。

また収益の大部分を「資源系」が占めていることもあり、需要に左右されてしまいます。
三井物産・三菱商事・伊藤忠商事・住友商事・丸紅の五代商社の中でも、三井物産は資源分野の比重が大きいため、資源の需要や景気による資源価格の変動の影響を一番受けやすい傾向にあります。

結局三井物産は就職・転職先として選んでもいいのか

三井物産は、前述のコンビニを子会社化するなど「非資源系」に力を入れており、バランスのよい稼ぎ方を構築している最中です。

ブラジルの子会社への投資はうまく行かなかった反面、過当競争からの撤退したことは懸命な判断と言えます。社長の安永竜男氏が「多くの学びがあった」と表明しており、今後の投資について知見を得た格好です。

今回の連結最終利益では撤退の影響で最高益には届かなかったものの、資源分野の鉄鉱石や石炭事業が好調で3年ぶりに業界2位に返り咲き、いまだ成長を続けています。こういった会社で働くことで、資源や食品、インフラなどの人に役立つものを動かしているというやりがいが得られるはずです。

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